第4話:久しぶりの再会
「それでは終わります。礼!」
「さようなら」
終礼が終わり、帰る人もいれば、掃除当番の人、部活の人もいる。
「誠、帰ろっか?」
いつもは、誠から来るのだが様子がおかしかったので、私から誘った。
まあ……いつも一緒に帰っているんだけど。
「もう僕にかまわないでください。純麗さんといると辛いです」
そう私に言い残し、教室から出て行ってしまった。
「どうしたの、純麗? 百瀬と喧嘩でもした?」親友の小鳩 木の実が心配そうに、私の顔を覗きこんでくる。
「あっ、ううん! そんなわけないじゃん?」
木の実を心配させまいと思い、つい嘘をついてしまった。
「そっかぁ? 何か……百瀬、いつもと雰囲気違ったよ?」
「ホンットーに、全然大丈夫だから!」
いちいち、つっかかってくる木の実に、少し苛立ちを感じながらも平然としているそぶりを見せる。
「うーん……」
木の実は、まだ何かつっかかってくるが、私が
「ねっ? ねっ?」
と言うと
「まあ、いっか。純麗と百瀬の問題だしね。でも、何かあったら遠慮なく相談してね」
と心配してくれているようだ。
「ありがと」
私は、そう言い教室を後にした。
帰り道―――
今まで毎日誠と登下校は一緒だった。
朝七時頃、誠が私の家まで迎えに来てくれて、帰りはやっぱり私の家まで送ってくれる。
いつの間にか、そのことが普通になっていたため、誠が隣にいないことが不快に思う。
「あぁ……」
一人、溜め息を吐くと
「純麗〜」
と、どこかから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「えっ……? え〜」
私は、驚いてしまった。
私の前に、立っている人物……。
それは……中学の時のクラスメート、谷村 裕優だったからだ。
どれだけ必死に走ってきたのか、裕優の額には汗が浮かんでいる。
そして、久しぶりに会った私に言った一言目は
「太った?」
何この男〜。無神経な奴。と、思いながらも、怒れない私。
だって……中学の時、好きだった人なんだもん……。
優しい……けど、たまにキツイことを言う裕優が好きだった。
だったと過去形にはしているが、今も好きなんだと思う……。
だって、すごくドキドキしてるから……。