6話 戦場に立つ鬼
さあ6話ですよ、そろそろ1日1投稿がキツくなってきました
ペース落とすかもしれないのでご了承下さい
あと龍我君は決してシスコンではないと思います
では本編きましょう
『悪人』本部にて
「テロ組織の殲滅ですか…」
「そう、大方40人ってところね」
「多くないですか?…俺一人はキツイんですが」
「勿論龍我一人じゃないよ、かなり不本意だけど華蓮にも頼んであるし…あとはスナッチもね」
「え、あの人呼んだんですか」
「ああ、一番頼りになると思ったからね」
「まあ、頼りにはなりますけど……」
「じゃあ頼んだぞ龍我」
その言葉を聞き龍我は紫雲の部屋をあとにした、本部から外へ出る為歩いている途中……角から男が出てくる
焼けた黒い肌に2メートル近くある身長…鍛え上げられた身体、丸太のように太い腕
この男の名はスナッチ・ルーザス…元米国軍人でもあり殺し屋、戦場にて『鬼神』の二つ名を持つ男
「よおスナッチ、久しぶりにこっちに帰ってきてたのか」
「ああ、紫雲からの仕事の依頼が入ったからな…そう言えばお前ら姉弟と共同だったな、楽しみにしてるぜ」
「殲滅戦にスナッチが居てくれると早くて助かる……まあやり過ぎ無いようにね」
「手加減は苦手なんだよ…じゃあまた明日な」
そう言って去って行った、龍我も本部から出て自宅へと向かった
「りゅ〜君♡お姉ちゃんと遊ぼう?」
「……ただいま、昼飯の支度するね」
軽くスルーを決めるつもりだったのだが、通り過ぎた瞬間に首に手を回され頭に銃を突きつけられた
「あれぇりゅー君、お姉ちゃんのこと無視するのかなぁ?」
「いや違う、無視してはいない」
「なら遊んでくれるよね?」
「だから俺は昼め「ガシャン!!」……分かったよ、少しだけならな」
頭の真横でリロードをされたので渋々ながら了承する
「じゃあギューってして♡」
「……それ遊びじゃなくね?てか色々アウトじゃないか?」
「いいから早くー」
「はぁ、分かった」
笑顔なのに目が笑っていない上に銃口を向けてきたので龍我が正面から抱き締めると華蓮は更に強く抱き返してくる
「ん〜♡りゅー君の匂いだぁ♡」
「なぁ…もういいか?」
「まだダーメ、もうちょっと」
徐々に龍我へともたれ掛かってくる
「おい姉さん、そろそろキツイ」
「ふふふ、じゃあ…えいっ!」
「うおっ!?」
押し倒される龍我、そして馬乗りになる華蓮
「……デジャヴ」
「さてと、どうしようかなあ〜」
「……昼…飯」
「わ、分かったわよ…だからそんな顔しないでりゅー君」
切なそうな顔をする龍我、流石の華蓮にも効いたらしく潔く龍我から降りる
立ち上がり台所へと向かった
「はぁ…昼飯作るか」
昼食を済ませ暫く寛いでいるとインターホンが鳴り、スナッチが到着した
「そろそろ行くぜ」
「了解、姉さん行くよ」
「は〜い、あらスナッチ久しぶり」
「久しぶりだな華蓮、相変わらずのブラコンっぷりだな」
「何よ悪い?」
そう言いながら龍我へと抱き着く、スナッチは苦笑いしながらそれを見る
「姉さん離れてくれ、出発できない」
「ああ御免ね、じゃあ行こう」
向かう場所は町外れの使われなくなった巨大倉庫
現在そこを拠点にしているらしい、因みにスナッチの車で向かった
「着いたぜ、ここだ」
「随分とデカイ倉庫だな、何に使ってたんだよ」
「さあな、俺も分からん」
中を確認すると数名武装したテロリストらしき者達が見える、華蓮は行きの途中で狙撃ポイントを見つけた様なので降ろしてきた
そして、華蓮が狙いやすいように倉庫の扉を全開にする
「な、何者だ!」
「よおテロリスト共…『悪人』だよ」
スナッチがそう言うと銃弾が飛んでくる、二人は陰に隠れる
相手の弾幕が薄くなればすぐに顔を出し撃ち返す
するとスグにスナイパーライフルの弾が飛んでくる、見事に倉庫内のテロリスト達の頭を撃ち抜いていく
「ヒュー、スッゲェ」
「お前の姉も相変わらずの腕前だな、俺も負けてられん」
陰から身を出し相手の方へ歩み出す、右手にはショットガンを持って
「な、何だ!」
ドガン!普通の銃より大きい発砲音が聞こえる、それに恐るべきことになんと片手で撃ったのだ
最初の一発から続いて二、三発と次々とリロードをしながら撃っていく
「こぇ〜、片手でショットガンとか頭おかしいだろ」
「鍛え方が違うんだよ」
「いやどう頑張ってもショットガン片手は無理だろ、じゃあ俺も援護しますよ」
前進するスナッチを後方からアサルトライフルで援護する龍我
超遠距離からの狙撃に迫り来る『鬼神』、後ろからの的確な援護
テロリスト達のなす術は無かった……一瞬で倉庫にいた者達は片付いた
「さて奥に進むぞ、華蓮に連絡は入れないでいいのか?」
「ああ、スナイパーたる者自分でポイントとを探すべし…だとよ」
「アイツらしいな、じゃあ悪いがいつものやってくれるか」
「ああ、そのつもりだ…音がよく響く場所は俺の独壇場だ」
近くに落ちている意思を拾い上げポイッと投げる
カーン…と小さな音が倉庫内に響く
「……ふむ、奥に30人ちょっとだな…今の戦闘音を聞いた数人がこっちに来てる」
「大分居るな…少し武器を取ってくる、足止めを頼んだ」
「了解」
龍我の特技のうちの一つ、エコーロケーション
どんなに小さな音でも聞き取り、音の反射で地形や生物の場所を特定する
その気になれば歩く足音でも出来るらしい
「さて…5人か、遊ばせてもらうぜ」
奥の扉から龍我が言った通り5人テロリストが出てくる
物陰に身を潜める
「さてと、姉さんはまだ見てるのかな?」
そう思ったのも束の間、二人の頭が撃ち抜かれる
「何!?何処からだ!」
「姉さん、ちょっと早いっての」
龍我もそれに続き陰から飛び出しトリガーを引く
「な!」
「ゴミ共は排除だ」
龍我はライフル、華蓮はスナイパー
息の合ったコンビネーションであっさりと片付ける
「流っ石、安心して任せられる」
龍我はテロリスト達が出てきた扉へと入って行く
中は廊下の様になっており、右へと伸びていた…そしてその右奥には扉がもう一つ
「………あの中だな」
扉へと近づく、龍我からしてみれば扉など有って無いようなもの
中の状態が筒抜けなのだ
「取り敢えずこれ投げとくか」
ドアを開け瞬時に何かを放り込む
「な、何だ!」
「伏せろ!」
爆発すると思いきや、なにやら燃え始める
次の瞬間には爆発を起こし火の粉を周りに散らす
「うわぁぁぁ!」
「火を消せ!早くしろ!」
「うがぁぁあ…あ、熱ィ…」
「おお、爆弾の扱いはピカイチだな…『繆ちゃん特製炸裂型焼夷弾・テルミットVer.』か、と言うか元々焼夷弾って建物燃やすのものだったよな…改造して人用にするとか流石だな」
軽い地獄絵図を眺めているとスナッチが戻ってくる
「悪いな龍我、戻ったぞ」
「ああ、おかえ…それ持ってきたのか」
「少し退いていろ、危ないぞ」
スナッチが抱えて持ってきたのは20mmバルカン砲
ドアを蹴飛ばしぶち壊す
「何だ!…てめぇかコレ投げた……の…」
「挨拶代わりだ、受け取りなお前ら」
バルカン砲を乱射、何も無い空間で避けれる筈も無くその場に居る全員のテロリストが蜂の巣にされる
「ひっでぇなあこりゃ、何でそんなもん持ってんだか」
「軍人時代の時にどうせ使えるのお前だけだろうって、教官が譲ってくれた」
「へぇ…って事はそれ軍から持ってきたもんか?」
「いや、正確に言えば教官の私物だ」
「私物って……何つー物持ってるんだよその教官」
既に華蓮が呼んでいたのであろう、『回収屋』と華蓮が到着した
「りゅー君お疲れ〜!」
「はいはい、お疲れ様」
「ちょっとスナッチ、バルカン使うなら言いなさいよ…早めに戻ってりゅー君とイチャイチャ出来たのに」
「悪いな、まさかこうも纏まっているとは思わなかったからな」
「スナッチはもう向こうに戻るのか?」
「いや、当分はコッチで仕事だ…またお前らとも会うかもな」
「その時は宜しくな」
「ああ、こっちからもな」
仕事が終わったのでスナッチの車で自宅まで送ってもらう二人
送り届けるとスナッチはスグに帰ってしまった
「さて…夕飯どうしようか」
「ちょっと待ったりゅー君!今日は私が作るよ!」
「え、いやいいよ…仕事終わって疲れてるでしょ」
「ううん、今日は私が作りたいの」
「……うーん、でもなあ」
「りゅー君、お姉ちゃんの料理食べたくないの?そんなに嫌なの?」
「あ、いやそういう訳じゃないから」
「なら……いいよね?」
「………分かった」
目のハイライトが消えていたので折れることにした龍我
どうせ何か盛られるんだろうなと憂鬱になりながら…
という訳で華蓮が作った夕ご飯を食べた龍我、食べた瞬間は何も無かったので一先ず睡眠薬系ではないので安心した
「……そういや碧梨さんからなんか貰ってたな」
「如何かしたのりゅー君?」
「いや、何も」
「そう?……それよりさぁ…お姉ちゃんと、シたくない?」
「無い思わない1mmも思わない」
「えー…そうなの〜、まだ効いてないのかな」
「え?何か言った?」
「ううん、何でもないわよ」
華蓮が碧梨から受け取っていたのは
『碧梨特製・超強力自白剤』、要望で華蓮の血が少し混じっているらしい
華蓮曰く、『もしこれがりゅー君に効かなかったとしても、結果的に私の一部がりゅー君の中に流れているから良し』との事
勿論龍我自身は何も知らない
「……また媚薬か自白剤入れたの?」
「うん♡でも可笑しいなぁ、碧梨ちゃんに頼んだのだから間違いないと思ったんだけどな〜」
「俺の免疫が勝ったって事だな」
「もー!何でりゅー君には効かないのよ!」
「どっかの誰かさんか飲ませまくったからだろ」
「だって飲んでも逃げちゃうじゃん、ヤらせてくれないじゃん!」
「当たり前だろ」
「む〜…お姉ちゃんと既成事実作るだけなのに何が嫌なのよ」
「いや俺達は血の繋がった姉弟だから」
「それがなによ!愛の前では関係無いわ!……あぁ、でもりゅー君と同じ血なのは嬉しいなぁ♡」
何を言っても無駄なので寝る事にした龍我、華蓮が布団の中へ侵入してきたのは言うまでもない
今更ですが舞台設定は日本のつもりでいます
銃刀法が無い日本だと思ってもらえればいいです
そして華蓮さんは長い間国外で活動していました
本当に今更の事ですがここに書いておきます
では