4話 最凶の姉
ついにあの人出てきますよー…まあタイトルにも書いてあるしタグにも書いてあるから大方予想がついているかもしれませんが
完全に私の趣味ですがどうぞお付き合い下さい
ではでは、本編どうぞ
翌朝、龍我は起きようとするのだが何かが上に乗っている為起き上がれない
「う…ん、何だ?」
目が完全に覚醒しきり目の前の状況を確認する
グラマラスな身体…ミステリアス且つ妖艶な雰囲気漂う存在感…そして何より超が付くほどの美人
そんな女性が龍我に馬乗りになっているのである
「ただいま、りゅー君♡」
「お、おかえり…姉さん」
女性の名は加雅崎 華蓮、龍我の実の姉である
龍我とは5歳離れている
美人で仕事もこなせるのだが、実の弟である龍我を弟以上の存在として見ている
早い話、度を超え過ぎてブラコンを超越したブラコンなのだ
前に話に出た『媚薬類に対して完全免疫を持っている』という話
実のところ華蓮が食事や飲み物などに媚薬をよく入れてくる為である、そのまま既成事実を作ろうとしているのは言うまでもない
そして極めつけは
「ところでりゅー君、部屋からお姉ちゃん以外の女の匂いがするんだけど…何で?」
「仕事仲間だよ、仕方ないだろ仕事の付き合いなんだから」
「ふふふ…りゅー君、もしお姉ちゃん以外の女と付き合うんだったら……ね?」
目のハイライトが消え、そう言いながら龍我の額へと銃を突き付ける、馬乗りされている為身動きの取れない龍我
そう、華蓮は俗に言うヤンデレなる者なのだ
「付き合うつもりなんて無いし当分は仕事に追われるだろ」
「仕事?内容は?」
「あのカルト教団から麻薬が流れてるのが分かったし、序に教祖の場所も特定したからそれについての仕事だろ」
「その仕事ならお姉ちゃんが終わらしてきたよ?」
「………え?」
「だから、そのカルト教団の教祖ならお姉ちゃんが頭撃ち抜いてきたよって言ってるの」
「……あ、そう…なの」
加雅崎 華蓮…傭兵上がりの元殺し屋であり狙撃手、排除した人数詳細不明
スナイパーでの狙撃で華蓮の右に出る者は居ない程の腕前を持つ、その他も近接戦闘や中・遠距離における狙撃もトップクラス
とにかくハイスペックな姉なのである、ブラコンを除いて
「という訳でお姉ちゃんを構ってりゅー君♡」
「うぉっ!?」
馬乗りの状態から今度は抱きついてくる華蓮、そのまま頬擦りや匂いをかいだりと色々始める
「あぁ〜りゅー君、りゅー君がいるよぉ〜♡」
「ちょ、姉さん…離れてくれ」
「嫌…まだ足りない」
「何がだよ……」
「りゅー君成分が全然足りないの〜!」
「……何だそりゃ」
首元の匂いを嗅いだり、時々甘噛みをしてきたり頬擦りをしたりとなかなかのスキンシップを堪能する華蓮
最早、姉弟愛ではない領域に達していそうである
「はぁ〜♡満足したわぁ♡」
「はぁ…なあ姉さん、いい加減会う度にこれ止めてくれよ」
「え?何でよ、嫌なの?」
「いや別に嫌では無いけど…そろそろ弟離れしてくれよ」
「何でそういうこと言うの…りゅー君は…そんな事言わない……りゅー君は優しいから、そんな事は言わない!」
「ちょ!姉さん落ち着いて!」
未だ馬乗りされたままの龍我、逃げたくても逃げれないという悲しきことかな
「いつものりゅー君を返せ!」
「いきなり暴走しないでくれよ頼むから!」
首を絞めようとする手を食い止めながら突き付けられる銃口の標準を必死に頭から外している
「大丈夫だよりゅー君、死んじゃってもお姉ちゃんスグに一緒に逝くから♡」
「いやいやいや、望んでないしまだ生きてくれよ姉さん」
仕方なく無ってきたので最後の手段を使う事にした龍我、本人はかなり不本意ではあるが
華蓮の頬にキスをした
「っ!?!!?!?」
「落ち着け、取り敢えず俺の上から退いてその銃仕舞って」
「りゅ、りゅー君が……キ、キス!?」
「おーい、意識がどっかいってるぞ帰ってこい」
「はっ!…御免ね、りゅー君」
「いや、もう慣れたから別に気にしてない…そいで、何で帰ってきたの?」
華蓮は漸く龍我の上から退いた……と思ったのも束の間、今度は後ろから覆い被さるように抱きつく
「まありゅー君に会いたいのが一つと、りゅー君の疲労の元であるゴミ掃除が終わったって事を伝えに来たんだよ」
と、ここで家のチャイムが鳴る
「誰だ?……姉さん此処で待ってて」
「分かった、早く帰ったきてね♡」
「…はいはい」
玄関に行きドアを開ける、ドアの外に立っていたのは繆だった
服は何故か気合が入っており手には紙袋を持っていた
「龍我さんこんにちは〜」
「おう、どうした?何か用事でもあるのか」
「お仕事ですよの話ですよ〜、あとこの前お礼です」
「ありがとう、何の?」
「飲み会場に家を貸してくれた事ですよ〜、それ以外ある訳ないじゃないですか〜」
因みに紙袋の中身は菓子折りである
すると突然龍我の背後から華蓮が抱きついてきた
「りゅー君…私以外の女と喋り過ぎ」
「ああ、悪い…ちょっとね」
「あ〜…どうも華蓮さん、お久しぶりですね〜」
「あら、繆じゃない…何か御用かしら?」
「いえいえ〜、この前のお礼を兼ねてお仕事の話を持ってきたんですよ〜」
「今度は何だよ、教祖の件はうちの姉さんが片付けたらしいが」
そう言っていると繆はポケットから4枚の写真を出し、龍我と華蓮に見せる
「この人達実は外部活動を主としてる人達らしくて、華蓮さんが片付けた時には居なかったらしんだよね〜」
「あら、取り逃しが居たのね…それの排除が今回の仕事かしら?」
「ご名答ですね〜、そんな訳でこの仕事は私と龍我さんの二人なんですが〜……」
「ダメに決まってるじゃない、そんな事絶対にダメ」
「…ですよね〜、なので紫雲さんに許可取ってきました〜」
「準備が早いな繆、日時は?」
「明日の朝からですね〜、ではヨロで〜す」
そう言って繆は帰って行った
先程の写真は参考として4枚とも拝借しておいてある、部屋へ戻りソファへと腰をかける龍我…それと共に隣に座り腕を絡めてくる華蓮
「……今思ったんだけど姉さんが狙撃すればスグに終わるんじゃないか?」
「それじゃ詰まらないじゃない、りゅー君と共同作業するのがいいのよ」
「さいですか…まあ4人が纏まって行動している可能生は少ないと思うし、効率を考えれば3人でやるのが一番いいのか」
「本当はりゅー君と二人きりがよかったのに……そうだりゅー君、暫くお姉ちゃん家に居るからね」
「仕事は無いのか?」
「うん、あったとしても多分紫雲からの依頼だけだろうから」
「へぇ、当分はゆっくりしてるのか……」
ここで龍我はある意味自分に危機が迫っていることに気が付く
姉…詰まり華蓮が家に居ると言うことは……そういう事なのである
心の中で飯は自分で作ろうと思った龍我だった
「だから〜、ご飯はお姉ちゃんが…」
「いやいいよ、姉さんの折角の休みを潰す訳にはいかないからな」
「も〜遠慮しなくていいのに、でもそう言う優しい所大好きよ♡」
取り敢えず食事の方の安全は確保出来たようだ、それ以外は自分の免疫を信じる事にした様だ
「取り敢えず夕飯作るから離れてくれ」
「うん♡ご飯期待してるよ♡」
「ああ、何が食べたい?」
「う〜ん、本当ならりゅー君って言いたいところだけど…りゅー君の作る物なら何でもいいよ♡」
「……最初の方のは聞かなかったことにしておく」
取り敢えず昔に作って一番喜んでいたものを思い返す
「………無くね?」
無いというのは全て同じ様に物凄いくらいに喜んでいた記憶しかないのだ
基本的に好き嫌いのない華蓮、龍我の作った料理に関してはどんな物であろうと喜んで食べる
例えどんなゲテモノであっても
「まあいいか、適度に作ろ」
夕ご飯を済ませた二人、龍我はテレビを付けて寛いでいた
華蓮は一足先に風呂に入っている
「りゅー君お風呂上がったよ〜」
「ああ分かった、取り敢えず服着てくれ」
「もう照れなくてもいいのに♡お姉ちゃんはいつでもウェルカムだよ♡」
今の華蓮の姿はバスタオル一枚
「はぁ、早く服着とけよ…風邪ひかれても困る」
「優しぃ♡やっぱり大好きだよりゅー君♡」
「はいはい」
就寝時
「一緒に寝よりゅー君♡」
「……拒否権は?」
「無い♡さあさあ早く」
風呂から上がってみれば用意されている布団は一つしかなかった、どうやら龍我に拒否権は最初から存在していなかった模様
「いい年こいて姉と添い寝かよ……はぁ」
「ウフフフ、りゅー君の匂いだぁ♡」
背中から抱き着いてきている華蓮、腰と胸辺りに手を回し足を絡めて完全にホールド状態
「姉さん暑苦しい」
「嫌なの?お姉ちゃんのこと嫌いなの?」
「違うから暴れないでね…もういいよこのままで」
「うん♡りゅー君だーい好き♡」
そのまま眠りについた二人であった
翌朝起きると既に華蓮の姿は無く、居間で武器の手入れや確認を行っていた
「あ、おはようりゅー君」
「おはよう、随分早いね」
「お姉ちゃんの武器って手入れしておかないとすぐダメになっちゃうから」
「へぇ、そうなのか」
その後軽い朝食を作り二人で食べる、暫くするとスーツを着た繆が到着したので仕事を開始した
ヤンデレ姉…マジ最高……
おっと失礼しました
やはり年上ヤンデレは堪りませんな、まあ実際にヤンデレが居るのなら愛を受けるのではなく愛を受けてる他人を観察したいですね
飽く迄傍観者でいたいです、何か性格悪いですね……では