疲れ切った人々
終末がやってきた。ヨハネの幻覚の通りにことは運び、そして主の前に、過去、現在、未来の全ての人間が出され、ここに時間は終了し、全ての時間がここに収束した。
神は裁きに取り掛かった。だが、人々を見回すと、彼らは一様に疲れ果てた顔をして、死んだように青ざめている。神は不審に思い、彼らに問うた。
「問おう、人の子よ、汝ら罪の子よ、いかにしてかかる顔つきをするか」
返事はなかった。代わりに、神に向かって大量の石が投げられた。神は不審がった。一体なぜ人々は自分に刃向かうのか、なぜそうした疲労の極みのような顔をしているのか。すると、中から一つの声が聞こえた。それはある背教者の声だった。
「もううんざりなんだよ、神様。俺らは勝手にこうして肉付けられ、こうして勝手に死なされ、勝手に裁かれ、勝手に地獄の責め苦を受けさせられる。もうたくさんだ。俺らはあんたを憎んでる。理不尽の全てを人の子に負わせたあんたをな」
神は言った。
「人の子よ、汝らは無力だ。汝らは運命の鎖に縛られ、こうして生まれ、死に、裁かれる。それは全て不可抗力なる力のなすことである。汝らには永遠にその鍵は明かされないのである」
一方そのころ、別世界にて、また神が人々を裁いていた。ここでは人は、何も言わずに、神の言うことに全て従った。故に、彼らは救われ、永遠の命を得て天の国に生まれた。神は言った。
「汝ら、愛すべき人の子よ、汝らは私を信じ、不浄なる造物主のもとに生まれたことを忌んで、彼に敵対し、私を選んだ。故に言おう、汝らは義なる者であると」
この二種の神は、もとは一つの宇宙で暮らしていた、が、一方は主に背き、もう一方は服従を選んだ。その結果、そこには無数の世界が生まれ、一つの宇宙で暮らしていた彼らは、それぞれの世界を掌ることになった。そして一方は秘鍵を伝授され、もう一方は伝授されなかった。つまり、片方は自ら正義となり悪となろうとして、世界の人々の反感を集めることになり、片方は、悪に対する完全なる正義となった。
そしてまた、裁かれて地獄に落ちた人々は、自ら世界を創りだし、そこを主宰する。また天国に導かれた者たちは、地獄の人々の創りだした世界へ入り、そこで彼らを討つことになるのである。




