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全体のあとがき

 今回は伝奇趣味が薄れた気がする。

『受胎告知』は、キリストの生誕における逸話を題材にした。また、聖母の非聖性を措定して、このような構成にした。いったいキリストが地に生まれないままに、身ごもってすぐさま聖者になるのだとしたら、時間の概念はそこから消滅し、キリストは生まれずにまた聖母も永遠に妊婦たるままだっただろう。もちろんこれは遊び心から出た邪推である。

『自分たち』は、ドッペルゲンガーを題材にし、またそれを並行する世界から引っ張ってきた。が、これはストーリー性にも驚きにも欠けた、蛭子のようなものだろう。

『夢と現の物語』は、胡蝶の夢から想を得、夢と現実を一つの時間軸に間隙のないよう埋めていき、次第に両者の一本化が成し遂げられていくように構成した作品である。が、途中からテーマから逸れたような気がする。

『小さな冬の記憶』は、上述のものとは趣の違うことが分かっていただけるかと思う。いわば閑散とした静かな出来事である。

『役者』は、一切の幻想性、伝奇性を排除した一つの滑稽劇である。ユーモラスかどうかは分からないが、苦笑する部分はあるかもしれない。

『死者の錬金術』では、人間と死人の混同という、一つのありそうなテーマをもとにした。また、この作品を創るにあたり、澁澤龍彦著『黒魔術の手帖』を大いに参考にした。

『井戸の幻想』は、ストーリー性はないが、共感できることのある作品になった。現実と異世界の激しい乖離に悩む人々も多くおられるかと思う。

『どんくさい男の物語』では、主人公の人間像を幸田露伴作『五重塔』の十兵衛から借り、一連の流れに小林秀雄『生と死』を参考とした。夢を実現した人間はどうなるべきか。

『疲れ切った人々』では、子供のような一種の反抗的精神を用いた。造物主への憎悪は、皆持った経験があって然るべきであろう。また、世界構造の永遠性も考えた。

『物と思念のアラベスク』は、小説というより一種の空想的遊戯となった。このような世界もあっていいのではないかと思っている。

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