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第41話 明日原飛鳥と




「人にモノを頼む前にやることがあるんじゃないかな?」


 ほんの少しの隙を付いた党夜は自分達を監視していた女性に接触を試みた。


「そうですね。俺の名前は天神党夜。高校二年で、つい先日銀の弾丸(シルバーブレッド)に加入しました」


「粟岐月夜見です。小学六年です」


「天神党夜に粟岐月夜見ちゃんね。で、どうして解ったのかな?」


「何の事ですか?」


 とぼけてみせる党夜。決して飛鳥が信用に足る人物か見極めるためではない。


「それが頼む側の態度かな?私が一から質問しないと答えられないお馬鹿さんなの?」


 飛鳥は一歩も引かない。それは先輩としての意地なのか、ただ後輩をイジメたいだけなのかは定かではない。しかし党夜が何を考えているのかは薄々勘付いてはいる。それでいてこの姿勢を崩さないのはなんたるか。


「それは………」

「………」


 自分の口から月夜見の能力については話せない。他人の能力を軽々しく話すのは憚れた。飛鳥も党夜が口を開かない理由を察するも何も言わない。痺れを切らしたのは最年少の月夜見だった。


「飛鳥お姉さんの監視が雑だったので、お兄さんが飛鳥お姉さんの存在に気付きました。あと、飛鳥お姉さんが仲間であることはヨミの能力で解りました」


「へぇ……月夜見ちゃんの能力でねえ。当然私にも教えてくれるんだよね、その秘密の能力?」


 もちろん飛鳥はそのことに気付いていた。例え自分の存在事態がバレたとしても、正体までは把握されないと解っていた。


 銀の弾丸では新人には組織全体について悟られないため、構成員の数、メンバー、能力を伝えないことになっている。事前に仲間に細心の注意と審査をした上で仲間に引き入れるのだが、万が一があってはいけない。そのため極力情報の公開は推奨されていない。


 つまり目の前にいる新人は自分が銀の弾丸のメンバーであることを知っているはずがない。


 なのにどうしてバレたのか。党夜の能力がDoFから引き継いだものであることは、報告書に一応目を通した飛鳥も知っている。ならば引き連れた少女か席を外した少女のどちらかが、対象者の情報を引き出す能力を持っていると導き出せる。


 ソフトクリームを舐めながら監視するような一見不真面目そうな飛鳥であるが、場数は踏んでいる。その程度の推論を立てることは造作でもない。


「なるほどね。なら私も自己紹介するわね。私の名前は明日原飛鳥。新人くんと同じく、銀の弾丸のメンバーよ」


「じゃあこっちからも質問してもいいですか?」


「私が答えられる範囲内ならね」


 言外に「私の能力は教えないよ新人くん」という意味を含ませていた。党夜ははなから聞くつもりはなかった。今はそれよりも優先して聞くことがある。


「どうして俺達を見張ってたんですか?」


「う~ん。それは言えないかな?守秘義務ってやつ?でも特に気にすることじゃないから。君達の味方であることは変わらないわけだし」


「そうですか……なら姐さん……姉川未桜さんと連絡が取れないんですがそのことは?」


 もう一つは未桜の所在についてだ。あれだけ党夜を心配し、何かあれば連絡を寄越せとまで言ってきた未桜と連絡が取れないことに疑問を感じずにはいられない。


「ああ、私も解らないのよ。さっき私も未桜先輩に電話したんだけど繋がらなくてね」


「やっぱり……」


 飛鳥もまた未桜との連絡が取れないという。党夜の勘が叫ぶ。未桜の身に何かがあったのだと。しかし自分にはどうすることも出来ない。目の前の少女のこともある。


「心配するのは解るけど、新人くんがどうにかできるとは思えないよ。未桜先輩が何かに巻き込まれてると仮定して、先輩が出来ないことを私や君が出来るとは到底思えない。君は未桜先輩のこと信頼できないの?」


「そんなことは……」


 心の中では理解している。俺がどうこうできるなんておこがましい。未桜が対処しきれない状況下にあったとして、自分が助けに行っても足手まといになるのが関の山だ。


(ダメだ。今は月夜見ちゃんのことだ。姐さんなら問題ないはずだ。それにただ電波の届かないところにいるのかもしれない。俺が姐さんを信頼しなくてどうする!)


 そのことを飛鳥は言った。そして今は目の前の自分たちのことだけを考えろとも。だからこそ党夜は自分に言い聞かせた。


「まあ質疑応答はこれぐらいにして……そろそろ要件を聞こうかな。相当切羽詰まってるんじゃない?」


 こうして話を元の路線に戻す飛鳥。


「切羽詰まってるというか現状把握が出来てないっていうか……」


「ふ〜ん。まあ高確率で帰ってこない女の子は捕まってるわね」


「その根拠は?」


「根拠はないよ。敢えて言うなら女の勘かな。それと後は、これまでの経験ってやつね。嫌な予感とか悪寒とか、そういうのって根拠ゼロだけど、下手な推論や思い込みより役に立つのよね」


 それに、と飛鳥は続ける。


「新人くんの基礎を見たのって未桜先輩なんでしょ?」


「はい」


「なら言われたと思うけどなあ。最悪な展開を想定して動かないと、不測の事態に陥ったとき咄嗟に判断出来なくなる。足をすくわれるってさ」


「確かに姐さんはそう俺に言ってくれました。効率良く行動するならあらゆる展開を想定しろ。自分に都合の良い流れなんてそうそう来ない。だから気を抜かず状況の変化を見極めろ、って」


「ちゃんと聞いてるんじゃない。あとは聞いただけじゃなく、それらを体現出来るようになることね。それは意識しただけじゃあね。経験を積めば何とかなるわよ。まだ新人くんなんだからその辺は私達先輩に任せなさい」


「手を貸してくれるんですか?」


「それは詳しい事情を聞いてからだね」


 最後に残ったコーンをパクっと口に含んでそう答える飛鳥。党夜はそんな可愛らしい仕草に少し気を取られたが、すぐに気を整え、順序よく説明し始めた。






〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜





「さて完全に見失ったわけだけど」


「そうね、見失ったわね」


 お互いの顔を見合わせ、どうしたものかと目で意思疎通を図っているのは風霧陣と伊織楓だった。


 党夜と紫が昼ご飯を食べに行った際に、一度監視を解き、別の店に行ったが運のツキ。完全に党夜らを見失ってしまった。まあこうなることは想像に難くないわけであって、二人共そこまで焦りは見えない。


 というのもそれまでに十分成果はあったといえばあったわけで。ならこの後どうするのか。二人の中の論点はそこへと移行していた。


「どうしよっか……」


「ほんとよ。勢いで尾行を決行したけど、このパターンを考えてなかったわ」


 目的は党夜と紫がきちんとデート出来ているのかを監視または見守るためであって、日向モール自体に目的を置いていたわけでない二人。


 これでも女子である楓は尾行しながらも、通りがかった店でウィンドウショッピングはしていた。それに買い物をしにきたわけではないので、それほど手持ちもない。


 ならこれからどうしよう。ここに行き着いたのだ。しかし一本の電話でこの後の行動が決められることになる。


「ごめん。電話だ」


「私のことは気にせずどうぞ」


「ありがとう」


 今更気を遣う間柄でもないが、一応陣は楓に一言入れる。楓も特に気にすることなく電話に出ることを勧める。


 陣はポケットから携帯電話を取り出し、電話相手の名前を確認。横で見ていた楓は陣の顔が少し曇ったことを見逃さなかった。


「もしもし……」


『若。お友達とお出掛け中に申し訳ありやせん』


「それは構わないよ。で、用件はなんだい?この状況で(しゅん)が電話をかけてきたんだ。何かあったんだろ?」


 電話相手は瞬と呼ばれる男。陣のことを若と呼ぶこと、陣の実家のことを鑑みれば関係性は明らかだろう。


『若はいつも理解が早くて助かりやす。少しばかり困ったことがありやして……』


「今言えないことか?」


 瞬が中々用件を切り出さないことから、陣はそう察する。電話では話せない何かがあるのだと。電話とは便利に見えて、意外と情報漏洩の面で脆い。電子機器全般に言えることではあるが、携帯電話は特にだと言われている。陣もその程度は認識している。


『はい。今そちらに向かっていやす。10分程で到着します。後の話は移動中に、ということで』


「伊織も一緒なんだけど」


『楓のお嬢ですか。解りやした。まず楓のお嬢を家までお送りしやす。ですので一緒に来てくだせい』


「解った。どこへ行けばいい?」


『今若はどちらの館に?』


「東館三階だけど」


『でしたら南東駐車場まで来てくだせい。着き次第また連絡したしやす』


 日向モールの構造上、駐車場の位置取りが難しい。よって北東、北西、南東、南西と4つのエリアに区切られている。特に北東と北西の駐車場は北館に食料品コーナーになっているので広めに、南東と南西は駅側ということもあり少し台数が少なめになっている。


「頼むよ」


『では10分後に』


 こうして電話を切った陣。


「どうしたの?私の名前が出てたけど……」


「ちょっと難ありって感じかな……とりあえず伊織は家まで送っていくよ。迎えがもうすぐここに来る」


「えっ!?でも……」


 流石にいきなりの展開ついていけない楓。


「このまま僕一人で帰るわけにもいかないでしょう。党夜たちと合流もできないし。もし伊織がまだモール内を見て回りたいなら無理強いはしないけど?」


「そもそも誘ったの私からだしね。お言葉に甘えとこっかな?」


「ありがとう。南東駐車場に来るらしいから行こうか」


「エスコートよろしくね。帰るまでが遠足なんだから」


 冗談混じりでそんなことを言う楓。


「仰せのままに」


「ふふ……よろしい」


 こうして陣と楓は日向モールをあとにすることになった。しかし二人は党夜らが直面している事については知らない。そして党夜らも二人が無事帰宅したことを知らない。





〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜





「大体事情は解った」


 党夜と月夜見は飛鳥の助力を乞う為、これまでの経緯や自分達の推論推測を飛鳥に伝えた。全て聞き終えた飛鳥の答えがそれだった。


「確かに君達二人じゃ荷が重いね。それに人質まで取られてる可能性が大。そして月夜見ちゃんが向こうに対する切り札であることは私も同意見ね。加えて月夜見ちゃんをここまで連れてきたのは確か4人だったんだよね?」


「はい」


 月夜見が移動中、視覚と聴覚を制限されていた。なのにどうしてそのことを知り得たのか。


「でもそのおじさんって信用出来るの?」


「間違いないです。ちゃんと視ましたから」


「ああ、なるほどね」


 それは月夜見の能力に起因する。能力さえ通じれば月夜見は相手から情報を引き出せる。同伴者であった塙山は過負荷粒子阻害のコンタクトをつけていなかったとのこと。つまり塙山の心は月夜見に筒抜けだったことを意味する。


「でも視た結果、今回の取引相手、つまり敵さんのことは全く解らなかったと。それに取引場所もまだ連絡されていなかったと」


「すいません」


 申し訳なさそうに謝る月夜見。


「いやいや月夜見ちゃんが謝ることはないと思うよ。何たって君の能力の恐ろしさを知ってる連中だよ?なら君との接触が多かった塙山っておじさんに貴重な情報を持たせるわけないよね。いつ盗み視られるか解かんないわけだし」


「飛鳥さんの言うとおりだよ。ここは仕方がなかったと割り切るところだ」


 しかし責めるつもりはなかった飛鳥は月夜見を、そして党夜も付け加えフォローする。


「じゃあまずは相手さんがいる場所を特定しないとね。と言っても大体の目星はついてるけど」


「ホントですか?」


「え?それ本気で言ってる?こんな目立ったところに女の子を人質にするような連中がいるわけ無いでしょ」


 驚く党夜に、これまた別の意味で驚く飛鳥。


「まあ経験不足だからしょうがないか。人の多い日向モールでドンパチやろうなんて向こうも思ってないはず。出来るだけ隠密にやり遂げたいはず。自分達の動きが悟られないようにね。と言っても月夜見ちゃんが逃げ出したことでそれも叶わないんだけど」


 だからね、と飛鳥は続ける。


「わざわざこんな場所を選んだのには理由が絶対ある。でも自分たちは目立ちたくない。なら場所は絞られる」


「それって……」


 党夜も飛鳥の言葉で思いついた。月夜見またはっとした表情を見せる。そして飛鳥は天井を指さし、言う。


「十中八九屋上だね。しかも屋上は基本的に閉鎖されてるらしいし、悪者にとったら絶好の場所だよね」


「じゃあ今すぐ行きましょう」


 飛鳥の提示した解答に食いつく党夜。


「まあ早いに越したことはないけどさ」


「私もお兄さんの意見に賛成です。私が巻き込んでしまったんです。紫お姉さんを早く助けないと。それにおじさんも……」


「解った。行こうか」


「「はい!」」


 意見が纏まり立ち上がる三人。


「私が案内するよ」


 そんな三人に話しかける者がいた。


「えっ!?」


 その人物はよれよれのスーツを着込んだ、見た目がお兄さんとおじさんの境目を生きてるような男。


「おじさんっ!」


 月夜見は声を上げる。そう党夜らの前に姿を表したのは、元々月夜見が助けを求めた理由であるおじさん、塙山だった。


「聞きたいことは山程あると思う。しかしお互い時間がないだろう。移動しながら話をしよう」


 こうして塙山は三人を促し、移動を始めた。






「関係のない君達を巻き込んでしまって申し訳ない。力が及ばず、被害を無闇に拡大させただけだった。本当にすまない」


「どうして……?」


 まず質問したのは党夜だった。月夜見は目の前で起きていることが信じられず呆然と立ち尽くし、飛鳥はその場で静観し口を挟むつもりない、手を貸すだけだと党夜に任せる姿勢をとっていた。


「君達を連れてくるように言われたんだ。ご覧の通り失敗してしまってね。その尻拭いをされられているってわけだ。見当は付いているようだけど、彼らは屋上にいる。そして君のお友達も。彼女は彼らに捕まっている」


「なん……!?」


 嫌な予感というものはよく当たる。


(チッ……やっぱり紫は……ちくしょう!俺が目を離さなければ……嫌われてもトイレまでついていくべきだった!くそったれ……俺はまた……)


 後悔の念が押し寄せる。考えないようにしていた事象を叩きつけられたようだ。心の何処かではトイレで悪戦苦闘していてほしいという希望的観測を抱いていた。しかしそれはもうない。事実紫は敵の手に落ちていた。


「心配しなくてもいいとは私の口からは言えない。でも敢えて言わせてもらう。心配はいらない。彼女に怪我一つない。私が保証しよう」


 党夜の心境を慮って発言した塙山。しかしそれは火に油を注ぐ行為だった。


「あんたの保証なんていらねえ。何の役にも立たねえじゃねえか。屋上にいることは確定したんだ。もうあんたは帰れ。月夜見ちゃんがあんたを助け出してほしいってのはこれで達成されたんだ。月夜見ちゃんも付いてくる必要はないよ」


 流石に紫が囚われの身になったと事実を突きつけられた党夜は心中穏やかではない。口調も厳しいものになっている。いつもの党夜なら初めてあった目上の人にこんな荒っぽい口をきくことは珍しい。それほど取り乱していた。


「落ち着きなよ新人くん。冷静にならないと大事な何を見逃すになる」


 そんな党夜を宥める飛鳥。


「すいません。取り乱しました」


「………」


 謝る党夜とそんな党夜を心配そうに見上げる月夜見。


「いや、いいんだ。私を責めるのは間違ってない。私の無計画さが招いた結果だ。でも私もこの子も一緒に行かないとならないんだ。けじめをつけるという意味もあるが、向こうは君達全員を連れてくるように言われている」


「つまり従わないと紫の身に危険があると?」


「確証はないけど……」


「無闇やたらに相手を刺激するのは良くないわね。悔しいけど今は従いましょう」


 こうして話を纏める飛鳥。本来の彼女であればこのような役割を担うことはないのだが、先輩風に吹かされているのだろう。天真爛漫で傍若無人かつ情緒不安定な明日原飛鳥はそこにはいない。一見朗らかに見えるが、すでに目つきは真剣なものになっている


「お兄さん……」


 唯一党夜の心を完璧に読み取ることができる月夜見は、党夜のて握った。一瞬びっくりした表情を見せる党夜ではあったが、月夜見の意図を汲み握り返す。それぞれの想いを持ち、歩みを進める一同。


 日向モールの屋上はオープン一ヶ月を経った今でも開放されていない。当初の予定では屋上は屋外のイベント会場として利用しようとされていた。


 上から十字に見える日向モールの構造上、交点部分にステージを配置しその周りに観客が取り囲めるように造る予定だった。しかしそれは鶴の一声で却下される。もちろん総帥平塚統(ひらつかおさむ)氏だ。


 その一言とは「“揺り籠から墓場まで”も何もないじゃないか。ただでさえ地球温暖化が進んでおるのに、子供と年寄りを太陽に近い屋上に集めるなんて言語道断だ。熱中症になったら誰が責任を取るんじゃ?そんなものワシが許さん」だとそうだ。


 既に設計図など手配済みだったので、日向モールの構造を大幅に変えることが出来ず、結果屋上はある程度の広さを保たれたままとなっている。イベント会場の予定だったことから、人が適度な運動できるぐらいの広さがある。そして戦闘できるぐらいの広さも。


 変えることができなかったのは屋上への経路もだった。エレベーターは通していなかったが、最上階から屋上へ上がるための階段は造られていた。もちろん関係者以外立ち入り禁止だ。きちんと施錠もしてある。普段であれば。


 党夜たちは塙山に連れられ、その正規のルートで屋上へと向かう。階段を上がり、屋上への扉を開く。


「広い……」


 月夜見が呟いた。その感想は最もだろう。日向モールは日本一の規模を持つ大型ショッピングモールだ。その屋上もほぼ同じだけの敷地面積を有する。


「彼らは中央広場の真上に当たるところで待っている」


 党夜らが屋上へ入ってきたのは北館からだった。それほど距離はない。党夜は息を呑む。以前の戦闘は実質一対一だった。しかし今回はそうはいかないかもしれない。


 相手の人数が解らない。紫がどのように捕まっているのかも解らない。そんな解らないことが多くある中、党夜らは指定の場所にたどり着いた。


 そこには三人の男の姿が。一人目は茶髪オールバックの男。二人目は黒髪で終始ニヤケ顔の男。そして三人目は。


「なんで……」


 金髪オールバックにグラサン。手足に金属製アクセサリーを身につけた男。党夜はこの男を知っている。忘れるはずもない。なにせ先日この手で倒した男なのだから。


「なぜお前がここにいる!鎖男ぉ!」


「会いたかったぜ、クソ野郎ぉ!」


 こうして党夜と鎖男の直線もまた交わる。






読んでいただきありがとうございます

誤字・脱字などがありましたら教えていただけたら幸いです


第42話は土曜日18時投稿予定です

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