魔王となった娘
とある小さな村に鍛冶屋があった。
鍛冶屋の亭主の名はトウ。
頑固者だが腕利きのいい主人であった。
そんな主人には一人の娘がいた。
その娘の名はアイラ。
幼い時に妻を亡くしてしまった主人の大事な一人娘であった。
だが、娘には少々特別な力があった。
それを知った父は娘が他の人を怪我させないように、娘の為を思って厳しく教育してきた。
その思いは娘には届かなかった・・・。
月日は経ち、ついに娘は我慢の限界に達した。
「こんな家出て行ってやる!!」
「ああ出て行け出て行け!!二度と帰って来るな!!」
アイラは勢いよく壁をぶち抜いて出て行った。
隣にあったドアは無事だった。
それから十年の月日が経った。
―――カンカンカン―――
「・・・・・・・・・」
工房で鉄を叩く音が響く。
―――カンカンカン―――
「お~い旦那!」
誰かがトウを呼ぶ。
その声は何か慌ててるようだった。
―――カンカンカン―――
「・・・・・・・・」
「旦那ー!!」
「・・・・・・聞こえてる。一体どうした?」
一旦作業を止め男のの方に歩み寄る。
「どうしたじゃないよ!大変だよ!!」
「何が大変なんだ?」
「旦那の娘のアイラちゃんだよ!!」
「・・・俺には娘はいねぇよ」
そう言って作業に戻ろうとする。
「まだ許してないのかよ。それよりもアイラちゃんが大変なんだよ!!」
―――カンカンカン―――
「旦那!俺の話を聞いてくれよ!!」
―――カンカンカン―――
「聞こえてるんだろ!なあ!!」
―――カンカンカン―――
「・・・アイラちゃんが魔王になったらしいぞ!!」
―――カンカン・・・―――
トウの動きが止まった。
「最近あちこちで物騒な事が起きてるだろ。それの原因がアイラちゃんらしいぞ」
「・・・・・・・・・」
「あの子昔から腕っ節は強かっただろ。それでこの国に不満を持ってる奴らを束ねて悪さをしてるって」
「・・・本当か?」
「ああ、本当だよ。・・・ほらこの絵見てみろって」
男は一枚の紙をトウに渡した。
「・・・・・・」
「アイラちゃんにそっくりだろ」
「・・・・・・ああ」
「それでさ。魔王を倒すために国王様が近々軍を率いて討伐に向かうらしいぞ」
「・・・アイラはどうなるんだ・・・」
「・・・悲しいけど捕まったら死罪だろうな」
「・・・アイラが・・・」
トウは言葉を失った。
「悲しいのは良くわかるよ・・・。アイラちゃんいい子だったもんな。俺も悲しいよ」
・・・と思ったが。
「だ、ダンナ?」
「あの馬鹿娘が!!人様に迷惑をかけおってからから!!」
大声を上げた。
「!!?」
トウは工房での作業を中断して家に入っていった。
「だ、旦那。どうしたんだい?」
「・・・連れ戻しに入ってくる」
「・・・え?」
「人様に迷惑をかける奴には説教してやる。そのついでに連れ戻して王様に謝罪させに行く」
「ひ、一人で行くのか・・・」
「ああ。安心しろ武器は持っていく」
手早く身支度をすます。
「暫く留守にする」
「え、あ、ちょ・・・」
トウはそのまま村を出て行った。
娘を助けるために?
作者です。思いつきで書いてみました。シリアスは苦手なのでなるべく楽しく書いていこうと思います。感想やもっとこうしたらいいとかありましたら気兼ねなく書いて下さい。




