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8話 覚醒と言う名の暴走

☆★☆★☆★☆★

「この寒気………。2年前と一緒だ………。諒がブチ切れてる……。」

「この殺気は確かにやばい……。」


☆★☆★☆★☆★

———国軍本拠地


「何今の寒気!」

「わかんねぇよ!けど、近くからじゃねぇな。」


☆★☆★☆★☆★

諒が放った強烈な殺気が世界の人々を震わせた。


———国立騎士育成学園


俺はあの時と同じ状態にある。覚醒………。いや、暴走と言った方がいいのだろう。

諒が暴走して、たった10分で十万の敵兵士が全滅した。残ったのは諒の目の前に立っている黒騎士のみだ。


「てめぇ………、何が目的だ?何故この学園に来たんだ?」


黒騎士は何も喋ろうとしない。


「おい………、何でなんだ?答えろよ!!!」


何も答えない黒騎士に諒が怒声をあげる。

そんな黒騎士に諒は斬りかかる。


———キンッ!


諒の刀と黒騎士の剣が交じりあう。諒はすぐさま黒騎士と間合いをあける。


「一刀流居合————“影月”!」


諒はすれ違いざまに“影月”を放つが、黒騎士に防がれてしまう。


「くっ!防がれたか!一刀流“斬光”。」


諒は“斬光”を放つ。だが、またしても黒騎士に防がれる。その後何度も技を放つ諒だが、黒騎士に全て防がれてしまう。


「くっ、何故当たらない!こうなったら………。」


諒は技を放つ為に刀を一度鞘に納め、構えをとる。


「一刀流奥義、“黒武”!」


だが、奥義である“黒武”さえも黒騎士は防ぐ。そして、初めて黒騎士が諒に攻撃を仕掛けた。


「がはっ!」


黒騎士は剣の柄で諒を思いっきりぶん殴る。くらった諒は数メートル飛び、校舎の壁にぶつかる。すぐに起き上がるも、黒騎士が再び攻撃をしてきて、諒は何も出来ない。


(くそっ!くそっ!何故当たらない!何故こんなに強いんだ!)


諒は心の中でそう嘆く。だが、目の前には黒騎士が迫ってくる姿が見える。そして………。


———ザシュッ!


諒の肉が切れる音がした。

その後も、黒騎士は容赦無く諒を斬る。


(俺……ここで死ぬのかなぁ………。華恋との約束、破っちまうなぁ。)


そう思っていると、黒騎士の攻撃がピタリと止まった。そして、次の瞬間諒は目眩に襲われた。


☆★☆★☆★☆★

諒が“影月”を放ったあと、私の周りから驚いたような声が漏れる。


「内田の奴………、速すぎだろ……。」

「それに、防がれましたけど、あの居合い斬りもすごいです。」


など、聞こえてくる。


再び諒は技を繰り出す。そして、黒騎士に防がれる。その攻防が私達の目の前で行われている。そして、彼が奥義の“黒武”を繰り出した。


「諒………。」


私は思わず呟いてしまう。


諒は奥義である“黒武”すらも止められた後、黒騎士の猛攻撃の餌食となる。だが、黒騎士の手は途中で止まった。


「おい、黒騎士の奴止まったぞ?どうしたんだ?」


康太君がそう呟いたその瞬間、諒の周りの空間が歪み出した。黒騎士の方を見ると、黒騎士の周りの空間も歪んでいるのが分かった。


次の瞬間、諒と黒騎士はその場から姿を消した。


「諒!」


驚いた私は諒の名前を叫ぶ。


「あれ?諒は?諒はどこ?」


私は狂った様に諒を探す。そんな私を見た皆が「落ち着け。」と言って私に声をかける。けど、その瞬間、私は気を失った。


☆★☆★☆★☆★

(ここは何処だ?俺、さっきまで学園にいたよな?てか俺、何してたんだっけ?あぁ、そうだ。黒騎士と戦ってたんだ。けど、いきなり目眩がして………、わかんねぇ!)


俺は必死で心を落ち着かせる。


すると、こっちに駆け寄ってくる人の姿が見えた。


「き………、だい…………か?」


はっきり聞こえない。そう思ったその瞬間に俺の意識は途絶えてしまった。


☆★☆★☆★☆★

俺は眠りから覚めると、ある部屋にいた。周りを見ると、勉強机と、俺が着ていた制服があり、床に小さいテーブルが置いてあった。そして、そのテーブルに置き手紙があった。その置き手紙には、


『起きたら学院長室に来い。』


と、書かれていた。


俺は着かされていた服を脱ぎ制服に着替える。


そして、学院長室に向かうため、準備をしていた。だが、ある異変に気付く。


(あれ?俺の“黒龍”は何処だ?)


そう、思ったとき、置き手紙が目に入った。置き手紙の下の方にはまだ、何か書かれていた。


『P.S.君の武器は預かってある。』


それをみた諒は安心する。そして、部屋を出た。部屋を出ると別の制服を着た生徒が何人かいた。


その生徒達は俺を見ると、何だか怪しい目で俺を見ている。俺は、学院長室に向かおうとしていた為、そんな視線を無視して、寮らしき場所を出た。


一時間程歩くと学校の校舎らしき建物が見えた。本当のところは寮を出て、10分で所にあるのだが、俺は寮を出るなり、校舎とは別の方に歩いていた。そして、やっと辿り着いた学院の校舎を見て安堵する。


(やっと着いた。)


そう、思っていると、学院の先生らしき人が俺の方へと近づいてきた。


(な、何だ?)


「貴方ね?道で倒れていた子って。」


そう聞いてきたが、俺はあの時何処にいたかすら分かっていなかった。


「わからないですけど、多分俺です。」


そう返すとその、先生らしき人が「着いて来なさい。」と、言ったので、俺はその後を着いて行った。


———コンコン

「学院長、連れて来ました。」

「はーい、入ってー。」


部屋の中から返事が返ってくる。その返事を聞いた先生らしき人がドアを開け俺を中に入れる。中には学院長らしき女の人が椅子に座ってデスクワークをしていた。


「では、学院長、私はこれで。」

「あぁ、ご苦労だった。」


先生らしき人が学院長にそう言うと部屋を出て行った。そして、学院長は俺に話かける。


「君の名前は?」

「俺は、内田諒と言います。」

「内田諒……。東洋人か。私はこの学院、アブェルート学院の学院長をしているホーミ・フレッチェだ。」

「日本人ではないのか⁉︎」

「日本人?」

「あぁ、日本人って言うのは多分さっきホーミさんが言っていた、東洋人と一緒だと思います。」

「そうか。所で君は、どうして道で倒れていたんだい?しかも、あんな重傷で。魔族にでもやられたのか?」

「魔族?そんなのいなかったけどな?」

「何を言っているんだ、君は?この世界に魔族がいない訳ないだろ。」


俺にはこの人が何を言っているのか、分からなかった。次の言葉を聞くまでは。


「それより、君はどんな魔法が使えるのだ?」


「!!!!ま、魔法?」

「何故そんなに驚くんだ?この世界で魔法を使えるのは当たり前だろ?」

「え?俺、魔法何か持ってません。それに俺の学園では魔法を使える者などいなかったはず……だと、思う。」

「はぁ⁉︎魔法が使えない?あぁ、なるほどだから道で倒れていたのか。魔法が使えなくて家を追い出され、挙句の果てには魔族に襲われた。大方、そんなとこだろう?」

「いえ、違います。俺は確か、戦っていたんです。そしたら急に目眩がして、気が付くとさっきまで見てた風景じゃなくなってた。」

「?訳がわからないぞ?それに、誰と戦っていたんだ?いや、やっぱりいい。ところでこの武器は、東洋で言う太刀だろ?」

「はい、そうです。」

「この刀についている血は全部君が?」

「えぇ、まぁ。」

「う〜ん、とりあえず。今日から君はこの学院にいてもらう。」

「俺は早く戻らないと行けないとこが………」


あるんです……。そう言おうとしたが帰る方法もわからない。もし、ここが俺のいた世界じゃないとすると、しばらくここにいたほうがいいのかもしれないと思った。


「?どうした?」

「いえ、何でもないです。」

「そうか、わかった。じゃあ、取りあえず、君は魔法が使えないってことだし、Gクラスに入ってもらう。ちなみにGクラスは落ちこぼれクラスなんだが………。」

「つまり、1番下のクラスってことですね?」

「あぁ、申し訳ないけど。」

「いえ、別にいいですよ。」

「そうか、ありがとう。それとこの学院のクラスは8クラスある一番上はSクラス。そこからアルファベット順となる。」

「分かりました。」

「では、早速クラスの方に行くぞ。制服は………。」

「このままでお願いします。」

「分かった。」


制服のことは学院長は了承してくれた。そして、部屋を出る際に“黒龍”も返して貰った。いつものように布掛けて……。



異世界編に突入です!やっぱりちょっと早い気がしますけど、まぁ頑張ってかきますんで今後とも、宜しくです!

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