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6話 侍七人衆

「諒の本気……。久しぶりだ。」

「諒君の本気?この前のは本気じゃなかったの?」

「うん。本気の諒は結構やばいよ。この前の何か比にならない位に。」

「この前のよりやばいの⁉︎」

「うん。」


でも、本当にやばいのは………、考えただけでも寒気がする。


「でも、本当に彼は何者なんですかね。」

「あれ?花ちゃん、まだ分かってないの⁉︎」

「そういえばそうだね。私も気になる。」

「朱里ちゃんまで⁉︎」

「で、どうなの?華恋さん。彼は一体……。」

「諒は私の幼馴染みで、命の恩人……。今はそれぐらいしか言えないかな。言ったら諒に怒られちゃうから。」

「命の恩人?一体何があったの?」

「まぁ、ちょっとね。」

「言いたくないんだったら別にいいです。」

「うん、ごめん。」

「華恋ちゃんが謝らなくてもいいよ!言いたくないことだって誰でもあるんだし。」

「うん!」


☆★☆★☆★☆★

「では、いきますよ!」

「あぁ、来い!」


俺は再び杉田に向かって走る。そして、一瞬にして杉田の目の前に立つと右に持っていた刀を振り下ろす。


———キンッ!


刀と刀が金属音を発して交じりあう。

俺は左手で持っていた鞘を使い杉田の腹部へ向けて攻撃を繰り出す。杉田はその攻撃を防ぐように自分の鞘を俺の鞘に当ててきた。


「おっと、やるじゃねーか。流石は《黒龍》……。ところで少し話しがあるんだけど。闘いながらでいいから聞いてくれ。」

「?何でしょうか。」

「実は先日、中国からあるタレコミがあったんだ。」

「タレコミですか?」

「あぁ、それがある国が日本を襲ってくるってことらしい。」

「それでその、ある国って何て名前ですか?」

「“ノーラ”って国だ。聞いたことのない国だが。」

「そうですか。後で連絡(・・)してみます。」

「連絡?知っているのか?」

「えぇ、まぁ。」

「じゃあ、とっとと終わらせよう。」


———!!

刹那、その瞬間俺は再び倒され首元に杉田の刀をあてられた。


「油断した……。参った。」

「お前が油断してなかったら負けていたかもな。」

「勝負あり!勝者杉田智和さん!」


———ワァァァァァ

観客席から歓声があがる。本気の俺を油断したとは言え倒すとは……、流石軍のNo.1。この人は負けていたかもと言っていたが多分油断してなくても俺が負けていたかもしれない。俺に勝ったのは2人目か……。あいつには勝ったり負けたりだったがな。


☆★☆★☆★☆★

「流石、《黒龍》ね。」

「あぁ、あの智和とあそこまで互角に戦えるとは……。恐れいるぜ!」

「あんたが戦っていたら負けてたかもね。」

「う、言うなよ……。」


———ピピッ


恵のインカムがなる。


『恵さん!大変です!ノーラ軍が攻めて来ました!』

「それは本当⁉︎」

『えぇ、間違いありません!』

「分かった、すぐに戻るわ。」

「どうしたんだ?恵。」

「ノーラ軍が攻めて来たみたい。」

「マジか!それはやばいぞ!丁度決闘も終わったみたいだし、早くあいつにも伝えよう。」

「うん!」


☆★☆★☆★☆★

「智和!やばいぞ!ノーラ軍が攻めて来たらしい!」

「本当か⁉︎」

「あぁ!とにかく急ぐぞ!」


奴ら、このタイミングを狙ったな。


俺はポケットに入っていた携帯を取り出しとある場所に電話をした。


「もしもし。」

「おう、諒か。何だ?」


こいつらは異国人だか日本語がわかる。俺が勉強しろと促したからな。


「あぁ、確認したい事があってな。」

「確認したい事?」

「てめぇら日本に攻めたりしてねぇよな?」

「あぁ、当たり前だ。俺達は秘密同盟(・・・・)を結んだろ?それにお前を相手にしたら俺らの国が滅ぶ。」

「そうだな。」

「でも、何でた?」

「てめぇらが日本に攻めるってタレコミがあったんだ。本当に攻めてんのは、中国だけどな。」


そう、ノーラが攻めてくるっていうのは嘘だ。


「中国か……。」

「頼めるか?」

「あぁ、お前の頼みだからな。」

「ありがとう!俺もすぐにそっちに向かう。」

「あぁ、じゃあまた後で。」


———ピッ


俺はポケットに携帯を戻し杉田のもとへと向かう。


「《黒龍》。さっき誰と話していたんだ?」


俺の目の前には国軍のトップ3が立っている。それと、華恋達も………。


「“ノーラ軍”ですよ。」

「“ノーラ軍”だと⁉︎だが、何故連絡をつけれたんだ?」

「ノーラ軍とは俺達・・が同盟を極秘裏で結んだんだ。もちろん、誰にも言っていない。」

「極秘裏で同盟だと?そんな事が許される訳がない!勝手に国同士の同盟何て。」

「誰が国同士って言いましたか?俺は俺達(・・)って言いましたよね?」

「?どう言う意味だ。」

「侍七人衆……。(ボソッ)」


俺の呟きに決闘場の中にいた奴らのほとんどが驚いていた。


「おい、今あいつ侍七人衆っていったか?」

「あぁ、言った。てか、あいつの刀《黒龍》じゃねぇかよ!」

「本当だ!気付かなかった。」


まぁ、無理もないな。侍七人衆と言ったら世界的に有名だからな。


「でも、おかしくねーか。」

「だよな、智和。侍七人衆って対立してたよな?」

「確かに……。何で?」

「対立してたのは一年前までですよ。今は奴らとは仲良くやってます。ほら、噂をすれば………。」


———ザワザワ


再びざわつく。

理由は会場内に現れたこいつらのせいだ。


「よぉ、久しぶりだな《白龍》。」

「あぁ、そうだな。」

「それよりも、何か用があるんじゃないか?俺達が全員揃うことなど滅多にあるもんじゃねぇだろ。」

「あぁ、問題が発生した。」

「問題?ノーラ軍の事か?」

「いや、違う。中国の事だ。」

「中国がどうかしたか?」

「中国が韓国とロシアと三国同盟を組んだ。」


———!!

何だと………。奴らが三国同盟だと?どう言うことだ?奴らはつい先日まで対立していただろ⁉︎意味がわかんねぇ。


「だとするとノーラも危ねぇ!」

「ノーラは問題ない。狙われる心配はないぞ。」

「《青龍》か………。本当に大丈夫なのか?」

「あぁ、そして1番に狙われてるのは俺達だ。」

「くっ、やはりそうだったか。」

「おい、あんたらで話しているとこ悪いが今の状況が全くわからねぇ。説明してくれ。」


忘れていた。説明か、どうしよう。


「説明してやれ《黒龍》。」

「いいのか?」

「あぁ、非常事態だからな。」

「わかった。じゃあ、今の状況から説明する。」


☆★☆★☆★☆★

私は諒の言っている事がほとんど分かっていなかった。そう思っていたら花ちゃんが喋り出した。


「只者じゃないと思ったら侍七人衆だったとはね。」

「うん。私も詳しくは知らないけどね。」

「てか、私達全員蚊帳の外だねー。」

「まぁ、仕方ないよ。」


そんな話をしていると諒が説明を終えこちらにやってきた。そしてこう言った。


「俺は当分学校を休む。」

「やっぱり行くの?」

「あぁ。なぁに心配することはねぇよ。」

「で、でもやっぱり寂しいよ………。」

「うーん………、じゃあ帰ってきたら何か一つ言うこと聞いてやるよ。」

「本当?」

「あぁ、だから心配すんな。そんな悲しい顔すんな。お前は笑顔でいろ。」

「うん、分かった!」

「よし!んじゃ、行っている!」

「諒………。」

「ん?何だ?」

「生きて……、必ず生きて帰ってきてね!」

「あぁ、必ず生きて帰ってくる。お前を1人にはさせねぇよ。」

「うん!」


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