5話 トップ3
——8組の教室
「今日は軍の方達による講習会が行われる。体育館に行く準備をしろ!」
『はい!』
今日は講習会だ。毎年4回ずつあるらしい。軍の人達が来るだけあって生徒達は緊張している。
「よし、移動するぞ!」
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『えー、今回はこちらの方がたが来てくださいました!どうぞ!』
——ザワザワ
全校生徒は先生の言葉に出て来た人達を見てざわついている。それもそうだ、なんせあんな大物が来たんだからな。
『国軍第一部隊隊長、杉田智和さんと、第二部隊隊長、岡拓海さん、そして第三部隊隊長、横田恵さんです!』
まさかこの3人が来るとは……。国軍のトップ3………。何か企んでるな、多分。
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『今日1日、俺達が教えるからよろしく!』
簡単に済ませたな、ありゃあ。ん?何話してんだ?
「なぁ、拓海、恵。」
「「ん?何?」」
「ずっと俺達に殺気を放ってる奴いるぜ?どう思う?」
「勇気あるなー。」
「そうじゃないでしょ?あの子が噂の内田諒でしょ!」
「「あぁ、そうだった。」」
「2人とも、何か企んでるでしょ。」
「「もち!」」
「はぁ、不安だわー。」
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1時間も話し聞くのってやっぱ疲れるな。でも、少しはためになったな。
『えー、次は実習訓練を行う。各自、それぞれの実習場に移動すること。』
先生の指示で各演習場へと向かう。
「内田君、何か企んでない?」
「え?わかった?」
「バレバレだよ?」
「むぅー」
「ん?何怒ってんだ、華恋?」
「わかってないなー諒君!華恋はヤキモチを焼いているんだよ!」
「ちょっ、何言ってんのよ朱里ちゃん!」
「何で華恋がヤキモチ焼くんだよ。てか、その子誰?いきなり下の名前で呼ばれたけど。まぁ、どっちでもいいけどな。」
「き、気にしないでいいから!この子は田村朱里ちゃん。」
「あぁ、入学式の日の決闘の時に華恋の隣に座っていた子か。」
「そうだよ。」
「よろしく。」
「こちらこそよろしく、諒君!」
「もう1人いたろ?」
「うん、もう1人は西条花ちゃん。」
「西条……。あの西条か。」
「そうそう。その西条だよ。」
「華恋さん、私の事呼びました?」
「あ、花ちゃん。ちょっと話してただけだよ。」
「そう。ところであなた、一体何者なの?」
「俺?」
あれ?気付いてないのか?
「そうよ。あなた以外いないでしょ。」
「俺はただの剣士だよ。」
「ただの剣士が睨んだだけで新入生最強を戦意喪失にするなど不可能です。」
「まぁ、いいじゃん。それより始まんぜ。」
『今から実習訓練を開始するぞー』
よし、始まった!
「では、今から俺の戦い方を見せる。」
この人の戦い方……。めっちゃ気になる!
「えーっと、んじゃそこの君、ちょっと相手してくれ。」
俺?やった!
「それは決闘の申し込みですか?」
「いや、違うけど。君はやりたいのか?俺と。」
「えぇ、もちろん。」
「奇遇だな。俺もやりたかったところだ。先生ちょっと中断していいですか?」
「え?あ、はい。大丈夫です。」
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「おい、内田があの人に決闘を申し込んだぞ!てか、あの人から言ったんだっけ?わかんねぇや。でも、決闘するらしい!」
「決闘?智和いーなー。俺もやりたかったなー。」
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「また決闘始まるぞ!急げ急げ!」
「決闘?まさか、智和の奴、やっぱりやると思った!」
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「早くやりましょーよ。第一部隊長さん。」
「まぁ、焦るな《黒龍》。俺もお前と闘ってみたかったし。」
「智和せこいぞ!俺と変われ!」
「やだね。俺がこいつとやるんだ!」
「バカ智和!後で覚えときなさいよ!」
「な、何で⁉︎」
この人達、本当に強いのか?そんな気がしなくなってきたぞ。
「よし、やるぞ!準備はいいな?」
「えぇ、いつでもいいですよ!」
「内田君、本当にいいのですか?相手は国軍のNo.1ですよ?」
「会長、早く始めてください。」
「分かりました……。では、始め!」
俺は会長の合図と共に前へ踏み込む。
「君は誰を相手にしているかわかっているのか?」
次の瞬間、俺は地面に倒され抑えつけられた。
「勝負あったな。」
「流石にあの人に勝とう何て無理だよ。」
「あいつ、調子乗ったな。」
バーカ。そう簡単にやられるかよ!
「充分分かってますよ。」
俺はすぐに抑えつけられていた状態から抜け出し態勢を整える。
「やはり、一筋縄ではいかないか……。悪いが、本気を出させてもらうよ。」
「えぇ、いいですよ。俺も本気で行きますから。」
俺は刀を鞘から抜く。もちろん、この人もやる気満々だ。ものすげぇ殺気を放ちながら、刀を構えている。
やっぱ、展開はやいかな?感想などよろしくです!