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4話 惨劇

——2年前——

『ワァァァァァァァ』


遠くの方で叫び声が聞こえてくる。


俺達は今、(いくさ)に巻き込まれないように避難している。俺は町の方を見る。


(俺の故郷が………焼けていく……。俺の故郷が………俺の故郷が………。)


「……す。」

「え?どうしたの?」

「……す。……す。」

「諒?どうしたの?ねぇ!」

「……す。……す…………す!」

「ねぇ、ってば!早く逃げよ!」

「…ろす。殺す。ぶっ殺す!」

「諒?なに言って……」

「ぶっ殺してやる!」


そう言い俺は来た道を戻った。


俺は今戦場に立っている。こいつらをぶっ殺すために。


「あ?何だこのガ……。」


その瞬間、諒の目の前にいた男の首がはねられた。


俺はそのあと斬った。人を、躊躇なしに、斬りまくった。気付けば戦場には俺しか立っていない。俺は微笑んだ。俺の周りに転がっている死体を見て……。


☆★☆★☆★☆★

「おい、御門。」


先生が呼んだ御門という名前は生徒会長の名前だ。御門奈々(みかどなな)。御門財閥のお嬢さまだが、平民だろうと分け隔てなく平等に接している。俺は嫌いじゃない方だな。


「はい、何でしょうか?」

「これってあいつ1人でやったのか?」

「はい。」

「やはり、本物か……。本物の内田諒か。」

「そのようです。」

「だが、何故奴は8組なのだ?」

「彼曰く下の奴を見下す奴らが嫌いだそうです。」


会長と先生が話している所へ行き、俺は微笑みながら言った。


「先生、この死体の処理、お願いします♪」

「あ、あぁ。分かった。」


俺はそう言い残し返り血を洗い流すためにシャワールームへと向かった。


☆★☆★☆★☆★

ん?校門の方に何かいるな……。あいつらはさっきの奴らの仲間か?まぁいい、また殺すまでだ。


——ブシュッ!

肉が切れた音が聞こえる。何回も何回も。そして、俺の周りには再び死体で溢れかえっていた。


☆★☆★☆★☆★

諒がシャワールームへと向かったあと、学園長が到着した。


「これは派手に暴れたのぉ。やったのは?」

「1年8組の内田諒です。」

「内田諒……。彼か。」

「はい。どういたします?」

「まぁ、後ほど話しをしようと思う。処理班、頼んだぞ!」

『はっ!』


学園長が死体の処理を処理班に任せたそのとき、


「敵本隊が学園の敷地に入りました!」

「何⁉︎本当か?」

「はい!」

「総員、戦闘準備をしろ!」

『はっ!』


警備隊が準備をしているときに再び報告がはいった。


「報告!敵本隊、全滅!」

「な、どういう事だ?」

「内田諒です!内田諒が1人で敵本隊を全滅させました!」


皆唖然としている。


先生や先輩達によるとここ最近学園を襲ってくる奴らを撃退するだけしかできなかったらしい。それを諒は1人で敵の特攻隊を全滅させたうえに敵本隊まで全滅させた。唖然とするのも無理はない。


「くっ、警備隊は残党がいないか捜索しろ!私は彼のもとへ向かう。」

「はっ!了解しました!」


そう言い学園長は諒のもとへ、警備隊は残党の捜索へと向かった。


「学園長!私も行きます!彼の事も気になりますし。」

「御門生徒会長か。分かった、来なさい。」

「ありがとうございます!」

「わ、私も行かせて下さい!」

「君は、確か1年1組の宮本華恋君だね?」

「はい!」

「何故君が?」

「彼は……諒は、私の幼馴染です。諒が無茶してないか気になります!」

「分かった、君も来なさい。」


学園長から許可をもらい私もついていく。


☆★☆★☆★☆★

俺の体には血がいっぱいついていた。その全てが俺以外の血だった。


「内田諒!」


俺は名前を誰かに呼ばれた。声のした方を向くと学園長、生徒会長、そして華恋がいた。


「学園長、終わりましたよ?」

「あぁ、そのようだな、《黒龍》。」

「《黒龍》?」

「あぁ、彼の持っている刀の名前が黒龍だろ?それで、彼の異名も《黒龍》なんだよ。」

「よくご存じで、学園長。」

「これくらいは知っているよ。それより君には聞きたい事がある。場所を変えよう。」

「分かりました。」


そう言い俺は学園長の後をついていく。すると、後ろから俺を呼ぶ声がした。


「諒?大丈夫?」

「?あぁ、大丈夫だぞ?」

「そっか、よかった。」

「お、おう。」


☆★☆★☆★☆★

「では、本題に入るとするか。」

「はい。」

「何故君は軍に行かなかった。君の実力なら2年前の時にすでにスカウトが来てただろう?」

「えぇ、来ました。ですが、俺は別に軍に入りたいとは思いませんでした。」

「何故だ?」

「また、同じ事がおきるかもしれない。そう思っただけです。」

「それが本音(・・)か?」

「はい。」

「そうか、分かった。ところで君は何故8組なのだ?他に目的(・・)でもあるのか?」

「……ありませんよ。」

「そうか。ただ単に毛嫌いしているだけか。」

「はい。」

「分かった。もう行っていいぞ。」


——ペコ

俺は学園長に一礼をし、学園長室からでた。





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