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しるし(詩集)

サヨナラを忘れたロバ

作者: さゆみ


自由を求めて逃げ回っているロバ

ひとつ逃げてほっとするけれど

エサのためにまたつぎの拘束へ


ふたつめを逃げてほっとしても

みっつめの重い荷物が待っている

そんなこんなのロバの道


ふとロバは思った

逃げ出してきただけだった

誰にもサヨナラさえしていなかった


確かに縛られて罵られて鞭で打たれた

きつくて痛かったけれど

いつもそこには誰かの息遣いがしていた


その時だけは同じ空気を吸っていた

その時だけは同じ砂利道を歩いていた

決して通じあえるものはなかったけれど


逃げる前にサヨナラを言いたい

もしかしたら何かが変わる気がした

でもロバはサヨナラの一言がどうしても言えなかった


とうとう逃げ疲れて動けなくなったロバ

たくさんのサヨナラを頑なに背負っている

それはとてつもなく重たく冷たかった


Death. ロバは思った

もし、逃げる気力がまだ残っていたとしたら次こそは

次こそはちゃんと君にサヨナラを言おう






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― 新着の感想 ―
[一言] サヨナラを言いたくて、サヨナラを背負っているロバの姿が愛おしく思えます 悲しいケド優しい表現がとても好きです 「もし、逃げる気力がまだ残っていたとしたら次こそは 次こそはちゃんと君にサヨナ…
2013/10/30 19:36 退会済み
管理
[良い点] すごくいいですね。サヨナラを言わずにいたことを気にしているロバ。素晴らしい視点です。
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