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リベルタ  作者: 絡繰ピエロ
第四章 クエスト準備
12/35

後編

 夜が明け、日が真上まで上った頃である。

 西門は高さ十メートル、横幅六メートルの木で造られた大きな門は、高さ八メートルの厚い木材でできた壁の中にそびえている。

 門に繋がる道には一本の草も生えておらず、きれいに整備されていた。

 その道の真ん中に、一人の影があった。

 カイルだ。

 彼はグレー色の長ズボンと長袖のシャツを着ており、右腰には赤い柄に黒い鍔の刀を、左腰には青い柄に黄色い鍔の刀を、計二本の刀を帯刀していた。

 もちろん、ウルドは彼の頭の上で丸くなって寝ている。

「もうそろそろで来るかな」

 カイルは腕を組み、ひたすらメンバーが集まるのを待っている。

 数分が経つと、彼の目に走ってくる人物が映った。

 メアリである。

 彼女は黒色とグレー色の混合した迷彩の長ズボンと半袖のシャツを着て、布で包まれたメイスを背負っていた。

「すみません、遅くなってしまって」

「謝んなくていいぞ。まだイグニスも来てねえし、時間指定なんてしてなかったし」

 メアリは膝に両手をつき、少しの間荒い呼吸をした後、すぐにいつもの呼吸に戻った。

 それから更に数分後、彼等がいろいろな話をしているところにイグニスが歩いて現れた。

 彼は真っ黒な半ズボンと半袖のシャツを着ており、黒に薄い赤色の付いた刀を背中に斜めにして装着していた。

「おい、お前何してんだ?」

「何って?」

「刀のことだよ」

「ああ、これね」

 イグニスは刀の柄を掴むと、そこから勢いよく抜いた。

「なあ、こうやって抜いたほうがかっこよくね?」

 彼の言葉に、カイルは上目使いになって、

「ほう、なら、その状態で刀を鞘の中に納めてみろよ」

「おう。……ってあれ? いや、たぶんこれで……できねえ」

 カイルは深いため息をつき、説明した。

「刀の鞘の穴は狭いんだから見えてないと普通はできないんだよ。それに、抜く時にかっこよさを求めて死んだらどうするんだよ。いいから腰に戻せ」

「でも、メアリはああいう風に背負ってるじゃんか」

 カイルは再び深いため息をついた。

「メイスは重いからああやんねえと動けないんだよ。別にしたくてしてる訳じゃねえ。理由ってもんがあるんだから今は俺に従って、強くなってからそういうことをしな」

「……はーい」

 イグニスは渋々刀を腰につけた。

「よし、もう出発の準備はできたな?」

「「はい」」

「そんじゃあ、行くとしますか」

 カイルは門に両手を付け、力強く押した。

 門はゆっくりと開いていき、人が十分通れるほどの広さになる。その隙間を三人は通り、

「しゅっぱーつ」

 任務のためにバルバラ森へ向かっていった。

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