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続脱出不可能!?不愉快的後宮Life!!

視点変わります。


1-4 続脱出不可能!?不愉快的後宮Life!!


<sideサラ>


今、ワタクシの前にいらっしゃる、この『風の国リアンバート』の国王、ユリウス・クラウド・リアンバート様は大層ご機嫌な様子。



喚びだしの理由は解っていますの。




「あれはどうしている?」



・・・ほら、やっぱりですわ。




冷酷な策士と国内及び近隣諸国から尊敬と畏怖の念を抱かれているこの王自らが連れ帰って来た異国の少女。



「ええ、今は意気消沈してふて寝されております。」



意識を失い王に抱き抱えられる形で後宮のあの部屋に運び込まれた少女は風変わりな服を着ている以外はいたって普通で。


これの世話を頼むと言われ、本当にこの部屋を与えるのですか?という私の問いに、ああ、逃げられたら困るからな。と笑いながらおっしゃっられたことは記憶に新しいですわ。



現在、後宮はほとんど機能しておりません。


どんなに重役達が自分の娘をと意気込んで来ても王は決して首を縦にふることはなかったのです。


国外からの熱烈オファーもひっきりなしの我が王は顔よし頭よし力有りの優良物件ですもの。



それなりに女遊びはされているようですけど。女性関係に冷めている王。


それに、王には何か考えがあるようで・・・今まで後宮へ通される女性はおりませんでしたわ。



後宮総括長なんて肩書きもあってないようなもの。


ですから私、驚きと嬉しさのあまり飛び上がってしまいましたもの。



聖獣と共に聖域に居たという少女。


頭の硬いキューベルは聖域を侵した重罪人を後宮に入れるなんてとグチグチ言っておりましたけど、お早いお世継ぎの誕生を願う私にとってはそんなこと大した問題ではないですわ。


それよりもあの王が興味を引かれ自ら連れ帰る女性がいたなんて!


それこそ奇跡に近いこと!!


この少女、決して逃がしてなるものかって強く心に誓いましたわ。



少女の名前はマシロ様。小柄でとても可愛いらしい方。例えてみるなら小動物。肩下まで伸びたさらさらの黒髪に眠っていた時には隠されていた意志の強い黒耀石の瞳。表情がクルクル変わる様は見てて飽きない。



『なんじゃこりゃ~』という叫び声を聞き付けてそっと扉を開けて見た部屋の中。夜着姿でうろうろしてると思たら急に部屋の中央で立ち止まり『私は強い、私が1番!』

ですって(笑)


あまりに予想外な言動に思わず笑いがこぼれると私が居ることに気付いていなかったようで物凄く驚いていましたわ。


その驚きようが、まさに小動物。



夜着もよくお似合いでしたがそのままではどうかと思い、差し出した服を見るなり断固拒否の姿勢。なかなか強情でいらっしゃって結局はズボンタイプの服をお召になりましたわ。


絶対あのドレスお似合いになりましたのに(グスン)。次はきっとお召になっていただきますからね!!


取り出した装飾品も軒並み断わられましたけどなんとかねばって王の貴色である緑の宝石、ひ翠のネックレスだけは無理矢理付けさせていただきました。


それにしても動きやすい服にしてくださいなんて、私、逃げ出しますって言っているようなもんじゃないですか。


まあ、私は予め王からマシロ様が逃亡を謀りたがるだろうということを聞いていましたけど・・・それを聞いていなくてもマシロ様は考えていることがすぐ顔に出るタイプのようで、もとより相手の表情から考えを読むことにたけている私にはマシロ様の考えはたやすく読めてしまい・・・



「それでどうした?」




王に話しの先を促され、命令通り庭にマシロ様を連れて行ったくだりを話すと


「ククッこれで自分の置かれた状況が少しは理解できたはずだ。」


とご満悦。


満足気に笑う王を見て少しマシロ様に同情しましたけど、この王が興味を持ち逃がすまいとしている彼女を後宮に留めておくために率先して妨害工作に参加し、自身も細かいところでマシロ様の気を削ぐようなことをした、またこれからもしようとしている私も人のことを言える身分ではありませんからね。


口を挟むことはしませんでしたわ。


王のマシロ様への執着に恋愛感情が含まれているかどうかは今のところわからないけですけど、私はマシロ様が大層気に入ってしまいましたもの。


マシロ様は磨けば必ず光る方っ!!必ずや素敵な王妃様になっていただきますわ!!





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