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救世のルファディア  作者: yato
第1章 異世界編
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自由国家オルフィン③

 「これが風見鶏亭だな」  


 冒険者ギルドを後にした俺は、受付嬢さんが教えてくれた風見鶏亭という3階建ての宿屋を訪れた。 


 名前の通り屋根の上にはシンボルである大きな風見鶏が付いている。


 建物内は1階が食堂になっており、2階と3階は宿泊宿になっているシンプルな作りになっている。


 もう夕暮れ時だからか、もう食事や酒を楽しんでいる人が多いな。


 「いらっしゃいお客さん。食事かい? それとも宿泊かい?」


 俺はカウンターらしき場所で待機していると、とてもふくよかな体型の中年女性がそう声を掛けてくる。


 おそらくこの宿の女将さんなのだろう。流石は冒険者専用の宿を経営しているだけはある。豪快そうな人だな。


 「両方でお願いします」


 「1人部屋がいいかい? それとも共同部屋かい?」


 女将さんによると1人部屋は朝食と夕食付きで1日2000リル、共同部屋は朝食と夕食付きで1000リルするらしく、値段が倍も違う。


 節約するなら共同部屋なのだろうが、こちらは大勢で1つの部屋を共有するだけでなく床で寝ることになるらしい。1人部屋の方にはベッドが備えられているようだ。


 「 1人部屋でお願いします」


 俺は即決で1人部屋に決める。この2週間はずっと野宿だったからな。ベッドでゆっくり眠りたいという欲求には勝てなかった。


 「1人部屋なら2000リルだね。宿泊料金は前払いで頼むよ」


 俺は2000リルを取り出すと、女将さんに渡す。


 「2000リル、確かに受け取ったよ。これがあんたの泊まる部屋の鍵だよ。あとで夕食を持っていくから先に部屋に行ってな」


 俺は女将さんから部屋の鍵を預かり、刻まれている番号と同じ部屋へと向かう。俺の部屋は3階にあるようだ。


 「ここだな」


 俺は鍵と同じ番号の部屋の前に着くと、鍵を鍵穴に差し込んで扉を開ける。


 ほう、部屋は6畳くらいはありそうなワンルームだった。クローゼットに机や椅子、そしてお目当てのベッドが置いてある。


 うん、悪くない。


 俺はミスリルスピアを壁に立て掛けて軽鎧を脱ぐとそのままベッドへとダイブする。地球の物のように特別柔らかくもないが悪くないベッドだ。


 コンコン。


 扉を叩く音がした。俺はベッドから起き上がると扉を開ける。そこには食事を持った女将さんの姿があった。


 「お待ちどおさん。夕食を持って来たよ」


 おお、来たか。この2週間はずっと干し肉等しか口に出来なかったからな。久しぶりの食事にテンションが上がるな。

 

 トレイの上に置かれているのは3種類の料理。3枚程スライスされた黒パンと彩り鮮やかなサラダ、そして野菜と肉が多く入っているシチューだった。


 「食べ終えた食器は後で下の階に持って降りてきな」


 そう言って女主人は下の階へと戻って行った。


 俺は扉を閉めるとトレイを机の上に置き、食事を始める。


 「いただきます」


 食事の挨拶をしてまずは黒パンを手にして口にする。


 皮や胚芽の香りが強く酸味のある味わい。そして予想以上に固い食感だ。けれどシチューに浸して食べれば何とか食べられそうだ。



 そして次はサラダ。


 シャキシャキとした様々な野菜の食感、甘みと酸味のあるソース(地球で言うドレッシングに似た物)が絶妙に合い、何だかクセになる味だ。


 最後は木の椀に入っているシチューを匙で掬って口へと運ぶ。


 薄そうな見た目とは裏腹に味はしっかりしており、野菜はしっかりと煮ているからか味がしみこんでいる。、そして一口サイズに切られている肉はとても柔らかく、ほろりととろけていく。


 「ごちそうさま」


 食事を終えて食器を返却した俺は武具の手入れを始める。


 如何なる状況に陥る場合に備えるために武具だけはいつでも万全の状態にしておけ、というのがガンツさんの指導の一つだった。もう習慣になってしまったな。


 次は所持金。俺の現在の手持ちは47000リル。しばらくの間は大丈夫だろうがいずれは0になってしまう。


 折角冒険者になったのだから、明日からは冒険者ギルドの依頼をこなすとしよう。


 一通りの作業を終えた俺は女将さんから桶とお湯を借りる。この宿には風呂がない。と言うよりも大抵の宿や民家には風呂が付いていない。


 この世界で風呂はとても豪華なものらしく、一般的な庶民は水浴びかお湯で身体を拭くのが普通らしい。


 俺は桶のお湯にタオルを浸して身体を拭いていくがやはり物足りないな。


 贅沢を言うつもりはないのだが日本人の俺には風呂なしは流石にキツイ。せめてシャワーは欲しいな。


 「いつか絶対に風呂が付いてある家に住んでやるぞ」


 そう決意した俺はベッドに転がると、そのまま眠りにつくのだった。

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