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救世のルファディア  作者: yato
第2章 世界樹編
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ゴールン商会①

 俺達は盗賊達に捕えられていた女性達を連れてオルフィンへ到着した。ちなみに彼女達は盗賊のアジトにあった荷馬車に乗せて運んでいる。


 門番に事情を説明をして入場の手続きを終えて、冒険者ギルドへと向かう。


 「お、あれは……」


 冒険者ギルドの前には見慣れた馬車が停まっている。


 その前には落ち着きのない様子のガンドさんの姿があった。


 「ルイさん!!」


 ガンドさんもこちらに気がついたようで、こちらは走り出した。


 俺は荷馬車を冒険者ギルドの少し前で停めると、リリラさんが荷馬車から降りて駆け寄ってくるガンドさんに抱きついた。


 「お父様!」


 「おお、リリラ! よくぞ……よくぞ無事でいてくれた! お前にもしものことがあれば私は生きていけない!」


 抱き合いながらおいおいと泣き合う親子。


 「おうおう、感動の再会だな」


 そんな美しい場面に水を差すように現れたのは冒険者ギルドのギルドマスターであるルーヴァス=ガオラさんだった。


 「よく無事に帰って来たな、ルイ! 念の為に救助隊を用意しておいたんだが、必要なかったみたいだな!」


 そして俺の肩を背中を叩いてくる。だから痛いですよ、ギルドマスター……。


 「それでは私達はこれで失礼します。ルイさん、ユフィアさん、いつでも私の店にお越し下さいね」


 何度も俺達に頭を下げまくった後、ゴールン親子は帰宅した。


 ちなみに盗賊達が誘拐してきた女性達は全員身内を殺されていたり、村が壊滅させられたり等が原因で帰る場所がないらしく、ゴールン商会で雇うことになったそうだ。


 あの親子が経営しているお店なら安心だろう。


 「まさかゴールン商会の会長に恩を売れるとは、つくづく運の良い奴だな」


 ギルドマスターによるとガンドさんが会長を務めるゴールン商会は自由国家オルフィンにある商会の殆どを傘下に持つようで、世界各地に支店を置く程の大商会らしい。


 そんな大商人とのコネクションが出来るのは確かに運が良いことだ。


 「よし、帰ってきて早々に悪いがお前には【毒蛇】のザギィーの討伐及び盗賊団を壊滅した報告をして貰おうか」


 冒険者は賞金首の討伐及び盗賊団を壊滅させた場合は冒険者ギルドに報告することが義務付けられている。


 盗賊退治は冒険者ギルドからの依頼にもなっているし、住人や商人達を安心させるためには必要なことなのだ。


 「あ、ルイさん。お帰りなさい」


 冒険者ギルド内の受付カウンターにいる書類仕事をしていた受付嬢のアリアさんが出迎えてくれる。俺はザギィー及びその他の盗賊に関することを一通り報告する。


 そして証拠であるザギィーの死体を空間収納から取り出す為に魔物等を処理する為に使われている処理施設へと移動する。流石に人の死体を冒険者ギルドの建物内で出すわけにはいかないよな。


 処理施設へ着くと俺はザギィーの死体を取り出して床に置く。


 「おいおい、あれって【毒蛇】のザギィーじゃねえか!?」


 「B等級の賞金首だぞ!」


 「あいつは確かD等級冒険者だよな?」


 近くにいた冒険者達が顔を見合わせてながらあれこれ話している。なかなか有名な賞金首だったようだな。


 「あの、ザギィーだけでなくその配下である盗賊達の死体もあるんですが、賞金が懸けられているか確認をお願いしますか?」


 他の盗賊達の死体も持ってきたのはリリラさんのアドバイスによるものだ。大抵は手配書に目が行きがちだが盗賊の中には少ない金額だが賞金が懸けられている者がいるそうだ。


 今回討伐したザギィーの配下に賞金が懸けられていればその分も貰えるらしい。


 「はい、構いませんよ」


 俺は30人近くはある盗賊達の死体も取り出して床に並べる。


 「確かに【毒蛇】のザギィーで間違いないようですね。他の盗賊達については賞金が懸けられているか確認しますね」


 そう言ってアリスさんは他のギルド職員を呼んで手配書との照合を始めるように指示をする。勿論、この世界には写真というものはないので似顔絵や目撃者の証言などを頼りに行われるようだ。


 「あの、それでルイさんにお願いがあるんですが……」


 「お願いですか?」


 「……はい、盗賊達が盗んだと思われる装飾品等を一時的に冒険者ギルドに預からせて頂きたいのです」


 アリスさんが言うには盗賊が盗み出した物の中には奪還の依頼をした人いるようだ。その相手は一般人や商人、果ては隣国の貴族や王族からの依頼もあるそうだ。


 そう言う理由でザギィーが盗んだ盗品の中に依頼されていた品物がないか確認したいらしい。

 

 「勿論、これは強制ではありませんので断ってくれても構いません」


 そう言いつつも『どうかお願いします』と言いたげな雰囲気を感じる。冒険者ギルドも色々と大変なのだろう。


 「分かりました」


 俺はアリスさんの懇願を受けることにした。アリスさんには色々とお世話になっているし、冒険者ギルドの機嫌を取っておくのも良いだろう。


 「ありがとうございます、ルイさん!」


 断られると思ったのか、自身の懇願をあっさり聞き入れた俺に対してアリスさんは頭を下げる。


 この様子だと盗賊から手に入れた戦利品を冒険者ギルドに預ける冒険者は多くはないのだろうか。


 俺はザギィーが盗んだ盗品を空間収納から出す。


 かなりの盗品の数にアリスさんは呆気に取られていたがすぐに依頼書にある物がないかを確認し始める。


 盗賊や盗品の照合が終わるまで俺とユフィアは応接室で待機になった。あれだけの数だから時間がかかるだろう。


 1時間程応接室で待機しているとアリスさんが入室してくる。


 「お待たせしました。照合の確認が終わりました。まずは盗賊達の照合結果からです」


 全ての盗賊達が見分けされて、間違いなくザギィーであることが確認されたので4500000リルの賞金が貰えることになる。


 さらに手下の盗賊の中には賞金が懸けられている者が何人もいたらしく、そちらは1500000リル程になった。ザギィーの分と合わせると6000000リルになるな。


 「そして依頼書の内容と一致する盗品が2つありました」


 1つ目は一般人の女性だ。数ヶ月前に盗まれた母親の形見である首飾りで、依頼金は100000リル。


 そして2つ目は隣国の貴族男性。相当名の知れた画家が描いた絵画で依頼金はなんと2000000リル。


 合わせると2100000リルか。ザギィー達の懸賞金と合わせると8100000リルになるのか。悪くない金額だ。


 賞金と依頼料だけでこれだけ稼げたのだ。残りのお宝も売れば更に増えるだろう。


 「あの、残った品物も売却したいのですが、冒険者ギルドで買い取ってくれますか?」


 「申し訳ありません。冒険者ギルドでは品物の買取は行っていません。我々よりも商人に売却するのが得策だと思われます」


 ……商人か。それならゴールン商会で頼むとしよう。明日行くことになっているしちょうど良いや。


 さてと、これでやるべきことは済んだのでそろそろお暇させて貰おうかな。


 俺達はアリスさんから8100000リルを受け取って冒険者ギルドを後にすると、ゴールン商会にへと向かうのだった。

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