眷属契約②
目が覚めると、俺のすぐ隣にはものすごい美少女の寝顔をがあった。
くぅ、くぅと可愛らしい寝息を立てて眠っているその姿はまさに天使を思わせる可愛さだった。
思わずそっとユフィアの頬に手を触れる。滑らかな頬はずっと触っていたくなるようなもちもちな感触に、つい指の腹でふにふにとつついてしまう。
「んぅ……」
ついつい柔らかさが心地よくて可愛がるように頬に触れていたら、ユフィアが甘い吐息を漏らしてながら小さく身動きすると、その瞼を開いた。
まだ寝起きで頭が回らず状況を理解出来ていない様子だったが、昨晩のことを思い出してようで見るみる顔を赤くしていく。
「お、おはようございます……ルイ様」
「ああ、おはよう」
恥ずかしいそうにしているユフィアを見ていると、何だかこっちまで恥ずかしくなってしまうではないか……。
「こほん、さっそくだがユフィアに聞いて貰いたいことがあるんだ……」
お互い恥ずかしい雰囲気に耐えきれなくなり、咳払いしつつ話題を変えることにする。
「俺には眷属契約という加護がある。この加護で俺の眷属になった者は恩恵を得られるそうだ。もしユフィアが良いなら俺の眷属になってくれないか?」
おそらくこれからも危険な出来事は起きるだろう。ならば少しでも彼女の身を守る為に強化する必要はある。
「それは嬉しいことです。ぜひ私をルイ様の眷属にして下さい」
ユフィアは嫌がる素振りを一切見せずに即答してくれた。
俺が持つ【眷属契約】の加護。まさか使うことになるとはな。
「では早速だがいくぞ」
「はい。お願いします」
「眷属契約、発動」
加護が発動されると、ユフィアの身体が淡く輝き始めた。なんとも幻想的な光景だ。
そして暫くするとその輝きは徐々に薄れていき、ユフィアの左手の甲に謎の紋章が浮かび上がる。
眷属の紋章
眷属契約により眷属になった者に与えられる忠誠の紋章。如何なる催眠や魅力の力を無効化することが出来る。
どうやら無事に成功したようだな。
「これでユフィアは正式に俺の眷属だ」
「はい、お陰で私のステータスに変化が起きたようです」
どうやら俺の眷属になったことでユフィアのステータスが変化したようだ。見てみよう。
名前:ユフィア=リスティング
種族:人間族
適性:光属性
魔力:300000
魔法:ライトアロー(小)・ヒール(小)・ピュリフィケーション(中)・ホーリーレイ(中)・ ターンアンデット(中)・エクスヒール(大)
加護:聖護結界・未来予知
未来予知
確定した未来を見ることが出来る。ただし発動する時は突発的に発動する。
おお、ユフィアのステータスが大幅に変化したな。魔力が大幅に上がっただけでなく加護が1つ増えている。
眷属契約で眷属になった者にはこれ程までの変化があるのか。
「どうやら新たな加護が備わったようです。この加護はお祖母様と同じもののようです」
お祖母様。つまりは先々代『聖女』のことだな。確かその加護のお陰で様々な厄災から神聖国を守れたと言っていたから、今後の役に立つこと間違い無しだな。
--眷属を得たことにより新たな加護を獲得しました。
おお、どうやら眷属を得たことで俺にもステータスの変化があったようだ。早速見てみるとするか。
名前:ルイ
種族:人間
適性:無属性
魔力:1500000
魔法: マナチェーン(小)・マジックキャンセル(大)
加護:鑑定慧眼・危機察知・魔力纏鎧・異常無効・空間収納・自己回復・禁忌解呪・眷属契約・眷属念話
眷属念話
遠く離れた距離にいる眷属との念話が可能となる。
こいつは便利そうな加護だな。よし、早速試してみよう。
俺はユフィアに部屋にいるよう指示して俺は部屋の外へと出る。
--ユフィア、聞こえるか?
--頭の中にルイ様の声が聞こえました!
突然の念話にユフィアが驚いた様子が伝わってくる。俺は念話を続ける。
--ユフィアが眷属になってくれたお陰で俺にも新たな加護を得たようだ。これは眷属との念話を可能にする加護の能力だ。ユフィアも念じてみてくれ』
--はい。これで大丈夫でしょうか?
--ああ。問題ないよ。
これならユフィアと離れていたとしても互いの居場所が分かるだけでなく、応用によっては戦略の幅も広がりそうだ。
--……ルイ様。
--どうした、ユフィア?
--お慕いしています。
--なっ!?
不意打ちの言葉に思わず息を呑み、顔が熱くなるのを感じた。念話の向こうではユフィアが「ふふふ」と可愛らしく笑っていたのだった。
◆◆
聖都に平和が戻って暫くして、そろそろ俺達は自由国家オルフィンへと帰還することにした。
「もう行ってしまわれるのですか、ルイ様。もう少しこの聖都でゆっくりしていってくださっても良いのですが……」
「すみません。これ以上長いは出来そうに無いので」
残念そうにしている聖王様に俺は丁重に断った。
このまま留まり続ければまたこの国に再び甚大な被害が出るかもしれない。
邪神の眷属がデュークだけではない。もしかしたら俺のことは邪神側に伝わっている可能性は高い。また似たようなことが起きれば間違いなくこの国は滅んでしまう。それだけは絶対に避けたいことだ。
それにどこで噂がひろまっかのか、この数日間の滞在で聖都中に俺が救世主だということが知れ渡ってしまったようだ。それにより俺を一目見ようと神聖国中の信徒達がこぞって集まるようになった。
見せ物にされるのは御免だし、何より柄では無い。だからこうして人目を忍んで聖都を出ることになったのだ。
「ではお父様。行ってまいります」
「ユフィア、身体には気をつけるのだぞ」
「はい」
ユフィアと聖王様が別れの言葉を交わしている。まあ、今生の別れと言うわけではないので、時々里帰りさせて様聖王を安心させてあげよう。
「さあ、そろそろオルフィンへと向かうぞ」
「はい、ルイ様」
「ブルルゥッ!」
俺とユフィアはグラムに跨ると、リスティング神聖国を後にし、自由国家オルフィンへと帰還するのだった。
これで第1章は終わりです。
次の第2章も楽しんで読んで下さると嬉しいです。




