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救世のルファディア  作者: yato
第1章 異世界編
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リスティング神聖国①

 盗賊ゴドスを討ち取って数日が経った。


 あれからは盗賊や魔物の襲撃もなく静かなもので、無事にリスティング神聖国の聖都ルーメルへと到着することが出来た。

 

 「あれが聖都ルーメルか」


 聖都ルーメルは巨大で頑丈そうな白い城壁によって囲まれている。あれなら大型の魔物でも容易には入れないだろう。


 「ここから先は神聖な都だ。決して粗相のないようにな」


 相変わらず俺に対してキツい態度を取るデューク団長。どうしてそこまで邪険にするのか全く分からない。


 手続きを済ませて城壁内へと入る。


 街の家々は白一色で統一されている綺麗な街並みで、周囲にいるほとんどの人信徒のような服装を身につけている。


 まさに神聖な都ともいうべき風景だ。


 俺達は聖都の街並みを市場、市民街の準に通り目的の聖城へと到着する。


 「……凄いな」


 聖城の外壁全体が純白に染まっており、中世ヨーロッパを思わせるような造形の城だった。そして何よりも俺が想像していた数倍は大きいな。

 

 城を見上げなら正門へと近づくと、門番のような騎士達が立ち塞がる。


 「申し訳ありませんが、魔物を城内に入れるわけにはいきません。ここで預からせて貰いたい」


 どうやらグラニはこの先には進めないようだ。


 確かに、いくら従魔の首輪をしているといってもグラニは魔物だ。これから聖王に謁見するのにそんな危険なことはさせてくれないだろう。


 「分かりました。グラニ、すまないが少しの間だけ外で待っていてくれるか?」


 「ブルルゥ」


 俺の言葉にグラニは大きく頷くと、門番の1人と共に近くにあった詰所のような建物へ連れて行かれる。


 「ではお通りください」


 城門が開き、城内へ入ると活気に満ち溢れている光景があった。聖職者や騎士などがそれぞれの仕事をこなしている。


 「貴方はこちらへ」


 ユフィア達と別れて俺は騎士に案内されて応接室へと案内された。ソファーや机、装飾品の何もかもが煌びやかだ。


 しばらくすると執事と修道女が数人ほど現れて俺の身体のサイズを測り、特別な服に着替えるように言われた。


 流石に冒険用の服装では聖王への謁見はできないからということらしい。


 俺は言われるがまま用意された服を着て、準備を整える。そしてとうとう聖王との謁見をする時がきた。


 「ルイ様、謁見の準備が済みましたのでどうぞこちらへ」


 「はい」


 廊下を進んで、大きくて豪華な扉の前に立たされる。


 「ふう……」


 何だか緊張するな。まあ、必要最低限の作法はこの国に来る途中でユフィアから教えて貰ったからそれ通りにするまでだ。


 しばらくすると扉が開き、視界の先には豪華な赤い絨毯が敷かれた床の先には数段高い玉座に座る男性がおりその横にはユフィアと地位の高そうな男性が立っており、両側にはデューク団長が率いる騎士団や聖職者たちがいる。


 そして何よりも印象的なのは玉座の後ろにある巨大な像だろう。


 その姿はまさに女神レイシア様のものだった。


 それにあの女神像からは何だか女神様と同じ雰囲気を感じるな。もしかしたらなかなかの代物なのかもしれないな。


 「冒険者ルイ殿の御成り!」


 俺の入場を高らかに読み上げる聖職者の男性の声を聞きながら、俺は玉座の方へと進むと膝をついて頭を下げた。


 「頭を上げよ」


 許可が出たので言われた通りに頭を上げる。


 そこには40代前後に見える高貴そうな顔つきをした中年の男性がこちらを見ていた。その周りには王妃やユフィア達がいる。


 「よく来たな。余がこのリスティング神聖国の聖王であるフォルス=ファイ=リスティングだ」


 「自由国家オルフィンで冒険者をさせて貰っているルイと申します。一介の冒険者である私が陛下とお会いすることが出来て、光栄です」


 俺の対応に聖王様は頷くと隣の男ーー枢機卿(事前に執事に聞いている)へと視線を向ける。


 「皆も知っていると思うが、そこにいる冒険者ルイ殿は盗賊ゴドスからユフィア様を救出しただけでなく、見事に討伐した。その功績を讃えて褒賞を与えることにした」


 どうやらユフィアが呪いを受けていたことは秘密になっているようで、彼女が姿を消していたのは盗賊ゴドスが誘拐したということになっているらしい。


 確かに王女であるユフィアが呪われていたなんて言えるわけないよな。


 枢機卿が説明を終えると聖王は小さく頷いて立ち上がる。


 「冒険者ルイよ、この度の活躍見事であった。そなたがいなければ我が娘のユフィアは今頃ここにはいなかっただろう。感謝する。その功績を讃えて褒賞として10000000リルを与えよう」


 10000000リルだって!? 


 それだけの額があれば当分の間は楽して暮らせるぞ! ちょっとした小金持ちになってしまった!


 「そして盗賊ゴドスを討伐した其方には【聖者】の称号を与えることにした」


 聖王の言葉に周囲の者達が一斉に騒ぎ始める。どうやら【聖者】という称号には相当な名誉があるようだ。


 「陛下、それはなりません!」


 しかし、そこで反論する者がいた。デューク団長だ。


 「【聖者】はリスティング神聖国にとって由緒ある称号です。この国の民でもなければ信徒ですらない者にそれを授けるのは流石にどうかと……」


 「確かにこの者は我が民でもなければ信徒でもない。しかし前例がないわけではない。この者に【聖者】の称号を与えることは問題ない筈だ」


 「し、しかし……」


 それでも食い下がろうとするデューク団長。そんなに俺が【聖者】の称号を与えられるのが面白くないのだろうか?


 「其方が何と言おうとこの決定を変えるつもりはない。下がるがよい」


 「……畏まりました」


 そう言うとデューク団長は俺を一睨しながら元の列へと下がっていく。そんなに睨まなくてもいいだろうに。


 「冒険者ルイよ、受け取ってくれるな?」


 「謹んで拝命致します」


 断る必要が皆無なので了承することにした。


 すると用意されていた十字架をあしらった金と美しい宝石で出来た勲章を聖王様が直々に胸に付けて貰うと、それと同時に周囲からたくさんの拍手が起こる。


 「これにて謁見を終了とする。陛下、ご退出をお願い致します」


 「うむ」


 聖王様に続き王妃様やユフィア達が謁見の間から退出すると、聖職者や騎士達も次々と退出していく。


 ふう、色々と予想外なことがあったが、何とか謁見が済んでホッとした。さて、俺も退出するとしよう。


 「お待ち下さい、ルイ殿」


 そう思って俺は謁見の間から退出しようとすると、枢機卿に呼び止められた。


 「陛下が貴方様に別室でお会いしたいそうです。どうか私についてきて下さい」


 ……どうやらまだ緊張は続くようだ。

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