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救世のルファディア  作者: yato
第1章 異世界編
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指名依頼④

 「ブルァッ!!」


 「ホホォゥッ!!」


 「ファングボアだ! それにアウルベアもいるぞ!」


 ユフィアと共に調査を再開して数十分。


 まさかファングボアだけでなくアウルベアとも同時に遭遇することになるとはな。森の中心に近づくにつれて等級が高い魔物との遭遇率が高くなっているような気がする。


 「私にお任せて下さい。聖護結界」


 「ブルッ!?」


 「ホホゥッ!?」


 結界を作り出したユフィアはファングボアとアウルベアの猛攻を見事に防いだ。


 「ホーリーレイ」


 さらに魔法を唱えると、ユフィアの前に魔法陣が出現し、そこから一筋の光線が放たれてファングボアの額を見事に貫く。


 「ブゴォォォォォォォッ!!」


 額を貫かれたファングボアは断末魔の悲鳴を上げながら倒れ、その生涯を終えることになる。


 「はあっ!」


 俺も隙だらけのアウルベアを仕留めるべくミスリルスピアを振ってその頭部と切り離すと、傷口から大量の血が噴出させながらアウルベアは倒れてそのまま動かなくなる。


 「お見事ですルイ様」


 「いやいや、ユフィアの方こそ凄いさ」


 ユフィアの持つ加護の聖護結界は正直に言えばかなり有能だった。


 あの獰猛でしぶといD等級魔物のファングボアは勿論、それよりもさらに凶暴なC等級魔物のアウルベアの攻撃でさえ防ぐ防御力の高さ。そのお陰で今回はとても楽に討伐することができた。


 「よし、少し休憩しようか」


 周囲には魔物の気配もない。俺はユフィアに疲れが見えたので小休憩に入る。


 俺は空間収納からまだ残っていたはずのワイルドボアの串焼きを取り出す。あと魔力回復の為にマナポーションも飲ませる為に取り出しておく。


 「それも加護の力ですか?」


 突然現れた串焼きを目にしてユフィアは目を丸くさせる。


 「驚きました。鑑定系と解呪系の加護に続いて収納系の加護まであるなんて、ルイ様は余程女神様に祝福されたお方なのですね」


 しまった。加護を持つ者は珍しい存在だ。1つ持っているだけでも珍しいのに更に複数持っているなんてどう考えても稀有な存在だろう。


 「いやいや、これはこのアイテムボックスのお陰さ。以前、商人から買った物なんだ」


 俺はたまたま持っていたアクセサリーをユフィアに見せる。以前市場で見つけてデザインが気に入ったので買っておいた物だ。


 彼女に嘘を吐くのは申し訳ないが、そういうことにさせて貰おう。


 「どうぞ」


 俺は取り出した串焼きをユフィアに渡す。


 「ありがとうございます、ルイ様!」


 そう言ってユフィアは感謝の言葉を告げると、串焼きを口にする。


 「とても美味しいです!」


 「それは良かった」


 ユフィアによると魔物の姿になっている間はろくに食事が出来なかったようだ。


 人から盗むのは絶対に嫌だったようで、森の木に生えている果実や薬草等で飢えを凌いでいたようだ。


 「それにしてもユフィアは加護だけでなく光属性魔法も凄いな」


 「幼い頃から聖女になるべく教育されてきましたから」


 どうやら生まれつき魔力が高かったようで、幼少の頃から魔法を習っていたからとのことだ。王女様も色々と大変なんだな。


 そんなユフィアのお陰で楽々と襲ってくる魔物達を討伐していくこと1時間。ついに変化が起きる。


 「……気配が……変わったな」


 妙にひりついた感覚が周囲から漂っている。


 そして魔物どころか動物の気配さえ全く感じられない。間違いなくいる。この森で起きた異変の原因が。


「ルイ様……」


 俺の緊張がユフィアにも伝わったのか、少し落ち着かない様子だ。


 「大丈夫だ。何があっても守ってみせる」


 そう言ってユフィアを落ち着かせながら先へと進む。


 そして俺達は遂にそれを見つけた。


 それは巨大な馬だった。


 通常よりも5〜6倍はある巨躯に灰色の体毛、白く逆立つ鬣が風で靡いている。そんな巨馬が静かに横たわっていた。


 「ま、まさか……」


 ユフィアがその巨馬を見て戦慄している。


 「あれは伝説に伝えられている七神獣の一角--【神馬】スレイプニルです!」

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