異世界ルファディア①
「……ん?」
冷たい風頬を撫でられて、俺は目を覚ます。
どこからか小鳥がさえずりが聞こえ、木々からは心地よいざわめきを奏でている。俺はどこかの森にいるようだ。
「……無事に異世界に来れたようだな」
俺は仰向けだった状態から立ち上がる。そしてたまたま近くにあった湖で自分の姿を確かめてみる。
ふむ、どうやら女神様の言う通り地球での俺の容姿を再現してくれているようだ。顔のホクロの位置までそっくりそのままだ。
それに身体がとても軽い。転生する前の身体よりも良い感じだ。
試しに色々と動いてみる。どうやら女神様が言っていたとおり、身体能力がかなり向上しており、通常の人よりも強靭な肉体となっているようだ。
さらに俺は色々と調べてみると、目の前に俺に関する情報が記載されている半透明な板のようなものが現れる。
ステータスウィンドウとうい奴だろうか? よくRPGなどで見られるものと非常に良く似ている。
「どれどれ?」
そしてステータスウィンドウにはこう記されていた。
名前:ルイ
種族:人間族(半神)
適性:無属性
魔力:1000000
魔法:なし
加護:鑑定慧眼・危機察知・魔力纏鎧・異常無効・空間収納・自己回復・禁忌解呪・眷属契約
色々とツッコミたいステータスだった。俺はあらかじめ女神様に与えられているこの世界の知識で1つずつ確認していく。
名前。
苗字がなく名前だけ表示されている。
ルファディアでは苗字を持つ者は王族や貴族、もしくは何らかの功績を上げた者にしか付けられないからのようだ。
種族。
これはその者の種族を表している。一応人間として記載されているが、補足として半神とあるな。
ちなみに半神とは神と人の中間のような存在のようなものらしい。確かに俺の身体は女神様によって作られたものだから、神に近い存在なのも頷ける。
適性。
これは扱える魔法の属性を表す。
この世界には火、水、風、地、雷、冷、森、光、闇、無という10種類の魔法属性があるようで、人には必ずどれかの属性を持って生まれてくる。
俺には無属性の適性があり、10種類の属性の中でもかなり稀少な適性とされているものらしい。
魔力。
これは保有する魔力量を具体的に数値化したものだ。一般人なら100程で、魔法を扱う素質がある者なら10000もあれば充分な数値のようだ。
そう考えると、俺が保有している魔力量がどれだけ桁外れなのか理解させられるな。
魔法。
これは使える魔法を記している。
魔法には小魔法・中魔法・大魔法の3種類に分かれており、小魔法に近いほど魔力の消費が少ない代わりに効果が低く、大魔法に近いほど魔力の消費が多い代わりに効果が高くなるようになっている。
今の俺はまだ魔法を使うことは出来ないようだが、習得する機会さえあれば俺も扱えるようになるので楽しみだ。
加護。
これはいわゆる特殊能力みたいなものらしい。
加護を持つ者は非常に珍しく、生まれた時から既に得ているか、何かしらの方法で得る場合がある。
それにしてもかなりの数の加護だな。どうやら女神様が大奮発してくれたようだ。一通りどのような能力なのか確認しておくとしよう。
解析慧眼
視認した人物や魔物、アイテム等を解析して情報を見る事が出来る。
どうやら他人のステータスウィンドウも見ることが出来るようで、他にも魔物やアイテムも鑑定できるようなので便利だ。
危機察知
自身に危険が迫ると自動的に警告を発して知らせてくれる。
この加護があればたとえ襲撃されそうになったとしても事前に対処することが出来る。これは相当役に立ちそうだ。
魔力纏鎧
自身の魔力を纏うことで身体能力、攻撃力、防御力を大幅に上昇させる。
これは戦闘に大いに役立ちそうな加護だな。俺が持つ魔力の量は桁外れなので長時間の戦闘にも対応出来るだろう。
異常無効
自身に影響を及ぼす状態異常を完全に無効化する。
これがあれば毒や麻痺等を気にする必要がなくなるな。それに他の状態異常にも対応出来るようなので実に頼もしい。
自己回復
体力・魔力・治癒力等のあらゆる回復力を向上させる。ただし即死の場合は回復はできない。
怪我等が治りやすくなるのは有難い。流石に生き返ることはできないようだが、それでも充分に役立つな。
空間収納
生きている存在以外の物質を際限なく特殊な空間に収納することが出来る。
おお、これなら大荷物を持たないで移動する必要が無くなるので、今後の旅が楽になるだろう。
呪法解除
あらゆる呪法を解く事ができる。
呪法とは魔法とは違い呪いの力を駆使して発動する力で、恨みなどの負のエネルギーや生贄によって発動するようだ。そんな恐ろしい呪法を解除出来るのは相当レアな加護だな。
眷属契約
契約した対象者を自身の眷属にすることができる。ただし、この加護を発動するには互いの信頼関係が深くなければならない。
うーん、これはあまり使う機会はないかもしれないな。この世界にも奴隷制度はあるようだが、なんか主従関係みたいなのは流石に気が引ける。
以上が、俺に関するステータスだ。
これだけ規格外のステータスならこの世界を無事に過ごせるだろう。そう思いたい。
さて、自分の現状を確認できたことだし、まずはこの森を出て人がいる場所へと向かうとしよう。
「よし、行くか」
こうして俺の異世界転生生活が始まった。




