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救世のルファディア  作者: yato
第1章 異世界編
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魔法屋①

 「…‥朝か」


 窓から差し込む陽の光で俺は目を覚ました。


 目覚めたばかりの重い身体をベッドから起こして大きく伸びをすると、身支度を揃えて宿の1階へと降りる。


 「おはようございます、女将さん」


 女将さんが朝食の準備をしていたので挨拶をする。


 「ああ、おはよう。朝食はもう出来てるから席に座ってな」


 女将さんにそう言われて俺は空いてる席に座って待つ。


 今日の朝食はサンドイッチとミネストローネだった。


 サンドイッチは2種類あった。茹でた卵を細かく刻んでマヨネーズと和えるタマゴサンド。ハムとチーズときゅうりをマヨネーズで和えたハムサンド。


 ミネストローネはトマトやキャベツ、ニンジン、ジャガイモ、玉ねぎなどの野菜がたくさん入っており、立ち上がる湯気からは美味しさを凝縮したような良い匂いがする。


 「いただきます」


 まずはタマゴサンドを口にする。卵の甘みとコクとマヨネーズのまろやかさ合わさり絶妙な味を引き出している。


 次はハムサンド。シャキシャキとしたきゅうりの歯応えに加えてハムとチーズの旨みが合わさって美味しい。


 今更だけどこの世界には当然のようにマヨネーズがあるんだな。まあ作り方はシンプルだからこの世界の人が考えてもおかしくはないのかな? 


 ま、そんなことはさておき最後はミネストローネだ。


 香りから想像していたがトマトをベースにしたスープに程良く煮込まれた野菜が合わさり絶妙な酸味と旨味が味わえる。


 「ごちそうさまでした」


 ふう、今日の朝食も美味しかったな。やはり女将さんの料理は絶品だ。


 「アンタ、今日も冒険者ギルドに行くのかい?」


 空いた食器を片付けながら女将さんが訊ねてくる。


 「いえ、今日は市場に行こうと思います。明日はC等級昇格試験を受けるのでその準備をしようかと」


 「へえ、オルフィンに来てまだ日が浅いのにもうD等級昇格試験を受けるのかい。アンタ、なかなかの逸材だね」


 驚いた表情を浮かべる女将さん。どうやら長年この宿を経営している女将さんでもここまで早くD等級昇格試験を受ける冒険者は見たことがないらしい。少し照れるな。


 「だとしたら数日間の旅を想定した準備をすると良いよ。毎回試験内容は護衛だったり、運搬だったりと定まってないけど、大抵のばあいは数日間はかかることが多いからね」


 それは良いことを聞いたぞ。だとしたら食料なども多めに購入しておくとしよう。


 「分かりました。教えてくれてありがとうございます」


 俺は女将さんに礼を言って、市場に向かうべく風見鶏亭を後にするのだった。



 ◆◆



 市場には食料屋や薬屋、アクセサリー屋、武器屋、防具屋など様々な店で賑わっていた。


 まずは食料。


 取り敢えず1週間分の食料と飲み物を購入することにした。


 本来なら乾パンや干し肉と言った長持ちする食料を準備するのが普通だが、俺には空間収納があるので出来立ての料理なども買っておく。


 俺の空間収納は、収納した物の時間が一切経過しないという効果がある。熱々の料理を収納すればどれだけの時間が経とうとも熱々のままで腐らない。


 何度も思うが便利な加護だ。


 次はレジャー用品。


 今の俺にはテントも何も持っていない。


 タルナ村からオルフィンに向かうまでの道中はガンツさんの物を借りていたので問題なかったが、今回は自分で用意しなければならない。


 俺はテントや寝袋、ランタン等の旅に必須な物を一通り購入した。


 武器屋。


 俺にはミスリルスピアというメインの武器があるのだが、何が起こるか分からないので点検に出しておく。


 一応予備の槍と俺が持っている解体用のナイフよりも丈夫なナイフも購入した。


 防具屋。


 俺が装備しているライトアーマーを点検のために防具屋へと預けた。


 そこまで損傷しているわけでもないので1日もあれば完了するとのことなので明日の朝引き取りに行くことにした。


 ポーション屋。


 俺には自己回復があるからな傷を負ったとしても治すことができる。それに麻痺や毒は異常無効で効かないのでポーションは不要と判断したが、万が一の場合に備えてスタミナポーション、マナポーション、解毒剤を2本ずつ購入した。


 「これで一通りの準備は出来たな」


 大方の必需品を購入して近くの広場にあるベンチで一息入れると、購入した商品などを確認していく。これだけあれば充分だろう。


 お、買い物に集中していて気がつかなかったがもう夕方近い時刻だな。そろそろ風見鶏亭に戻るとするか。俺はベンチから立ち上がると、奇妙な店があるのに気がついた。


 「……変わった店だな」


 視界に入ったのは赤や青、緑、黒などといった様々な色で塗装されている奇妙な建物だった。看板には『魔法屋』と書かれている。


 魔法か。そう言えば俺は1つも魔法を習得していない。もしかしたら何かしら魔法を習得できるかもしれないな。


 よし、入ってみよう。


 「いらっしゃい」


 興味本位で入った魔法屋の中には如何にも魔法使いと言った格好の老婆が煙管を咥えており、煙たい空気が部屋中に広がっていた。


 「ほう、これは凄いな」


 店内には魔法使いが使うであろう杖やローブ、妖しい雰囲気を放つアクセサリーなど多種多様な商品が置かれていた。中にはマジックアイテムもあった。


 ちなみにマジックアイテムとは魔力を動力源として使用することで魔法や超常的な効果をもたらすとされている武具や道具のことだ。


 その中でもアーティファクトと呼ばれるマジックアイテムは古代の技術で作られており、貴重な代物なのでかなりの高値で取引きされる物もあるらしい。


 マジックワンド

 小魔法の威力を1割増で発動できる短杖。


 魔法使いのローブ

 装備した者が受ける魔法攻撃の威力を少し軽減するローブ。


 魔力の指輪

 装備した者の最大魔力を30上げる指輪。


 と言った戦闘に役立つマジックアイテムもあれば。


 冷凍保存庫

 氷属性の魔法が付与されている箱。中に入れた物を冷やす。


 浄化水筒

 浄化石を組み込んだ水筒。水筒内に汚れた水を入れると飲み水へと変換する。


 魔法微風具

 風を僅かに発生させて涼感を得る。


 生活用品として使われるマジックアイテムも置かれている。


 中には隷属の首輪と言った物騒な物もあるが、この世界では奴隷制度があるからなのか、売っているのは普通なのだろう。


 さらに奥の方へ進んでみると数冊の本が収納されている本棚があった。どの本も微かにだが魔力を感じられる。


 「これはもしかして魔法書か?」

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