7ーサイカイー
こうしてエンヤに合格をもらった俺とカヤはようやく捜索隊としての任務を任された。
やはりマウレアは生きているらしく、俺たちが鍛えてもらっている間にも数回、グレイディアの街付近で目撃情報が上がっていたらしい。
だが、エンヤが訓練の合間に捜索に行くも見つけられずにいた。
そして今回捜索するエリアは、数回の目撃情報があったグレイディアの南東にある集落付近と北西にある森の辺りを二手に分かれて捜索することになった。
南東の方は俺とカヤが、北西の方はエンヤが1人で向かうこととなった。
エンヤが口を開く。
「お前ら合格とは言ったが及第点レベルだからな、過信するなよ?気を抜けば死ぬぞ」
「はい!!」
俺とカヤは気を引き締め返事をした。
エンヤは自分の捜索場所が決まるとすぐに出発した。
それに続いて俺とカヤも捜索に向かう。
「初めての任務に初めての郊外!冒険みたいでワクワクするな!」
俺はこの街に来てからグレイディアの都市部周辺しか出歩いたことがなく実際に郊外に出るとなると少し浮かれ気分で気が緩んだ。
「なに呑気なこと言ってるのよ!兄さんも気を抜くなって言ってたじゃない!」
「そ、そうだな。ごめん!つい!」
そう言いつつ目的地の方まで2人で歩みを進めていく。
グレイディアの中心地は襲われたが復興作業などが進み、すごい速さで元に戻っているにも関わらず少し中心地から離れると家や草木などがボロボロで朽ちているところが多々あった。
「ひ、ひどいな……これも全部あいつら悪魔の仕業か…?」
「多分そうね、あいつらは人間の血や肉を食べてパワーアップしてるみたいだし、多分そのマウレアって悪魔も兄さんにやられて回復するために辺り周辺の集落を襲ったんじゃない?」
「じゃあ今こうしている内にも他の街が他の悪魔に襲われたりしているってこともあり得るってことだよな…」
「確かに……でも、他の街にも私たちの街の基地みたいな設備はあるって父が昔言ってたわ」
「それにしても街から歩いてくる道中も人が1人もいないけどどうなってんだ!?みんな襲われたのか?」
「みんな襲われたかどうかわからないけど一応地下に基地へと繋がるシェルターがあるからそれで逃げた人もいるんじゃない?」
「へぇー!そんなのあるんだ!全員無事に逃げてくれてたらいいけどな…」
道中の道も、人がいないか悪魔がいないか隈なく探しながら歩く。
そうしてようやく南東の集落へと辿り着く。
やはりここも目に飛び込んでくる景色はひどい有様だった。
「う、、、なんてことだ…」
「、、ひどいわね、ところどころに血溜まりが……」
言葉を失うと同時に街から離れたところではここまでの被害が出ているのに気づかされ、深刻な問題なのだと理解した。
「それにしても周りにはなんの気配もないな…別のところにいるのか…?」
「これはもしかしたら兄さんの向かった方が当たりかも知れないわね」
周辺を探すもやはり何もなかった。
もしも今、悪魔達がエンヤの方にいるとなるとエンヤの向かった先とは真逆の方向なので自分たちが向かうまでにだいぶ時間がかかることを考え、この集落を後にする。
「兄さんに限って何かあるってことはないかも知れないけど急ぎましょ」
「そうだな、まぁあの人なら着いた時にはもう終わってたりしそうだけどな」
そう言うと2人は来た道を走って戻っていく。
そして、エンヤの向かった北西の森の手前まで差し掛かったその時だった。
[ドオォォォォォン!!!]
[ドガァァァアアン!!!]
[ドガァァァアアン!!!]
[バキバキバキバキィ!!]
激しい爆発音や木々が倒れていく音が遠くから聞こえてきた。
「きっと兄さんだわ!」
「急ごう!」
音の鳴っていた方向に走っていく。
「うそ……だろ…?」
そこで目に飛び込んできたのは木々が燃え盛り地が荒れ果て不敵に笑うマウレアの姿だった。




