13ーアコリアー
俺たちは森を抜けてから近くの街を目指して峠を歩いていた。
「お腹すいたぁー!!森を抜けてから結構歩いてきたわよね?」
「あぁ……そうだな……」
「ちょっとあんたいつまで落ち込んでるのよ!」
「だって、旅を始めたばっかりで無一文だぞ!?落ち込みもするだろ!!」
「まぁ100%あんたが悪いんだけどね!!」
カヤが容赦なく俺の傷を抉る。
「あ!みて!あれ街じゃない?」
峠を越えた先に小さな街が見えた。
「ほら!はやく!いつまでもウジウジするな!!」
[バチン!!]
「いって!!」
カヤは俺の背中を強く叩き街まで一目散に向かっていった。
俺はその背中を追っていった。
「はぁはぁ、お前……速すぎるだろ!どれだけお腹空いてるんだよ……」
俺はようやくカヤに追いつき街についた。
「小さな街ね!!」
カヤはそう言いつつも初めての別の街に目を輝かせていた。
「アコ、リア?この街アコリアって言うのか?看板ボロボロじゃねーか」
俺は街の情報を得るため周りを見渡していた。
周囲に人の気配は無く街も少し廃れている。
「おいおい、本当にこの街大丈夫か?」
「そうね、とりあえず誰かいないか探しましょ」
そういうと2人で街の中に入り歩き進んでいく。
歩いていくと街の人が何人か歩いており、ひとまずは安心できた。
しかし老人が多くあまり若者の姿は見えなかった。
「すみません!この街でご飯を食べられる場所ってありますか?」
カヤは近くにいた老人に話しかけた。
「食堂かい?それならこの先に行けばあるよ、昔はそこらかしこにいろんな店があったんだがねぇ」
「この街何かあったんですか?」
「何もないからこうなってるんだよ、ただの老朽化さ」
そういうと老人はトボトボと歩いていった。
「とりあえず食堂行きましょ!!」
「あ、おい待てって!」
急ぎ足のカヤを追いかけていく。
(ネコのことも聞けばよかった……)
老人の言う通り、そこには食堂があり他にも店があった。
(ここが中心地ってことか?)
「じゃあとりあえずこの食堂入ってみるか……っていねーじゃねーか!」
カヤは一足先に食堂に入っていた。そしてすでに席に座っていたので俺もそこに向かった。
「外とは違って意外と賑わってるわね」
「確かに……一つ言っておくけど俺無一文だからな???」
「仕方ないわねぇ!貸しにしとくわ!」
「ちぇっ、奢りじゃないのかよ」
俺は小声で小言を吐いた。
「なんか言った?」
「いえ!!なにも!!」
そういうとお互い料理を注文していく。
料理が席に届くとお腹が空いていたのもあり2人は夢中でご飯を食べた。
ご飯を食べ終わりぼーっとしていると近くの席のおばさん達が噂話で盛り上がっていた。
「あー言うのってどこの街にもいるのね」
カヤは少し毛嫌いしていた。
「まぁ、小さな街だし余計だろうな」
おばさん達の噂話は尽きなかった。
「ねぇねぇ聞いた?この街の郊外に悪魔の子が住んでるとかいないとか!」
「えー何それ!本当なの?物騒ねぇ!」
「最近この街に入ってきた防衛隊員が言ってたらしいわよ」
「悪魔って言ったら、あの家のアカネちゃん病でここのところずっと寝たきりでしょ?それも悪魔のせいじゃないかって!」
「前までは元気でいい子だったのにねぇ」
「お父さんもそのことで相当病んでしまってるらしいわね」
「あの家お父さんと娘さん2人暮らしでしょ?相当大変ね、あ、あと猫もいたわね」
「あの猫すごい希少らしいわよ!なんたってオスの三毛猫らしいわ!」
(三毛猫!?)
俺は思わずおばさん達の席にとんでいった。
「今ネコがどうとか言ってましたよね!?」
おばさん達は突然話に入ってきた俺に驚きカップに入った紅茶をこぼした。
「なに!?急に!!」
「びっくりするじゃないの!!」
「やぁねー最近の子は!」
「さっきのネコの話聞かせてください!どこにいるんですか?」
「そのネコがいるお家はここからちょっと北に行ったところの市場の近くよ、行っても今は誰も出てきてくれないわ」
おばさんは少し呆れた感じで話してくれた。
「ありがとうございます!!」
そういうと俺はすぐさま席に戻った。
「え、ちょっと!!」
そしてカヤを引っ張り店をでる。
教えてもらった通り北の市場の近くの家を隈なく探していく。
すると2、3件奥の家に探していた三毛猫が入っていくのを目撃した。
俺とカヤはそっとその家に近づいた。
「あんたここからどうするのよ」
「あのネコを捕まえるか飼い主に会って話してみる」
そして俺は家のドアノブに手をかける。
「え?あんたまさか勝手に家に入る気!?」
「こっちもお金盗られてるんだ、おあいこだろ」
扉を開けようとするが鍵がかかっていた。
「さすがに正面からは入れないか」
「当たり前でしょ!やめときなさいよ!」
カヤの呼びかけに少し迷う気持ちがあったが俺は諦めなかった。
「あのネコどうやって入っていったんだ」
そう言いながら入れそうなところを探す。
すると裏側の窓が開いていた。
そこから俺は家へ侵入するとカヤも嫌々ついてきた。
家の中に入り目の前にあった部屋の扉を開けた。
「え!!」
「うそ!?」
俺とカヤはそこで見たものに驚愕した。




