12ーシライー
カヤとはぐれ、ネコを追いかけるも見失い、迷子になった俺は周辺の草木を掻き分けながら森の中を歩きまわり泥棒ネコの捜索を再開していた。
「あーもう!どこに行ったんだよ!!ていうかネコのくせに金なんかいらないだろ!」
愚痴が止まらない。
(しかしまぁ、この森入ってみて思ったけど少し不気味だな……)
まだ午前中なのに薄暗く、生き物の気配がまるでしない。
そんな薄暗い森の中を1人で歩き進んで行く。
結構な森の奥まで入ってきたがあのネコはまだ見つからない。
すると、この薄暗い森の中でほんのり明るく光っているところを見つけた。
(……なんだ??)
俺は気になってその明るい光に引き寄せられていく。
「……人?人なのか?」
引き寄せられた先には光を纏った白髪で透明感のある透き通った肌の綺麗な女性が1人立っていた。
それに見惚れていた俺は恐る恐る話しかけてみる。
「あのー……すみません、この辺でこれくらいの三毛猫を見ませんでしたか?」
俺は手振り身振りをしながら質問をした。
すると、さっきまでほんのり明るく白く発光していた女性の周りの光が消え、口を開く。
「えっと……何か?」
俺はもう1度同じ質問をした。
「この辺でこれくらいの三毛猫見なかったですか!?」
その瞬間、その女性は何かに気づいた様子で俺の手を取り走り出した。
「!?」
俺は咄嗟のことに驚きつつもその女性に引っ張られついていく。
「もしかしてネコの居場所知ってるんですか!!」
「しっ!!静かに!!」
その女性は少し険しい顔をしながら俺に言う。
そして、少しの間走るとその女性と俺は走るのをやめ木の影に身を潜めた
「ごめんね、あなたを巻き込んじゃって!私悪い奴らに追われてて……」
「えっ、、?」
俺は誰かが追ってきている気配を何も感じなかった。
「で、なんだっけ?ネコを探してるんだっけ?」
彼女は不思議そうにこちらを見て言う。
「はい、実は大事なお金をそのネコに盗られてしまって……」
「あらそれは大変!!よし、じゃあ私に任せて!探してみるわ!」
そういうと彼女は目を瞑り、また周りが明るく発光し始めた。
その時だった。
[ザザザザザザ!!!]
遠くから物凄い勢いでこちらへ何かがやってきた。
彼女は咄嗟に瞑っていた目を開いた。
「うそ!?」
「危ない!!」
俺は彼女を抱えて距離をとった。
数匹の悪魔が群れをなして現れたのだった。
(悪い奴らに追われてるってこいつらのことだったのか)
「危ないんでここは僕に任せてください!!」
そう言って抱えていた彼女を下ろして後ろにさがらせた。
(カヤとはぐれてるけどいけるか!?)
「CHAIN!!!」
[キィィィィィン]
手には微弱だが炎が纏った。
(微かに使える!!カヤも森の中に入ってきてるってことか?)
色々考えている隙に悪魔達が一斉に襲ってくる。
攻撃を交わしつつ一体一体に確実に当て仕留めていく。
「これで最後だ!!」
ガントレットのおかげかマウレアと戦った後だったからか微弱の炎でも悪魔達を余裕で仕留められた。
「本当にありがとう!!あなた名前は!?」
女性は目を輝かせて聞いてくる。
「レンです、お姉さんは?」
「私はルナ!あなたになら任せられるわ!」
ルナはそう言うとレンの首に宝石の様なものがついたネックレスをつけ始めた。
「え、なんですかこれは?」
「お守り!あなたに聖霊の加護があります様に!あ、そうそうあとネコだったわね。見つけたよ!ここから真っ直ぐ行ったらこの森から出られるわ!その先にネコはいるはずよ、お手柔らかにね!」
「本当ですか!!ありがとうございます!!じゃあ俺先に行きます。ルナさんありがとうございました!お気をつけて!」
「こちらこそ!あなた達のおかげで森の中の悪魔はいなくなったわ!またどこかで会いましょう」
そう言うとルナは俺とは逆の方向に歩き出した。
俺もネコを追いかけるべく走ってこの森の出口を目指す。
少しの間走ると明かりが見えた。
「出口か!」
森から出てこれた俺はネコがいないか周りを探した。
するとカヤも違う出口から出てきた。
「カヤ!!」
俺はカヤの方に駆け寄ってみるもカヤは何も言わない。
「本当にすみませんでした!」
怒っているのかと思い謝る。
だが、カヤは無言だ。
(なんだ?様子が変だ)
しばらくすると森からもう1人のカヤが出てきた。
「あんたねぇ!!勝手にこんな森に入って!!あんたを探すのにどれだけ苦労したか!!」
カヤは俺を見かけるや否や文句を言ってきた。
俺は森から出てきたもう1人のカヤの方に気を取られて
さっきまで隣にいたカヤを見失った。
「え?」
「どうしたのよ!そんなキョトンとして」
「さっきまで隣にカヤがいたんだよ!」
「はぁ?私さっき森から出てきたけど何言ってんのよ」
俺は周りを見渡しさっきのカヤを探す。
するとさっきまでカヤのいた足元にネコの足跡の様なものがあった。
「もしかしてあのネコ!?化け猫だったのか!!」
「呆れた!また見失ったのね!」
「すみません……」
「それでお金も取り返してないよね?」
「すみません……」
「あんたのせいで森の中入ったら悪魔と戦う羽目になったんだから!!」
「すみません……」
俺はカヤに謝りながらトボトボと歩く。
「それはそうとそのネックレスなんなの?」
「これはルナっていう女の人と森の中で出会って悪魔を倒した時にもらった?と言うかつけられた?」
「あの森の中を女の人が1人で?大丈夫な人なのそれ?」
「た、たぶん?」
「まぁいいわ!とりあえず、近くの街を目指すわよ」
「ネコはどうするんだよ!」
「あんたバカなの!人に化ける様なネコがお金盗っていったのよ?使う為に決まってるじゃない!それとお腹も空いたし近くの街目指すわよ。」
「な、なるほど!」
そして、俺とカヤは森であった出来事を話しながら近くの街を目指した。




