第11部 『兄 "再会"・闇 "再来"』編 登場人物紹介
= ローダ側『白の軍団』 =
『ローダ・ロットレン』
一応この物語の主人公。スキル的には未だに騎士見習いなのだが『竜之牙』に潜む白い竜シグノとヴァロウズ9番目の黒き竜ノヴァンに自らの身体を捧げ、竜騎士のような存在となった。
さらに150年前の神竜戦争の生き残りの意識を辿り、ノーウェンの片割れ、暗黒神の真祖であるヴァイロとの交渉に挑み、再生能力を止めることに成功した。
兄に潜む心の闇を知りながらも、その戦い方を「相変わらず他人を頼らない馬鹿者」と一喝した。
このまま兄と弟は殺し合う以外の道はないのであろうか…………。
『ルシア・ロットレン』
夫から「ルシアのお陰で光が見えた………」と告げられた真の意味。それは月と金星の光を注いだルシアを堕天使として覚醒させ処理能力を向上させるという奇想天外なものであった。
彼女と二人の子『ヒビキ』を通して150年前の生き残り全員の意識から、死んだ者達すらの意識まで心通わせることに成功する。
さらに堕天使ルシアそのものの格闘能力も飛躍的に向上、電磁砲の銃弾を素手で殴る辺り、もう普通ではない。
個人の強度だけなら最早、右に出る者がいないのではなかろうか。
『リイナ・アルベェラータ』
ジェリドが扉の力で生んだ母『ホーリィーン』と心を通わせ、生き返りではないにせよ再会に感涙した。
これは150年前の死人の意識と心を通わせることに成功した堕天使ルシア・ヒビキ・ローダの御業による思わぬ副産物であった。
不死鳥の力を得た彼女は無類の強さかと思いきや、不死鳥と相反するフェネクスの力を手にした鬼女のセインに苦戦を強いられる。
だがホーリィーンの機転を利かせたフォローによって、さらに覚醒しこれを粉砕した。
『ホーリィーン・アルベェラータ』
ジェリドが生んだ影の存在であった彼女、緑色の輝きの覚醒によって、一時的とはいえ身体と心を取り戻す。
細胞分裂の超加速化によって相手を死に至らしめる戦の女神の禁術『永遠の旅路』を、フェネクスの黒い細胞を植え付けられたリイナに施すというとんでもない賭けに出る。
『生転の旅路』に組み替えて、この賭けに勝利。リイナを死の淵から生還させた。
リイナとホーリィーン………この二人はベランドナの言う真なる女神の系譜なのであろうか。
『ジェリド・アルベェラータ』
リイナの生命の危機を救えるかも知れない方法を妻ホーリィーンから聞かされた彼は、サイガンとドゥーウェンにその成功確率の演算作業を依頼する。
結果は散々たるものであったがベランドナに「アルベェラータは女神の系譜」と聞かされ、その言葉を信じこれを強行。
一方アルベェラータ姓には神殺しに最も近づいた男の存在もあったことを知る。果たして彼は、そちらの方を継いでいるのであろうか。
『レイ』
『紅色の蜃気楼』の能力で霧散化するルイスに手を焼いたローダを援護。
ルイスの霧散化に自分の能力と同じ空間転移の存在を感じた彼女、眼前で消え失せるルイスに自分の銃を潜り込ませこれを実体化させるという見事な連携を見せつけた。
彼女はドゥーウェンから光線銃などの様々な銃を受け取っている。乱れ撃ちと狙い撃ちの活躍はまだまだ続きそうだ。
『サイガン・ロットレン』
ローダが創造したかつての愛車をラリードライバーさながらに乗りこなし、しかもその車に『心の壁』という術を用い、敵を轢き殺すという力技を披露した。
マーダを乗っ取ったルイス、未だこの二人を引き剥がせない以上、恐らくルイスも不死身なのだ。
これをどう処理するか、聡明なる彼の頭脳には既にやり方があるのかも知れない。
『ドゥーウェン(吉野亮一)』
レイと同じくAYAME Ver2.1を秘めた彼だが、戦闘に於いては頼みの綱である『自由の爪』を活かしきれない。
それ程にこの連中の戦いぶりは異常さを増している。
『ベランドナ(ニイナ)』
150年前の神竜戦争に於いての彼女は『ニイナ』という幼女の姿をした術師であった。
そのほんの昔の記憶から二人のアルベェラータという名前を語り、娘の危機に迷えるジェリド夫妻のことを後押しした。
ルイスに殺されかけた時、それを救出した男性のエルフを『レイチ』と呼んだ。
『ファグナレン(レイチ)』
ベランドナと同じハイエルフで歳もほぼ同じの300歳前後。二刀のダガーを巧みに操りベランドナの窮地を救う。
彼だけが使うことを許された精霊術『戦乙女』、『戦乙女』の上位術を駆使し、ジェリドを襲ったルイスすら阻んでみせた。
ファグナレンという名前は、かつての彼がフォルデノ王国騎士団に所属したした際、ナイフの類を操る最強の者に与えた称号の名。
現在のファグナレンは、フォルテザの砦を守るよう厳命を受けている。
『ガロウ・チュウマ(中馬我朗)』
ローダの緑色の輝きの恩恵で存分に示現我狼の剣を振るう。ノーウェンが召喚したヴァロウズ三番目の剣士であり、同じ日ノ本の侍であるトレノと一騎討ちをする。
蘇ってなおもルイスに忠誠を尽くすトレノを愚弄したことを大いに怒る。
『ランチア・ラオ・ポルテガ(青い鯱)』
フォルデノ城下町上陸後は、扉で呼んだ巨大なシャチで城下町に潜んでいた先兵共を大いに食らい尽くした。
ルイス達との決戦に於いてはだいぶ出番が少なくなったが、自分の周囲にピアノ線を張り巡らせ、ルイスの無双を阻むという彼らしいやり口を見せた。
『プリドール・ラオ・ロッソ(赤い鯱)』
ランチアと同じく赤いシャチで城下町では大いに暴れた彼女。余りにも神憑りが過ぎるルイス達との戦いでは中々戦果を挙げられずにいる。
然し彼女はやってくれる筈だ、そのロッソの名にかけて。
= ルイス側『黒の軍団』 =
『ルイス・ファルムーン(マーダ)』
ローダ陣営に対して明らかに数で劣勢であるところを、森の女神から直々に助け舟を出されたにも「自分一人でも勝てる」豪語しそれを断った。
ローダとルシアによって覗かれた心の闇。父ラムダには裏切られ、神童の座は仮初の弟ローダに奪われた。
この闇は果たして本当に払えるのか。
そして出来損ないは最後まで黙したままであるのだろうか。
『フォウ・クワットロ(ヴァロウズ4番目の女魔導士)』
ルイスとの子供を身籠った言わば身重の状態をおして戦闘に参加し、後方支援として暗黒神の魔導を振るう。
このまま彼女は無事に戦い抜くことが出来るのであろうか。
『トレノ(河浪士狼)』
屍術師であるノーウェンが召喚した死人。彼の魂は我強過ぎたのか完全なるノーウェンの傀儡にはならなかった。
日本刀を腰に差したガロウを見るなり一騎討ちを挑んでゆく。既に折られた氷狼の刃、彼に勝ち目があるとは到底思えない。
最早彼の信念は、戦い抜いて逝きたい………ただそれだけであるのかも知れない。
= かつて暗黒神の側として戦った側 =
『ヴァイロ・カノン・アルベェリア』
150年前の神竜戦争に於いて暗黒神としてカノン側を指揮した男。黒き竜の創造主。27歳の優男。
相変わらずその魂はマーダの中に縛られたままだが、意識だけは自由を得た。
「この天下分け目と言える決戦を黙って観てはいられない」と言っているが、ノーウェンという身体を失った彼に出番は巡ってくるのであろうか。
『リンネ・アルベェリアと黒き竜牙』
死ぬ以前は、ヴァイロの若過ぎる妻であった享年18歳のリンネ。勝手に第二夫人となった享年16歳のミリア。
そのミリアに恋心を抱きながら果たせなかった最年少14歳の少年アズール。ヴァイロの一番弟子で同じ魔法剣士であった17歳のアギド。
彼等はヴァイロの意識で形造られた空間の中で、まるで生ある者であるかの如く振舞いながらこの戦いの行方を見守っている。