第9部『何処までも黒き進軍』編 登場人物紹介
『ローダ・ロットレン』
一応この物語の主人公。ルシアがサイガンによって造られた本物の人間ではなかったことを知らさせる。
その上あろうことかローダと結ばれることを、真の扉を持つ者としての試験に組み込んでいたすら聞かされた。
ルシアとのこれまでは試用であったと言われたことで流石にキレて、一時はサイガンと共にルシアすら殺そうとする。
ルシアの必死の説得と二人の間に子供が出来たことを涙ながらに訴えられたことで、何とか思い留まることに。
そしてフォルテザを襲撃してきたルイスを相手にするが、相手の方が諦め撤退したことも重なり、余り大した見せ場もなくそれは終わった。
その後、彼はルシアとの婚約を発表。その席において同時にファルムーン姓を捨ててロットレンの養子となることを宣言した。
『ルシア・ロットレン』
実はサイガンによって造られたマーダに続く二番目の、それも限りなく人間に近い人造人間であることを明かした彼女。
ローダに近づいた元々の理由は、確かに見定めるのが目的だった。けれども彼と通じ合うことで本物の愛情に喜びを感じ、それが罪の意識を超えていったことを語る。
故にローダを認めたのは自分だけでなく、二人の愛の結晶とて対象であることも伝えた。
…………そしてローダのプロポーズを歓喜の涙で受け入れた。
『サイガン・ロットレン』
最後の罪……人造人間であるルシアをローダにけしかけたことを死を覚悟の上で暴露した。
二人の愛の証、まだ胎児である者が二人を認めたときに発せられる……それが緑色の輝きの正体。胎児が一時的とはいえ10人目の存在となったことが何よりの証と告げる。
この時だけローダは、どんな力………実在する力は元より、創造しただけの力ですら発現出来る能力を持ったことになる。
けれど心優しきこの青年は、いざ何でもと言われると何を引き出せば良いのか戸惑う。これを当人から聞いたサイガン「そんなお前だからこそ選ばれたのだ」と寧ろ喜びでそれを受け入れるのである。
『ルイス・ファルムーン(マーダ)』
ルシアとその腹の中にいる子供に対し真の扉を開く鍵としての存在を見出し、鍵を強奪すべくフォルテザを襲った。
しかしローダと愛し合ったからこそ鍵は力を発揮すると知り、ルシアを強奪することの無意味さを理解し撤退した。
フォルデノ城に帰還した彼は、例え鍵にならずとも純粋に世継ぎが欲しいと感じてしまい、その想いを正直にフォウへ打ち明ける。
弟であるローダがファルムーンを捨てたを知った時、果たして彼は何を思うか。
『フォウ・クワットロ(ヴァロウズ4番目の女魔導士)』
フォルテザ襲撃の前にコルテオという扉の力を媒介にした金色のナイフとレイピアをルイスより拝領した彼女。
そのコルテオを自在に操り、自由の爪を操るドゥーウェンとベランドナの二人相手に互角以上の戦いを見せた。
そしてルイスから告げられた「世継ぎが欲しい」という言葉に対し、顔を赤らめながら「間違いなくルイス様のお世継ぎです、マーダ様ではございません」と答えるのだ。
『ノーウェン(ヴァロウズ1番目の屍術士)』
死んだ霊魂すら召喚出来る能力に加え、暗黒神の能力すらルイスより受け取っている彼。
元8番目のオットーや元7番目のセッティンを召喚するが、これはベランドナの魔法やランチア等の新しい力によって潰される。
なれど幾ら斬られようと撃たれようと決して死なない肉体を持つ。そもそも彼には魂がない。それはマーダであった頃のルイスの中に存在するのだ。
よって彼を沈黙させるのにはルイスを倒すしか道はない。けれどローダ達にルイスを殺す道もまた在り得ない。
今後どうやって彼と相対するのか…………。
『ドゥーウェン』
自由の爪の1本をフォウのコルテオによって破壊されるという屈辱を受け、その上に絶望之淵を受け窮地に立たされる。
しかしAYAMEをVer2.1に進化させた力と暗黒神の上位神、森の女神と契約しているベランドナから情報を得て、辛くも脱するのである。
『ベランドナ』
この世で最も忌み嫌うダークエルフのオットーを雷神で葬る。彼女は精霊のみならず森の女神の魔法にもすら通じている。
ドゥーウェンの活躍は彼女の存在抜きには語れない。
『ガロウ・チュウマ』
AYAME Ver2.0 アイリスを扱うことに成功した彼は、本来チャクラを溜める時間を必要とする示現我狼を連打ち出来ることを望んだ。
時間制限付きとはいえその効果は絶大、ノーウェンを大いに斬り裂くが、相手が不死ではどうにもならなかった。
『ランチア・ラオ・ポルテガ(青い鯱)』
『プリドール・ラオ・ロッソ(赤い鯱)』
ガロウと同じくAYAME Ver2.0 アイリスを扱えるようになった彼等。二人が望んだ力はその異名通りの巨大な青いシャチと赤いシャチ。
かつては大いに苦しめられた7番目の巨人セッティンをそのシャチで捕食することで楽々と粉砕する。
『レイ』
何時の間やらAYAME Ver2.0ではなくドゥーウェンと同じく2.1を手にしていた彼女。ドゥーウェンを無理矢理寝取り、その遺伝子を頂いたという何とも破廉恥な所業で手に入れた。
レイがアイリスに望んだ力は異空間転移。自らの身体だけでなく、拳銃やその銃弾だけ空間に開けた穴から自在に撃ち出せるという、シンプルかつ強力なものであった。No1のノーウェン相手に無双してみせた。
『リイナ・アルベェラータ』
『ジェリド・アルベェラータ』
フォルテザ襲撃の折には、例の地下牢にてローダにルシアの真実を語るサイガン達を守る役目をおったため、余り出番がなかった二人。
けれどリイナが奇跡の盾により、フォウとノーウェンの暗黒神による魔法、さらにルイスが使えるようになった生命之泉すら封じたことが戦いを終局に導くきっかけとなった。
………いよいよ兄ルイスと弟ローダの果し合いが始まる。二人は扉の力に何を求め、果たしてどんな終局が待ち受けるのか。