バレたバレない5話
日課である朝のトレーニングを終え、制服に着替える。ちなみに朝トレはアイミーの散歩をかねたランニングだ。
アイミーも俺も、二人朝トレのおかげで結構体力はついてる方だとおもう。シャワーを浴び、時間を確認…。やばい、のんびりしずぎたな。
ささっと支度をし、登校。鞄は幸い軽いので走ればなんとかなるだろう。
とにかく急ぐんだ、俺。入学式の翌日遅刻とか話にならない。
教室に滑りこめばホームルーム開始まで残り十分だった。ギリギリセーフ、だな。
ん?頭に違和感…。
やばい!!!かつらがずれかけてる…。
隣の篠くんにばれたか?でもそんなこと思ってる場合じゃない…。
急げ!トイレに急ぐんだ!
個室のドアを開けかつらを手探りで整える。
あーあ。バレちゃったかも。篠くんに。
篠くんならバレても大丈夫って思う気持ちがないわけではないけど、出会って二日目。完全に信用しきっているわけではない。
5分前を表すチャイムがなりしぶしぶ教室へと戻る。篠くん…どうしてるかな?
ちらっと様子を見ると動揺していない様子。おっ?これはバレてなかったと思っていいのか?思ったほうがいいんだよな?いや、精神的正常を保つためにもそう思ったほうがいいに決まってる。
いまさらおはよう、なんて声をかけるなんてできないので冷静を装い席に座る。
先生の無駄に明るい声も右から左へ完全スルーだ。
いつの間にかホームルームは終わっていたらしい。ぼーっとしていた俺は気がつけば篠くんと来夢くんに肩を揺さぶられていた。
「星璃!聞いてたか?」
「星璃くん!ぼーっとしてたでしょ!」
「なんか…大事な事言ってたっけ?先生。」
「言ってただろ!ほら!」
「「自己紹介の授業をずらして体力テストが行われるって!!」」
体力テスト?そんなこと言ってたか?
「ほら早く立て!着替えるぞ!」
ふらふら〜と言う表現が似合うほど上の空で、俺は着替えた。
読了ありがとうございました(*´ω`*)