とある人の入学式3話
Side 仁
春休みが明け今日から学校である。中等部から高等部に上がるだけなのに入学式とか、正直面倒くさい。
入学式に出るという母と別れ新クラス表の中から自分の名を探す。
篠宮、篠宮…。あっ、あった。
1のCか。ちなみに担任は…山田先生。
………ん?
オレの出席番号12の前の11番の漣 星璃 って誰だ?
見ない名前だな。漢字も珍しいし、順番近いし、覚えて無いはずがないのに。
そうおもいながらも下駄箱に靴をいれ、教室へと急ぐ。
誰だよ、漣 星璃って。
頭の中で名前がこだましてる。
教室に入ると見知った顔がずらり。
「久しぶり〜仁君!仁君の席、ここだよ!」
「ありがとう、来夢。」
「うん!」
彼は親友の来夢。彼も同じクラスだったようだ。
「ねえねえ。仁君の隣の漣君って知ってる?僕知らなくてさ〜。ねえ、だれ?」
「オレも知らねーんだよ。っていうか星璃ってなんて読むんだよ。」
「分かんないけど、多分星をせって読んでせりじゃないかな?」
ガラガラガラガラ。
「皆さんおはようございます!入学式の説明するから席に座って〜。」
来夢が席に戻る頃には他の皆もだいたい戻っている。来夢の席は…オレの席から結構遠い位置にあるから。
「あっ、入学式の説明する前に…。篠宮君の隣の漣君。今、入学式挨拶の関係でもう下で準備してるので後から合流することになりました。初めて、よね?外部から来た子よ。なかなか個性的な子だけど、仲良くしてあげてね。さて、それでは説明を始めます。」
外部、生?
どんな生徒だよ、あんな難しいテストをかいくぐって来たやつって。
まあ。
悪いやつじゃあ、なさそうだけだな。
体育館に入り、席に座る。眠くなりそうな校長、理事の話をきき、やっと待ちわびた新入生挨拶だ。
さあ、どんな…。
・・・・・・・・・。何あいつ。
髪はテンパ感半端ないし、眼鏡も分厚!
そんなくせに声は世の中で言うところのイケボだし。
何なんだよ!
っていうかさっきからベラベラ話してるけど1回も手元見てないな。
もしかして、全部暗記してんのか?
○
入学式が終わると先生が漣を教室に連れてきた。
明日は自己紹介をしますからね〜!と明るい声で先生が言う。写真を撮って、書類やら手紙やらを受け取り、鞄に詰める。
軽い挨拶をして今日は終わりだ、すぐに帰ろうとかばんを持つがちらっと隣に目を向ける。
漣 星璃…。ちょっと、話しかけてみるか。
「漣君、入学式の挨拶、すごかったね。」
いきなり話しかけたからか驚いた表情を浮かべた漣。
目を大きく見開いたからだろうか、さっきとは別人に見える。
「ありがとう。君は篠宮仁君、だよね。俺は漣星璃、よろしく。」
「ああ、こちらこそ。」
髪もぐちゃぐちゃだし、眼鏡分厚いし、根暗なやつかと思ってたけど、意外といいやつかもしれない。
「星璃って呼んでもいいか?」
またもや漣は目を大きく見開いた。
「うん。もちろんだよ。篠君。」
まじか、篠君か。
初めて篠君って呼ばれた。
見た目は誰にも話しかけてほしくない、むしろボッチでいさせてください、みたいな感じのくせに、話してみれば全然見た目と違うじゃん。
「星璃、また明日。」
少し、明日学校に行くのが楽しみになった。
読了ありがとうございます(*´ω`*)