学校に行ってみた2話
かつらをかぶり、あ〜あの子テンパなんだね。くらいですむようにかつらを整える。
なんだよかつらを整えるって。整える必要無いからかつらなんじゃないの?
まぁ………そんな疑問はおいといて。新入生代表挨拶の原稿を見直しとこう。
このぐらいなら普通に暗記できたし、大丈夫だと思うけどね。間違えてからじゃ遅いし。
ちなみに外部生が入ってくるって、ここ何年か無いかったらしいよ。ってことは学校の全員が全員と知り合いまたは友人ってこと…。
俺、友達できんの?ぼっち確定じゃない?
別にぼっちが嫌ってわけじゃないんだけど…。ほら、父さんとか母さんに友達できた?って絶対聞かれるから…。
ぼっちです。なんて言える気がしない。
それに俺はたくさん飛び級をしたから…。あまり、交友関係が広いとは言えないんだ。勿論友人はいる、困ったときや不安なとき相談にのってもらえる友人が。だけど…1、2、3………。両手で足りるんだよな。
飛び級ってすごいことなのかもしれないけど、多くの人達が同級生と喧嘩をしたり、青春している間が俺には無かったんだ。それは俺自身が決めたことだし飛び級をしたことに後悔はないけど時々喧嘩したり、笑い合っている二人組や三人組を見ると良いな、って思ってたことは事実。幼い俺にはなかなか辛いものがあったんだなと、成長した今思う。
「さて、一緒に登校しようか、純瀧学園高等部1年漣 星璃君?」
初登校は両親と。
そのあと母とは別れ新入生挨拶のちょっとしたリハみたいなことをした。
◇◇◇◇◇Side担任 入学式までの休憩時間
「おはようございます。理事長の息子さん、よね?新入生挨拶まで務めるなんて、すごいわ。私の名前は山田美由紀、星璃君のクラスの担任を持つことになりました。これからよろしくね。」
難しい受験を見事クリアし入学してきた理事長の息子。答案用紙の丸付けをしたので、完璧な満点合格ということはわかっている。だけれど、私が担任を受け持つこともあり、その息子に興味があった。
テンパ、なのよね。見られるほどだけど、ストレート髪には程遠い髪。しかも分厚い眼鏡って…。虐めはないと思うけどからかわれたりはしちゃうかもな。
「山田先生。受験をして入学したのでまだよくわからない部分もありますが、よろしくお願いします。」
「ええ。もちろんですよ。そういえば、新入生挨拶の言葉は覚えた?結構な枚数あったと思うけど?」
「あのくらいなら大丈夫です。ですけど、新入生挨拶なんてしたことないので。」
「そうなの?受験に受かるほどの学力があるのだから、挨拶くらい経験しているものだと思っていたわ。」
「学会で研究発表したこととかならあるんですけど…挨拶はさすがに。」
・・・。
普通な感じで言ってるけど、ちょっと待って。学会の研究発表とかってどういうこと?ねえ。
え。
本当の天才ってこと?冗談?でも冗談っぽくないし…。
「先生?どうかされましたか?」
「いいえ、なんともないわ。あら、そろそろ行かなきゃ。じゃあまた。」
星璃君の会釈を後ろに廊下に速攻で飛び出し、職員室に飛び込みパソコンを開く。。
学会の研究発表をこのまだ幼い年齢で行ったことが本当だとしたら、ネットに必ずのってるはずだ。そう思い検索すると案の定出てきた。
残念ながら写真は無く、文字だけの記事だったけど。
《天才日本小学生現る!その名も漣星璃!》
・・・・・・。小学生?
私のパソコンを覗き込む周りの先生たちも口をあんぐり開けている。
「この子って、理事長の息子だよね…そんな子が、なぜ純瀧に?」
「さあ、わかりませんけど、すごいを通りこしたヤバい子が入ってきたのはわかりました。」
「これは、大変になりそうだぞ。」
職員室が大混乱になっていることなど、久しぶりの桜をじっと見ていた彼は勿論知らない。
読了ありがとうございます(≧▽≦)