7:妖の救済 下
「なっ、何ですかっ、この力!!」
突然、3本の尾が生え、金色の焔のようなものが、沸き上がり、
「ふぅーー、終わったぞ。
おーいニーナ、ニーナ?」
「はっ、はいっ。神哉さんは獣人何ですか?」
「いや、俺の世界でいう九尾という妖怪だ。
それはおいといて、少ししたらシスティさんが起きるから。」
「呪いはどうなったんですか?」
「ああ、もう大丈夫だ。
あとは、栄養をしっかりとるくらいかな。」
「さっきの呪いを消した力は一体何ですか?」
「《狐手・魔喰らい》のことか。
狐手は手を狐の形に変え、使う技で、
魔喰らいは、魔なる者を喰らう力、まぁ物理攻撃ではないものなら、
大体吸収できる力かな、弱点もなくはないけどそれは言えない。」
「すごい技ですね。狐手はほかにもあるんですか?」
「あるよ。・・そろそろか。」
「んっんんっ」
「体調はどうですか。」
「はい、大分気分がよくなりました。
あるとすれば、少しお腹が空いたくらいです。」
「魔力も回復してくると思いますので、
しばらく栄養をとって安静にして下さい。」
「はい、ありがとうございました。
この御恩どうお返しすればいいのか。」
「じゃあ、このことは秘密にしておいて下さい。
あと、俺に何かあったらよろしくして下さい。」
「そんなのでいいのですか?」
「なら、魔族についてや、呪いを使ってきた蛇のことの情報は、
なにも隠さず教えてくれ。」
「わかりました。」
「神哉様、私からもお礼申し上げます。
私にも力になれることがありましたら、
遠慮なくおっしゃって下さい。」
「ああ、わかった。
この後は、家族でも呼んで、仲良く過ごせよ。」
「はいっ!ですが、何と説明すればよろしいですか?」
「俺の妖術にシスティの呪いに効く術がたまたまあったっていってくれ。
嘘はついてない。」
「わかりました。では、また明日。」
「おう、またな。」
くそっ、悪い予感が的中しちまった。
もし、蛇があいつで、魔族側についていたら、
こっちもただではすまないな。
正体がばれた時のことを考えとかなきゃな。
ダッダッダッダ
バタンッ「システィ、治ったって本当か!?」
「母上っ」
「あら、ランギース、あなた、動揺しすぎよ。」
「お母様!!」
「ティナも騒がしいわね。ウフフッ」
「そんなこと言われてもぅ、ううっ」
「ほら、泣かないの」
「だってぇ」
「おいニーナ、なにがあったんだ?」
「はいお父様、実は呪いを治すことができる能力を持った神哉様に
お母様の状態をお話ししたところ、治していただくことができました。」
「そっ、そうか。そやつにどんな褒美を与えればよいのか。」
「いいえ、あまり力を知られたくないようで、
魔族についての情報が欲しいということなので、
まとめて頂ければ、私からつたえます。」
「わかった、今から情報をまとめさせるから、
明日そやつに渡してくれ。」
「はい!」
「まさかあんな奴らごときに貸しを作ることになるとはな」
「ちょっと、お兄様!」
「わかっている。もうそんな態度はとらん。見くびるな。」
「お父様もね。」
「そうだな。」
「それにしてもよくやったわね、ニーナ。」
「いいえ、神哉様のおかげですよ。お姉様。」
「それでもニーナの見る目に感謝しなくてはね。」
「お母様の言う通りですわ。ニーナ」
「はい!!」
本当にありがとうございました。神哉様・・・・