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3:運命からの追い打ち

 その人間は、黒田 公太という。

人間の世界のいたるところで起きている、いじめというものの被害者だ。

冴えない見た目で、本人の性格も、他人に意見したりできるタイプだった

ため、狙われたのだろう。

そしてそれは自分達の世界である地球のころから起こっていた。

直接的な暴力はなく、本人も他の人に相談することもなかったため、

知らない人も多く、また、関わろうとする者もいなかった。

 


 妖怪の俺からすれば、人間のいじめなんてものは、ターゲットを、

自分より立場が下だと勝手に決めつけ、執拗に構い、時間を無駄にしているとだけだと思う。それは、暇を持て余し、人生に目標が持てず、

時が過ぎるのを待つだけの者がする行為だ。その通りにいじめっ子は、

どの部活にも属しておらず、暇を持て余していた。

人間的にはどうか分らんが、今を生きる者にとって、いじめをする者の方が、下に思える。または、つまらない自分が、精神的に上の者をいじめることで、充実感を得ているのかもしれない。

どちらにしろつまらんことだ。




 それはさておき、今回の職業検査は黒田に、とって不幸以外の何物でもなかった。



 いじめっ子の澤村 強哉は斧使い、とりまきの岡村 昌吉は槍術士、

児島 翔平は双剣使いと、全員戦闘職だった。

それに対して、黒田は詐欺師といういかにも迫害されそうな職業だった。





 予想通り生徒は黒田とさらに距離を置き、先生すらも警戒してしまうようになった。それでもまだいじめっ子達は彼に近づき、俺だけにギリギリ聞こえる声で



「この世界で暴力ふるっても詐欺師の味方をする奴なんていないぜェ」

と言っていた。



それにしてもクズだな。これは監視しとくか。




その日は国王一家の挨拶と、夕食を食べた。



 国王はやはり偉そうで、表を上げろだとか、褒めて遣わすとか言ってやがった。その息子の第一王子のランギース=ラングドールも偉そうに見下ろして、この国のために戦ってやるのに、期待はしていないとかほざきやがった。見た目はいいのに表情からして下種だな。ちなみに年は21歳で、その年で頼み方が分からないのか、と思った。


 それに対し女性陣は王妃は病気でいなかったが、見た目も含め立派だった。艶やかな金色の髪に丁度いい体系に上品な仕草、この世界に来て初めて王族というものを見た気がした。


第一王女のアルティナ=ラングドールは17歳らしく、勇者の皇雅を大分気にしていたものの、頼む態度というものが、よく分かっていて、好感が持てた。


 また、第二王女のカルテニーナ=ラングドールは14歳で、人見知りなのか、お願い致します。としか言わなかったが一瞬目が合ったような気がした。




その後友達と夕食をとり、案内された自分の部屋に戻る途中、

何者かに声をかけられた。




「あの・・・・・


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