17:やばい奴・・
昼食の時・・・
勇者グループの四人のクラスメイトが歩いてきた。
「ちょっとすまない。」
「なんだ皇雅。」
要が返事をしたが、皇雅は目もくれず、ひかりに話しかけた。
「ひかりさん、今日の午後僕たちと遊びに行かないか?」
「ごめんなさい。ここのみんなで行くので。」
ことわったが、皇雅は、困った顔をし、
引く様子はなかった。
「ひかりさん。
いつも思ってたんだけど、無理にいつも一緒にいる必要はないんだよ。
せっかくこの世界に来て聖女になったんだし、
勇者のぼくといるべきだと思うよ。」
「いや・・・、無理して一緒にいるんじゃないよ。」
どう見ても困っているのに、皇雅はそのまま続けた。
「でも、君は僕といるべきだ。
訓練で神哉が評価されているが、
君を守れるのは僕しかいない。」
「皇雅、もういい加減にしようぜ。」
「健太、君はこのままでいいのか?」
「いいも何も、あんた迷惑かけてるのわかんないの?」
「綾香まで何言ってるんだ!?」
「もういいから行こうぜ。せっかくの休日が無駄になっちまう。」
「そうね、皇雅その辺でやめときな。」
「わ、わかったよ。
じゃあひかりさん、またね。」
健太や綾香に諭され、食堂から出て行った。
「皆、あの決めつけ馬鹿が失礼した。」
「いいよ、鈴奈。
大変なのはお前も出しな。」
「そう言ってくれると助かる。またな。」
鈴奈も出ていき、四人だけになった。
「なんだあいつ俺のこと無視しやがって。」
「要はずっと無視されてたもんね~
しっかしひかりもあいつに好かれるとは災難だね~。」
「もぉ~、変なこと言わないで。
私が聖女だからだよ。」
「神哉もだけど、あんたも十分鈍感だね。」
「なんで俺も出てくんだよ。」
「さあ~」
「あいつのことより遊びいこーぜ。
休日っぽさ出すために中央広場の噴水に現地集合でどうだ?」
「うん。」 「そうだな。」 「さんせ~い。」




