side.霊奈
おにぃがいなくなって2週間がたった。
七年以上前では考えられないけど、
今ではこの期間会えないだけで、不安で一日三食しか食べれなくなってしまう。
真面目にいえば、ずっと部屋に引きこもっている。
いないのが心細く、外に出るのがただただ怖い。
「・・・・早く帰ってきてよ、おにぃ・・」
コンッコンッ
「ご飯ここに置いておくぞ。」
「・・・・・・・いの。」
「なんだ?」
「なんでおにぃがいないの!?」ヒグッヒグッ
そうだ。おにぃは言ってた。
ずっと一緒にいるって。俺が守るって。
なのにっ、なんでっ!なんでっ!
私が何かしたの?私のこと嫌いになったの?
それじゃ私の生きる意味なんて・・・
「神哉はな、違う世界にいったんだ。
そこはな、いつ命を落としてもおかしくないんだ。
だから、神哉も来ないで欲しいと思っていると思うぞ。」
「違うもん。そんなことないもん!
おにぃは側で守るっていってたもん。
だったら私が違う世界に行く。」
「そうか・・
でもな、そっちの世界にはな、七年前のあいつも生き延びているかもしれない。
それでもお前はいきたいか?」
「それでもっ、いや、
だからこそ私はおにぃの側に行ってそのことを伝えて、
今度は私もおにぃを守れるようになりたい!!」
「分かったよ・・
だけど一つ約束がある。
一年半中学校を卒業するまでしっかり学校に通って、
その期間足手まといにならないように特訓して、力を使いこなせるようにする。それができるなら、禁術を使って、門を開いてやる。
娘がここまで俺に言ってきたのは初めてだからな。」
死ぬかもしれない?
七年前のあいつがいるかもしれない?
おにぃは望んでないのかもしれない?
そんなの私には関係ない。
おにぃに会って、側にいたい。
ただそれだけだから。
「死ぬ気で頑張る!!」
もうそこには、兄に頼ってばかりで、いないと何もできず、
泣き虫な少女の面影は消えていた。
「待っててね、私が側に行くから。」




