9:訓練始動 午後
午前の訓練が終わり、いつものメンバーで昼食をとっていた。
「それにしても、神哉すごかったね、あっ要もか。」
「おい、俺はついでかよ!」
「うん、シンくんすごかった。」
「ありがとな。」
「俺はっ俺は!?」
「神哉くん、ちょっと来てもらっていいかしら。」
「わかった。」
「夕食の後、訓練場にきてもらっていいかしら。」
「なぜだ?」
「私前の世界で、結構特殊な剣術をやっていたの。
それで、神哉くんの実力が気になったから、戦ってもらって欲しいの。」
「いいよ、じゃあ夕食後に。」
「神哉~何の話してたんだ?」
「あ~俺の力が気になったらしいよ。」
「シンくん、鈴奈さんは確か苗字呼びだったよね?」
「なんか、気に入られたらしい。」
「きっ、気に入られたの!?」
「これはうかうかしていられませんな~、ひかりちゃん。」
「ちょっと!沙耶ちゃん!」
「そろそろ行こーぜ」
「それでは魔術の訓練を始める。
今日は手始めに魔力という、魔術の元となる力を感じる訓練だ。
こればかりは個人個人の感覚だ。
自分の中に意識を置き、何か見つけたらそれを外に出してみろ。」
俺は普段から似たような力を使っているため、一瞬でできた。
「おいっ神哉、君たちの世界は、魔力はないと言っていたが、
魔力に触れたのは本当に初めてなのか?」
「はい、初めてですが。」
「君は天才だなぁ。
他の者も焦る必要はない、こんなに早くできるのは普通じゃない。
落ち着いて行え。
神哉は、それを出しながら体を鍛えていてくれ。」
「分かりました。」
「神哉には負けてらんねーな」
「先いってるぞ要。」
「おう、待ってろ。」
そして、今日中に魔力を感じ取る者はなく、
今日の訓練が終わった。




