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サラチア王国物語集

ソラの誕生日

作者: みんとるな

3作目はみんとるなが担当致します

別のメモアプリで書いたので改行おかしいです…


※2023/4/19追記 初期に書いたものの為、設定がガバガバです。シリーズと切り離した世界線としてお楽しみください。


ー登場人物ー

〇ルーチェ・サラチア王女

絵が上手いが、カーレスに見せることは滅多にない。

〇ファルル・バイレット公爵令嬢

常識人。みんなからは「ハル」と呼ばれている。

〇カーレス・アーシー公爵令嬢

いつも元気。おてんば。

〇クロス・ドゥンケル公爵令嬢

割とサイコパス。大人っぽい。

〇ソラ・カヤナイト公爵令嬢

科学が好き。クロスを「姉様」と呼ぶ。使い魔は白イルカでハイトという。

〇ウィンディ・ヴィエトル公爵令嬢

基本テンション高い。海辺に咲くミントプルメリアの香りの香水を愛用している。


―――


皆さん、ごきげんよう。

初めまして、ヴィエトル・ウィンディと申します。

え?どうして同じ言葉なのにそんな難しい名前なのかって?

確かに私達の言語はあなた方と同じ場所のものですが、そこに居る訳ではなくサラチア王国、という国の文化なんです。

サラチア王国を知らない、というのなら少し紹介をしましょう。サラチア王国は魔力の差はありながら魔法を使うことの出来る世界です。主にサラチア王家は光を司り、王家の血を引くドゥンケル家は闇、バイレット家は火、アーシー家は土、カヤナイト家は水、ヴィエトル家は風を司っています。最後の5家は5大公爵家と呼ばれ、それぞれの長女達はサラチア城内でサラチア王女と共に暮らしています。そろそろ、私が何者なのか分かってきましたか?

そう、私はヴィエトル家の長女なのです。さあ、それでは王女と令嬢の…


いえ、私の友達の話をしましょう。


これはこの間のカヤナイト・ソラの誕生日のお話です。


―――


10:00

クロスがノエルの歌を鼻歌で歌いながら歩いていた。その後ろからソラがたったっと追いかける。

「姉様!」

「? あ、ソラ!」

「もう12月だね!」

「そうね、ノエルデーがあるわ!楽しみ!プレゼント何貰おうかな…あ、そういえばノエルデーの前日はウィンディの誕生日…そうだ、今の内にサプライズ話し合っておきましょ!今日の22時に第1ダンスホールに集まるようウィンディ以外に言ってくれない?もう行かなきゃ、またね!」

「お、おう…了解!」

(今日は私の誕生日なんだけどな…姉様忘れてるのかな…)


 ○


ソラは少し寂しそうにファルルの部屋へ向かう。

コンコン

「はーい」

「ハルー?私よー」

「あ、ソラ!どうぞ」

ファルルはソラを部屋に入れた。

「何かあった?」

「あのね、今日の22時に第1ダンスホールでウィンディの誕生日サプライズの計画しよって姉様が」

「あ、OK、ウィンディには言わない方がいいよね?」

「うん、もちろん!うんじゃ、他の皆にも言ってくる」

「分かった、またね」

バタン

(ハルまで覚えてないのか…?)



(あとはレスとルーチェ…)

トコトコトコ…

コンコンコン

「ルーチェ?」

「はーい」

ガチャ

「どしたの、ソラ」

「あっソラ!!」

元気な声が部屋の奥から聞こえる。ドアの前のルーチェの影からカーレスが飛び出す。

「入って〜」

ルーチェ、ソラを部屋に入れる。部屋ではルーチェが机で何かを書いていたようだった。

ソラがそれに気づくとカーレスとルーチェはとっさに机の上の紙を隠した。

「また絵でも?」

「まあね」

「レスに見せるなんて珍しい」

「確かに…」

とルーチェは笑う。

「あそうそう、姉様が今日22時に第1ダンスホールに集まってって。ウィンディの誕生日サプライズの計画するから。」

「「OK」」

「うんじゃあね」

「また後で!」

カーレスもルーチェも手を振る。

(もう悩んでも仕方ないね、ちゃんとサプライズ考えよう)



12:00

昼食の時間。

広間に集まり、いつもの様にテーブルをみんなで囲う。

ウィンディは何も変わらずソラは安心した。

(ウィンディにはどんなサプライズが合うのかな…私なら…)

そう思うと少し寂しくなった。

「ごちそうさまでした」

「美味しかったです」

ドアのところに立つシェフにお礼を言って帰る。

(どうしようかしら…)

ソラは一瞬悩むと図書室のある方へと歩いて行った。

図書室に入りいつもの窓側の端っこへ移動する。

そしてすぐ近くにある「科学探偵ミスターキュリー」という小説を取り出した。この小説はソラのお気に入りで、10歳の誕生日で父に貰ったものだ。科学探偵ミスターキュリーが科学を使って全ての謎を解決する。ギャグもシリアスも完璧で、謎が解けた時には「なるほど!」と思える素敵な小説である。

当時はよく分からないところもあったが、ずっと読み続けるうちにどんどん面白くなっていき、今でも一切飽きずに気に入って読んでいる。そしてこの本がソラが科学に興味をもつ理由の1つだった。

またこの席もソラのお気に入りで、落ち着く端っこの上、窓からはサラチア王国の素晴らしい景色が眺められる。よく目を凝らすとたま流浪の音楽隊が公園で音楽を披露しているのが見えることもあるのだ。

ミスターキュリーの華麗な解決を読みながらサラチア王国を舞台に自分で妄想するのが最近のソラのこの小説の楽しみ方だ。



16:00

なんだかんだ図書室で本を読んでいたら日も暮れそうになっていた。本を読んでいると全部忘れて没頭してしまう。もちろん今日が誕生日だったことも今思い出した。

(部屋に何かあるかもしれないな)

と図書室を後にし、早足で自分の部屋に戻った。

部屋に戻るまでの廊下で、夕焼けの光が差し込みステンドグラスを通してとても暖かい空間になっていた。

(ちょうどいい時間にここを通れてよかった)

いつもみんなと話しているとすぐに夕ご飯の時間になってしまう。だから、夕焼けの時間にこの廊下を通れることは滅多にないのだ。

(なにかといい誕生日だったのかも)



ガチャ

「ただいま〜」

部屋に入ると

使い魔の白イルカ、ハイトがすぐ寄ってくる。

「ごめんね、お待たせ」

するとハイトはソラをつつき、ベッドへ連れていった。

「え?まだ寝ないっていうか夕ご飯近いんだけど…」

戸惑いながらベッドを見ると、なんとクロスが寝ていた。

「姉様!?!?」

むにゃむにゃ

「んー、ソラ…?今日は…ついに決行ね…あなたに先月からの力を見せてあげるわ…」

スースー

「決行?先月?」

もしかして、と思ってクロスを強く揺さぶる。

「姉様!起きて!!とりあえず起きて!もうすぐ夕ご飯になるわよ!!」

「あえ?んー、ソラ…え、ソラ!?夢じゃなかったのね…」

「やっと起きた!!」

「夢じゃない…って…あ!」

「ん?」

「あ、いや何でもないよ」

「姉様、なんか夢の中で私に決行だとか先月からの力見せてあげるだとかなんか言ってたけど、何かあった?」

「えっ!?あーいや別に!何でもないよ!!うん!!!」

急にクロスは焦りだした。

「そーなの?でもウィンディの話にしてはおかしい気が…まず今日は作戦会議だし、先月からじゃなくて今日からじゃないn」

「ま、まあ夢なんだから!現実とは関係ない!」

「まあ…確かに…?」

(明らかに焦ってたのに…教えて貰えないなら仕方ないか)

「ていうか…なんで私の部屋で寝てたの…?」

「あー…それは…ごめん、ハイトが私を呼んでたから☆」

「ほんっとに好きだなぁ…(呆)」

するとハイトが影から顔を出し、びくびくしながらソラの後ろに寄った。

「なんかめっちゃ怖がってる…何した、姉様?」

「さーね、分かんない。ま、てことでソラの部屋にお邪魔してベッドふわふわだなぁって思ってたらソラに起こされたって感じ!」

「ベッド褒められるのは嬉しいね。ふわふわなのはなんてったってクッション水魔法が使われてるんだから!でもみんなも同じベッド使ってるんじゃないの?」

「まあそうなんだけど…やっぱり水属性のソラが使うと私のよりふかふかなんだよ、きっと!ていうか君図書室でよく寝落ちしてるから私より使ってないんじゃない?」

「まあ確かにね」

「あ、そうそうウィンディが呼んでたわよ。渡したいものがあるとか。…今日なんかあったかしらねぇ?」

「ん、分かった。部屋に居といていいけど、ハイト怖がらせるなよ?」

(最後…めちゃくちゃに白々しがったな…あれこれ私の誕生日分かってるやつなのか…?)



コンコン

「ウィンディー?」

返事はない。

「ソラーー!!!」

横からウィンディの声が響く。

「よかったよかった渡したいものがあるの!」

「姉様に聞いた」

「とりあえず入って入って!」

ガチャ

「ちょっと待っててね」

そう言ってウィンディはまた部屋を出ていく。



18:00

しばらく経った後

(まだ帰ってこない…遅いなぁ…逆に大丈夫なんだろうか…夕ご飯まで1時間か…)

(ちょっと部屋拝見させてもらおう)

(ていうか寒って思ってたら窓開いてる!?)

ウィンディは風属性のため風に当たるのが好きなのだ。部屋の窓は基本ずっと開いている。窓の外に顔を出し思いっきり空気を吸う。

「んー、やっぱり深呼吸はいいわね」

すると遠い海に咲くミントプルメリアの香りがした。

(え?)

と目を開けた瞬間ペリドット色の瞳が飛び込んできた。


 〇


ハッピーバースデー!!!!!!!!!


2度目のウィンディの声が喜びに響く。

「え!?!?」

そしてもっとソラを驚かせたのが…なんとウィンディの後ろからルーチェ、クロス、カーレス、ファルルが飛び出してきたことだ。

「お誕生日おめでとう!!!!!!」

「驚いたーー??」

「変な芝居しちゃってごめんねー!!」

みんなはウィンディが風魔法で浮かした絨毯の上に乗っていた様で、

窓から部屋に入ってきた。


「いやー、ソラ、驚いたー?」

カーレスがキラキラとソラを見る。

「まあね、誕生日忘れられたのかと…去年はハルが1番初めに祝ってくれて、姉様なら忘れるかなーって思ったけどハルも覚えてなさそうだったから…」

「なんだってーー?!」

「ごめんって姉様!でも姉様の最後の大根芝居のお陰でみんな私の誕生日分かってるかもって思ったんだ!」

満面の笑みでそう言うとクロスは

「ふふふ、だって分かってもらわないと流石に寂しいでしょ!」

「本当なんだか、言い訳なんだか…」

「いやーそれにしても

 ルーチェとレス天才?」

ウィンディが感心したように話す。

「ソラ、このサプライズルーチェとレスが全部計画したのよ?」

「最後の最後まで計画完成してなかったんだけどね」

ファルルが笑いながら言う。

「もしかして隠してた紙、計画の紙だったの?」

「そうだよ」

ルーチェが答える。

時計を見たファルルがみんなに言った。

「ていうかそろそろ夕ご飯の時間じゃない!行きましょ!」

「ほんとだ、行こうか」

「プレゼントは夕ご飯の後ね!」

「今夜はソラのバースデーパーティ&パジャマパーティだ!」


 〇


20:00

第1ダンスホールではウィンディの誕生日サプライズの計画ではなく、ソラのバースデーパーティが行われていた。といっても、それぞれクッションを持ち寄って話をする。それだけでも十分楽しい。

「許可とれたよー!!」

ルーチェが部屋に帰ってきた。

「やったー!みんなで寝れるー」

ルーチェはこのダンスホールで寝ていいか許可を貰ってきたのだ。OKが出たと聞き、ソラは魔法で柔らかい水の塊を6つ作った。ファルルがそれの表面を乾燥させ、火で温めた。これで冬でも暖かい簡易ベッドの完成だ。

「ほんと2人のベッドは最高」

ウィンディが寝転びながら言う。

「でもこの上にいたら寝ちゃいそうだから下に降りとこ」


 〇


「んじゃ!プレゼントだね!!」

カーレスが手を叩く。

ソラへのプレゼントは

ルーチェがサファイアのペンダント、

ファルルがお揃いの真珠の付いたピン、

カーレスが青と水色のグラデーションの珍しいハイビスカスの鉢、

クロスが白イルカ型の栞、

ウィンディが水が巻き上げられている形のモビール だった。

プレゼントを渡した後もとっても楽しい夜だった。

サプライズの裏話から最近の使い魔事情、魔法についての話まで夜中(よるじゅう)ずっと話していた。

「ふわぁ…おやすみ…」

そしてみんなは眠りについた。


―――


「さてと…

こんなもんでええやろ。

ここまで書けば成績AかBぐらいにはなるっしょ…

え?ああ、この小説は先生の宿題で書いてるんやで。

あ、方言で話しちゃった。まーええわ。

実は私達、日本語の中でも関西って言う地域の方言を喋ってんねんな。名前書くん忘れてたな…最後でもいっか。んじゃまたね」


ヴィエトル・ウィンディ

最後のウィンディのセリフはウィンディの小説には入ってません!

(あとウィンディの瞳はペリドットよりもミントグリーントルマリンとかミントガーネットがイメージに近いっす。調べてみてね。)

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