【プロローグ】 Hiroshima City, 1945.
Hiroshima City, Aug. 5, 1945, 23:15 GMT.
その時、世界の運命は転換点を迎えた。
人類は自らを全滅させる事が出来る最終兵器をついに使用したのだ。
核の時代の到来である。
マリアナ諸島テニアン島北飛行場を午前6時間30分頃に離陸したアメリカ軍の戦略爆撃機 B-29(機名:エノラ・ゲイ)から投下された原子爆弾(コードネーム:リトルボーイ)は、広島市の中心部である元安橋の東側上空600mで爆発した。
爆発の瞬間、ウラニウムの連鎖核分裂を起こした中心部の最高温度は一瞬で2,500,000℃に達する。
その直後、閃光と共に火球が出現し、爆発の0.2秒後には直径約300メートルにまで拡大した。
爆発に伴う熱線と放射線、そして爆風による衝撃波を受けた広島市中心部は、たった一発の原子爆弾で壊滅した。
―質量はエネルギーである―
原子爆弾は、1905年にアインシュタインが発表した法則の正しさを、あまりにも衝撃的に実証してみせた。
原爆投下という世界史的な大事件から遡る事40年前の、この発見こそが全ての始まりであった。
次回は11月29日(金)20時に公開予定です。