安倍晴明時空奇談 ー運命の二人ー
「都和香殿、実はこの時代へ連れ去ったのはこの私なのだ・・・」
「この件には先程、貴方が言っておられた閻魔王様と他にもう一人
神界の長様が深く関わられております」
「今回、命令の内容の重要性から何としても成功させなくてはならず
貴方には訳が分からず、不安でしかない事は分かっておるつもりです」
「貴方には記憶が無いかも知れないが、実はこの転生前は神の国である
神界の巫女姫であり、今回定められた運命の為時空を超えて貰ったのです」
「貴方には、その神界におられた時に仕えておられた神を救って頂きたい」
「えっ⁉︎神様を私が救うのですか?」
「ええ、そうです。訳あってその神は人の子として転生しており救えるのは
唯一、貴方以外にはいないのです」
「あの、聞いているだけで凄く重要だと思いますけど本当に私なのですか?」
「私なんて、心が弱くて毎日の日々に希望を失ってしまいそうになっている
そんな弱い人間ですよ」
都和香は寂しそうにそう言った。
「都和香殿、そんなに自分を責め悲観することはない・・・」
「大丈夫、貴方の魂は清らかで強いのだから」
「人は修業の為に生まれて来るが、陰と陽と色んな魂が集まる世界だからこそ
その修業が人により困難さを感じる事となる」
「簡単に言うと、地獄に堕ちている魂と天界にいる魂が同じ世界で共に生きて
修業の為肉体を持ち生活しているのだから、清い魂の貴方には辛く感じてしまい
苦しく思えても仕方の無い事なのですよ」
「この平安の世も見かけは雅に見えても貧苦・貧困で苦しんでいる者の方が多いし
良い生活をしている者でも、妬み・嫉妬・恨みなど負の感情を持つ者も多い上に
その念を糧に怨霊や妖魔がはびこっております」




