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安倍晴明時空奇談 ー運命の二人ー  作者: 和路(わんじ)
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安倍晴明時空奇談ー運命の二人ー

「さて、幼き神よ。この少女の亡者を貴方に判じてもらおう」

「この私が判じるのですか!?」

「その通り。この少女の亡者を判じる事が、最期の課題となります」

「今まで沢山の亡者を判じて来た場面を見て来られて、人と言う者の

善も悪もそれ以外の大切な事も、学ばれたと思います」

「ですから最期に、貴方が判じる事でそれが神となられた後に大いに

役立つ体験となられるはず。今まで、亡者を判じた神はおりませんし

これから先も現れないでしょう」

その様子を見ていた都和香は、その亡者の少女の姿を見て驚いた。

自分がそこにいる!?と思う程にその少女と自分がそっくりだったの

だから本当に困惑した。

着ている服装こそ少女の時代の物であるが、顔は本当に鏡で見ている

がごとくそっくりだったからです。

「ここは・・・どこですか?」

少女のその質問に閻魔王は、隣に並ばせた幼き神に、答えるようにと

小声で促した。

「ここは・・・閻魔王宮です。死者が、自分の生前の行いをこの鏡で

見せられ、次の行くべき場所が決められる所です」

「えっ!?それでは私は・・・死んだのですね・・・」

「ああ、今、思い出しました」

「貴方をこれから判じなくてはなりません。この姿見の鏡で、貴方の

全てを見せてもらいます」

幼き神がそう言うと、亡者の姿をとらえた姿見の鏡が映し始めた。

歴史で言うと、奈良時代始めの頃の場面だった。

少女は生まれつき強い霊力を持っていたのだが、時代が時代である為

人と違う力は人々の恐れとなっていた。

住んでいたのは小さな集落の村で、ある時その村で流行り病で数人の

村人が病の床に付き、少女は苦しんでいるのを知って、自分の霊力で

治してあげたが、周りの人達は力を恐れて、病を完治させたと言う事

を逆手に取り、その病を振り撒いたのも少女だと決め付けてすぐさま

村から追い出してしまった。

追い出された少女は何日も山中を彷徨い歩き、ある日、高熱を出して

倒れ、そのまま死を迎える事となったのでした。

その時のどうしようもない孤独感が都和香に流れ込み胸を締め付けて

苦しめましたが、堪えながら進む映像を体感し続けました。

「君は本当に凄く辛く寂しい思いをして来たね・・・」

「人々の負の部分を学ぶ為とは言え、魂から傷ついてしまった様だ」

「本来なら天界へと導くべきなのだろうが、天界では、その魂の傷を

癒せない気がする」

「どうだろうか?この私と共に神界へと行き、私の巫女姫として側に

いてはくれないだろうか?」

「えっ私が神々様の住まわれる神界へですか?」

「私ごときが恐れ多くて無理でございますわ・・・」

「そんな事はない。君の魂は神界に十分相応しい素晴らしい物だよ」

「私は神界の者で、今回限りで、この閻魔王宮に用件で訪れているが

もう、戻らなくてはいけないのだが、君を一緒に連れて行きたい」

「私などが・・・本当によろしいのですか?」

「勿論だ。私も自分に驚いているが、きっと君の魂に触れてその清き

魂に惹かれたんだよ」

「もしかしたら、ここで出会う為にここへ導かれたのかも知れない」

桜花(おうか)、君の事を神の位へと引き上げ、神界の住人の一人と

して、私の伴侶の巫女姫として認める。私と一緒に来てくれるね」

「私自身、どれだけお役に立てるか分かりませんが、それでも私の事

を必要として下さるのでしたら、どうかご一緒させて下さいませ」

「それでは一緒に来てくれるのだね」

「はい、よろしくお願い致します」

「良かった・・・」

「幼き神よ、その娘を神界へと引き上げるのですか?」

「はい、決めました。彼女以外は考えられない」

「分かりました。判じた結果ですから異論は致しません」

「しかし、驚かされました。でも、長殿もこれで安心なさいますな」

閻魔王は、二人を祝福し、幼き神は桜花を連れて神界へと戻って行き

ました。



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