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安倍 晴明時空奇談 ー運命の二人ー
都和香自身、自分が今何処にいるのか
どうなってしまったのか混乱しつつ
どんどん不安になって来たのでした。
「そう言えば京都まで来て・・・」
「バスに乗って・・・」
「そうだわ、急に橋の上で真っ黒な雲が・・」
「そこから記憶が無いんだわ・・・」
そう言い終わるか終わらない内に
部屋に一人の女性が入って来た。
「目が覚められましたね」
「私は桃花と申します」
「御主殿様から貴方様のお世話を申し使ってます」
「あの、貴方様のお名前をお伺いしてもいいですか」
「あ、私は瑞月都和香と言います」
「都和香様ですね」
「都和香様、よろしくお願い申し上げます」
「いえ、こちらこそよろしくお願いします」
「あの、私どうなってしまっているんですか?」
「どうしてここに居るんでしょか?」
「ここは一体何処なのか何も分からなくて・・」
「都和香様、落ち着いて下さいませ」
「時は今、平安時代と呼ばれております」
「ここは京の都にある御主殿様の屋敷内です」
「御主殿様がお戻りになればご説明して下さいます」
「それまでにきちんとお召し替え願いますね」