安倍晴明時空奇談ー運命の二人ー
今、目覚めているのは都和香の前世の意識体であり、そのまま晴明を庇うように
晴明の前に立ち、先程晴明が招喚途中だった言霊の続きを唱え始めた。
「四地神よ、よく我が命を聞き答え給え。我が元に招喚し目の前の怨霊達と共に
操られし妖魔・百鬼夜行を退治せんが為、我が声に応え力を貸し給え」
都和香が唱え終えると、都和香の前に大きな光の玉が四つ現れてその玉の中から
青龍・白虎・朱雀・玄武の四地神が姿を現した。
「我らを呼びし主よ。真の神の巫女姫よ。そなたの願い、しかと聞き申した」
四地神はそう言うと、まずは百鬼夜行の前に降り立つとあっという間に妖魔達と
共にあっと言う間に、蹴散らし倒した。
その後直ぐに四地神は怨霊と戦っている篁のところへと移動して、そこでも直ぐ
怨霊達を蹴散らし倒した。
「なっどう言う事だ・・・」
「急に四地神が現れ、救われるとはな・・・」
篁は急に四地神が現れた事にかなり驚いた。
一方で、都和香の方は敵がいなくなった事を確認すると、元の都和香の意識体に
戻り、倒れている晴明の元に駆け寄った。
「晴明様!お願い・・・。目を開けて・・・」
「お願い・・・晴明様・・・起きて・・・」
「こんなの・・・いや・・・嫌よ・・・」
「私を置いて行かないで・・・。一人にしないで・・・」
都和香は泣き崩れながら両手で晴明を揺さぶり呼びかけ続けた。
しかし、晴明の反応は無く血塗れの体が横たわるのみとなっていた。
そんな都和香の前に、急に眩しい光りと共に不動明王が現れた。
「この者の魂、ここにあらず・・・。冥界なり」
「この者救う為、共に冥界へ来れるか?」
「晴明様を救う為なら、冥界でも何処でも喜んで行きます」
「承知した。ではそなたは篁と共に冥界へ来られるが良い」
「我は先に冥界へと行き、この者の魂を引き止める為閻魔王に掛け合っておこう」
「では向こうで待っておるぞ」
そう言うと不動明王は姿を消した。
そこへ篁が走り駆け寄ってきた。
「これは・・・酷い・・・。一体何があったのですか?」
「晴明殿・・・。なんと言う事だ・・・」
「しかし都和香殿・・・。良くご無事で良かった…」
「大丈夫ですか?」
そう言って、涙ぐんでいる都和香の事をそっと篁は抱きしめた。




