安倍晴明時空奇談 ー運命の二人ー
篁としては明後日に都和香を後宮に紹介し、お披露目をした後
陰陽寮付近で偶然を装って二人を出会わすつもりで忠行と共に
考え進めてきた話しだったのが、二人は出会いそれだけで無く
会う約束までしている。
篁にとっては計画自体が楽になったはずなのに、心の奥の方は
自分で封印したはずの叶わぬ想いが、ひどくざわつき苦しめた。
しかし決して悟られる訳にもいかず、何とか平静を装った。
「分かりました。いいでしょう」
「ただし、予定通り後宮でお披露目と紹介はきちんと行う事と
晴明殿に会う時には私も同席させる事です」
「晴明殿にお礼を伝えるだけですよ」
「都和香殿、以前人になられている神を救って頂きたいとお話しを
したと思いますが、その方こそ安倍晴明殿なのですよ」
「えっ・・・いっ今なんとおっしゃいました?」
「貴方が出会った彼こそ、闇に堕ちかけた神なのですよ」
「ですから今、貴方から話しを聞いて私も驚きました」
「晴明様が・・・本当に・・・?」
「本当です・・・」
「ですから晴明殿に会う事は何も問題など無いのです」
そう口にした篁の胸がちくりと痛みを伴った。
「では、明後日は予定通り篁様、お願いします」
「引き受けました。さあ、今日はもう疲れたでしょうからこの件は
また後日にしましょう」
「都和香殿、正直に話してくれてありがとう。嬉しかったですよ。
少しは信頼してもらっていると思ってもいいのかな?」
「もちろんです!篁様にはどんなに良くして頂いているか言葉に表せない程です」




