安倍晴明時空奇談 ー運命の二人ー
「本当に何事も無く良かった・・・」
篁の話しを聞いて、都和香は先程の大蜘蛛の事を再度繊細に思い出し
背筋から冷や汗が流れそうになり、それと同時に心から心配をさせた
篁に対して隠し事がある事に、罪悪感でいっぱいになった。
「篁様、あの・・・まだお話ししなければいけない事があるのですが
実はここへ帰宅する前に大蜘蛛に襲われたのですが、一人の陰陽師の
方に助けて頂いたのです」
「なんですと!?それにしても土蜘蛛を一人で相手出来る陰陽師とは
かなりの呪術力が無くてはならないが、名前は聞きませんでしたか?」
「えっえっと晴明様、安倍晴明様です・・・。そうお聞きしました」
その名前を聞いて篁は心から驚いた。
会うべくして会ったのか、それとも運命なのか偶然かどちらにしても
二人は出会った。
その事実に篁は自分が遠く及ばない大きな力を、実感させられた。
「篁様?・・・」
考え深そうにしている篁に、都和香は気になり呼びかけた。
「あの、最初にお話ししなくてすみませんでした・・・」
「お気を悪くされましたよね・・・」
都和香の声に篁はハッとして我に戻った。
「いやそうでは無いよ・・・。少し考え込んでしまっただけだよ」
「それにきちんと私に話しをしてくれたではないか」
「実はもう一つ、その晴明様と明後日お会いするお約束をしてまして
昼間の間でいいので、お会いするお時間を頂きたいのですが・・・」
「だっだめでしょうか?・・・」
その言葉を聞き、運命という物の力を改めて篁は突きつけられた気がした。




