安倍晴明時空奇談 ー運命の二人ー
「はい・・・」
その返事の声に、晴明は自分の魂ごと囚われてしまった気がした。
「都和香殿、またお会い出来ますか?」
「あの、明後日でしたら用件があって出掛けるので、昼頃でしたら
少し時間が取れると思います」
「良かった・・・。それでは昼頃に朱雀門の前でお待ちします」
「その時刻ならば安全な時間帯ですし、朱雀門の辺りも人通り自体
少ないでしょうから、そんなに人目も気にしないで済みますしね」
「では都和香殿、楽しみにしています」
「はい、私も楽しみにしていますね」
二人とも笑顔で約束を交わした。
それを聞いて桃花は心配のあまり、小声で都和香に詰め寄った。
「都和香様、良いのですか?そんなお約束してしまって・・・」
「ごめんなさいね・・・。でも私、何故だか分からないのだけどね
どうしても、またお会いしたくて・・・」
「こんな気持ち初めてなの・・・」
「都和香様・・・」
桃花は都和香の気持ちを知り、それ以上は何も言えなかった。
ただ、御主殿に知られぬように少しでも力になりたいと思った。
「ああ、そう言えば牛車を引っ張ってくれていた従者の人は?」
「大丈夫なのかしら?」
「都和香様あちらに倒れているようですわ!」
それを聞いて晴明は、倒れている従者の所へ向かった。
「失神しているだけで、命は大丈夫です」
「先程のお詫びも兼ねて、私が術で傷も治し起こして差し上げます」




