安倍晴明時空奇ー運命の二人ー
「ははっはははは~、こっこれは失礼した」
「私は生憎と人間嫌いでね、つい皮肉を言ってしまう癖がついていてね」
「君がそちらの仕えている貴族の姫君の事で、必死になっているのを見て
つい、嫌みにからかってしまった」
「本当にすまなかったね」
「分かっていただければ結構です。以後注意なさって下さい!」
桃花は毅然とした態度でそう言った。
「善処致しましょう」
「申し遅れましたが、私は陰陽師安倍晴明と申します」
「実は最近この辺りで怪死する人が多くてね、今夜も様子を見に来た所で
土蜘蛛に出くわしたと言うわけです」
晴明がそう言い終わった時、夜空が見事な月夜に変わり辺りをしっかりと
その月明かりが晴明と都和香をしっかりと照らし出した。
照らし出された二人は互いに初めてしっかりと顔を見合わした。
二人の目と目が合った時、二人同時に心臓を鷲掴みされた様に胸の辺りが
苦しくなり互いに目が離せなくなり、しばらく二人は見つめ合った。
先に一声を放ったのは晴明だった。
「姫君、不躾だとは思うが・・・その、何処かでお会いしたかな?」
「いっいいえ・・・初めてですが不思議ですね、私も同じ事思いました」
「そっそうですか・・・」
晴明は胸の高鳴りが益々増して来る中、勇気を出して名を聞く事にした。
「姫君、失礼ですが私によろしければ名を教えては戴けないでしょうか?」
「わっ私の名ですか?」
「私は都和香と申します」
「都和香殿・・・ですか」




