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安倍晴明時空奇談 ー運命の二人ー
辺りはすっかり暗くなっていて、見渡すかぎり闇ばかりで
何も見えなかったが、二人の目の前に何かが近づいて来る
そんな気配と圧迫感を感じ、足元近くに落ちている松明を
都和香は手に取ると、勇気を出して気配のする方の目先へ
灯りとしてかざして見た。
「ひっ!いやー!!」
二人同時の悲鳴が辺りに響きました。
目の前に迫って来ているのは、牙をむき出しにした大きな
大きな化け蜘蛛で、今にも襲いかかって来る様子でした。
「都和香様、早くお逃げください!」
「何言っているの!桃花をほっておいて行けないわ!」
「私はいいのです!都和香様に何かあれば御主殿様に何と
詫びても詫び切れず、全てが取り返しつかなくなります」
「でも、私一人逃げるなんて・・・」
「どうしたらいいの・・・。何とかしないと・・・」
その間にも化け蜘蛛は二人に近づいて襲いかかって来た。
その時でした。
急に青白く光る紙が飛んで来ると、化け蜘蛛の顔面めがけ
貼り付き、すぐに今度は青白い炎となって燃え出しはじめ
化け蜘蛛は苦しむ様に後ずさりしながら、もがき暴れた。
そこへ一人の男性が走り駆け寄ってきた。
「大事ないか!何とか間に合ったな」
「さて、ではお二人はもっと後ろに下がっていて下さいね」
「土蜘蛛よ、私が相手をしてとどめを刺してやろう!」
そう言うと男性は何かを唱え出した。




