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安倍晴明時空奇談 ー運命の二人ー
「そうですか・・・。それはまずいですな」
「分かりました。例の件は日取りを再度考え
なるべく早く準備出来るように致します」
「それは有り難い。こちらも最大限に努力を
致しますが、くれぐれも早めに頼みますぞ」
二人の会話が丁度終わった所に忠行の息子の
保憲が慌てた様子でやって来た。
「父上、失礼致します。実は急いでお伝えを
すべき件がございます」
「何事なのだ保憲。来客中と知っても伝える
べき内容なのか?」
「申し訳ございません。実は晴明の件です」
「晴明の・・・。分かった。こちらの客人も
晴明と関わる方であるし、丁度良い機会だし
一緒に聞いていただこう。申してみよ」
「はい。今朝の事ですが陰陽師の同僚からの
悪言に晴明が、我慢出来ずに大術を使用して
一人に大怪我をさせてしまったのです」
「それで晴明の方はどうしたのだ?」
「私が注意をして、今日はもう帰宅をさせて
怪我をした者は、呪術にてある程度治療して
同じ様に、注意をして帰宅させました」
「そうか・・・。分かった。わしは今日中は
仕事で家に戻れぬから、明日晴明が陰陽寮へ
参内したらわしの所へ来させよ」




