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安倍晴明時空奇談 ー運命の二人ー
「ありがとう!楽しみにしてるわね」
同時刻のその頃、小野篁は帝のいらっしゃる大内裏の中の
役所の一つである陰陽寮へと足を運んでいました。
「これはこれは小野篁殿ではありませぬか」
「この陰陽寮に何か御用でございますか?」
陰陽寮に勤めている陰陽師の一人が篁に尋ねて来ました。
「ええ、実は賀茂忠行殿にお話しがありましてな」
「お呼び頂きたいのですが、お願いできますかな」
「分かりました。忠行様にお伝え致しますので、このまま
こちらでお待ち頂けますか」
そう言うと足早に賀茂忠行の元へと伝えに行った。
その後、すぐに賀茂忠行が姿を見せて、篁と共に陰陽寮の
奥の間の部屋へと二人は入っていった。
「しかし篁殿、お久しぶりですがこちらに来られた訳とは
いよいよ例の文の件でと言う事ですかな?」
忠行の方から、そう話しを切り出した。
「例の花は時を超えて我が元に舞い降りましたので、後は
闇に堕ちそうな神にその花を捧げる日取りを決めるのみ」
篁は意味有りげにそう言った。
「そうですか。篁殿、その日取り少し急がれた方がいい」
「闇に堕ちそうな神は、今にも邪神となってしまうほどに
荒れすさんでおります」
「我が息子と共に弟子として、又もう一人の息子の様にと
思い、目もかけて注意もして来ましたが、あれの心は病み
いつ暴走してしまうやも知れません」




