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安倍晴明時空奇談 ー運命の二人ー
その他には対屋の間の廊下を渡殿と呼び、後は
釣殿・泉殿の廊下の事を、玄関の中門と呼んで
床は、現在風で言い表わすと白木で出来ている
フローリングで、屋根はヒノキの皮を使用して
とても広くて優雅で豪奢な豪邸だったのです。
篁の妹姫として暮らして行く、都和香自身には
東の対の部屋が与えられていました。
「はあ〜本当に平安時代なんだ・・・」
「明日から大変そうだけど頑張らないとね」
「とにかく明日に備えて眠らないと・・・」
「眠れるかな?・・・」
一方で篁の部屋
「しかし閻魔王様も、今回は酷な事をなさる」
「私の心を試されているとしか思えぬな・・」
「何故私の心を乱す様な出会いをさせたのだ」
「この私が一目惚れとは笑えるな・・・」
「決して叶わぬ想いを隠して使命を果たそう」
「本当に一生に一度の苦しい仕事だな・・・」
篁は心の思いをひとりごとで吐露した。
春の夜風が夜桜を騒がせる夜。
妖しく月も輝いて、ゆっくりと夜が更けて行き
都和香と篁、それぞれの定められた宿命の日々
が動き出して行くのでした。




