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久しぶりに食べたネイのご飯はやっぱり絶品です!
新鮮な食材では無いですけど、燻製肉と乾燥ハーブのスープ、枝豆粉のパン、魚の干物が入った森芋のマッシュ。
温かく、ネイと一緒に食べる食事のなんと美味しい事か!
食後、ピッタリと僕に身を寄せて座るネイが、うつらうつらと船を漕ぎだしました。ひょっとしたら僕の帰りを待って、昨日は寝ていなかったのかもしれませんね。
もう愛おしさしか湧いてきません。
お姫様抱っこをしてネイのベッドに寝かせると、ネイは半分寝ながらでも僕の手を放しません。
あまりの可愛さに、思わずほっぺにチュウをしてしまいました!
気恥ずかしさに、年甲斐もなく顔を赤くしながら作業部屋に逃げ込み、深呼吸して落ち着きます。
さあ、何から作りましょうか!
優先順位はボイラー、バスタブ、ケトル、料理用鍋、フライパン、保存食とかロウソク作り用の鍋、クラフト工具類の順番でしょうか。
とても材料が足りないので、高順位の物から作り、余った素材の量で何を次に作るのか考えましょう。
ボイラーの大体の設計図を、皮の端材の裏に書いていきます。
次に粒子の細かい粘土を捏ねて各部品の鋳型を作成。この粘土は崖下に幾らでも有るので重宝してます。
水銀先生素材は伸展性が高く、箔のようにとまでは行きませんが、薄く延ばせます。それに、武器のような強度までは必要ないので、少し多めにゼリーを増やし、工作し易い柔らかさの金属板を作って行きます。
曲げて組み立て、ヘラで接着。底部中央に一番大きな火の魔晶石を固定、輻射熱で火事が起こっては嫌なので、ちゃんと対策も取ります。気を抜いて手を離すと、パヨワワ~~ンと元の形に戻ろうとするので結構大変です。
燃料となる魔石を火力調節できるように可動式で設置し、内側に遮熱版、吸水パイプと給湯パイプを上下に付けた水槽部分を設置、余分な熱を逃がす排気煙突を付ければボイラーの完成。
続いてバスタブの制作です。
型となる粘土を持って上がるか、下で作ってバスタブだけ吊り上げて運ぶかを考え、明らかに吊り上げた方が楽なので、材料と道具を抱えて崖下に下りて作業続行です。
適当な大きさの岩を組み合わせて上げ底を作り、粘土を捏ねて滑らかに成型し、こんもりとした小山を作ります。バスタブの縁に当たる部分もぬかりなく型をこしらえ、上からトローリとした水銀先生素材をまんべんなくかけます。
核とゼリーの割合は武器未満ボイラー以上の割合です。
金属板を曲げて作った猫足風の脚を接着して完成。
残念ながら保温性は全く期待できない猫足バスタブですが、追々改良して行きましょう。
ガランゴロンと盛大な音を立てながらロープで引っ張り上げ、亀の甲羅のように背負って風呂場に運びます。岩にぶつけて傷だらけかと思いきや、全くの無傷!凄い金属です。
運び込んだバスタブをボイラーと接着。多少出っ張った部分は槍の穂先で無理矢理切り取り、接着を盛り上げるようにして怪我をしないようにバリを隠します。
かねてより用意の排水溝に、樹脂先生製の軟質ホースを排水口に接続。バスタブの排水溝にも同じく軟質の栓を嵌め込んでフィニッシュ!
この日の為に用意していた水道のバイパスを引き、いざ試し風呂!
多少歪な形ですが、大きなお風呂です、完璧にお風呂です!
感涙!!