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グロ注
皆さん爬虫類とか両生類とかって好きですか?
僕は苦手です。
あのヌルンとしたのがどうも生理的に・・・
特に大きければ大きい程ダメで、ヒッとか声が出ますね!
「ヒーーィーーーイーーーィィーーーーッ!」
何故だか以前にも似たような事が有ったような気がします!
直立サンショウウオはあの一体だけではありませんでした。地底湖から半包囲されてます!
静かに、音もなく、幽鬼のようにいつの間にか集まって来てます。その数五体!
しかも何ですかその速さ!陸上でも凄く俊敏てどういう事ですか!
そう言えばさっきも槍をあっさり躱されましたもんね。
しかも目も無いのに器用に障害物を避けてます。どんな感覚器官で把握しているのでしょう。
この五体は全員無手ですが、水掻きの付いた後ろ足を車輪のように大回転させて走ってきます!速い!しかも何故か音がしない!
出口までは後30m程、ギリギリ間に合うか・・・
ヤバイヤバイヤバイヤバイ!
ジャーーーーーンプ!
最後は頭からジャンプして出口に飛び込みました!
一回転してすぐ起き上がります!
振り向き、そこに広がる光景は・・・
えっぐ!
自分のやった事とは言えこの光景は想像以上にえぐい・・・
二本の石柱の間に渡した親蜘蛛の糸。地上50cmに一本、1.5mに一本。
最初の一匹は右足を切断。大きく開いた口に、ピンと張られた糸が飛び込み、骨に沿って首元にまで糸が食い込んで切り裂かれます。そのまま脛骨付近に糸が当たってバインッ!と跳ね返され地面に激突。下顎と太い舌が胸まで垂れ下がり悶えています。
次の一匹は、偶然にも左足は下糸を跨いだようですが、首は完全に切断。もう片方の足に糸が引っかかって、前転するように転倒。派手に血飛沫が飛びます。
三匹目は片足を切断した後、首の半ばまで食い込んだ上糸に骨が引っかかってぶら下がり、飛んで来た足首が僕の肩を掠めました。
四匹目は三匹目にぶつかり、もがいた所で右腕が糸に触れ切断、暴れた拍子に尻尾を切断。足が糸に引っかかり、肉を削ぎ落しながら転倒。
三匹目がその衝撃で下顎の肉が千切れながら糸からずり落ちます。
五匹目は最初の一匹につまずき、転んだ場所が下糸の上、胴が半分切断され、内蔵をぶちまけて悶絶。
眼前には無言で悶える直立サンショウウオの群れ・・・息絶えたものは脊髄反射で、生きているものは断末魔で蠢いています。
ビチビチとオタマジャクシのような尻尾で地面を叩く音、ウネウネと血溜りで藻掻く音が響き、猛烈な血生臭さが通路一杯に漂ってきました。
凶悪です、蜘蛛の糸。
足止めのバリケード、上手く行ったら多少の手傷、ぐらいに考えていたのに、こうも完璧に罠にかかってくれるとむしろ罪悪感に襲われます。
あまりに凄惨な光景に頭が痺れて麻痺しているみたいに現実感がありません。機械的に槍で全ての直立サンショウウオに止めを刺して回りました。苦しませるのは本意ではありませんから。
僕はここの住人からすれば侵入者、元の世界の十字軍のように利己的で野蛮な事をしてるような気がします。気じゃなくて事実そうですね・・・
先生たちは相変わらずマイペースです・・・
どこからやって来るのか、もうご馳走にたかってます。
そろそろ帰ろう。
沈んだ気分でそう思った時、ふと先生たちがいつもと違うのに気づきました。
暗いからとか炎の加減で、とかじゃなく・・・
え、あれ?色が違う・・・
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